巷でよく聞く「カーボンプライシング」ってなんだ?種類から日本企業の導入状況まで解説!
更新日時:2024.05
カーボンプライシングってなに?
カーボンプライシング(炭素課金)とは、温室効果ガス排出に対するコストを金額化し、その影響を企業や個人に反映させる政策の一つです。地球温暖化を防ぐための取り組みとして、国際社会で注目を集めています。
カーボンプライシングの具体例
具体的には、CO2やメタンなどの温室効果ガスの排出量に応じた課税(カーボンタックス)や、排出枠の取引(排出量取引)などが行われます。例えば以下のような手法が考えられます。
炭素税(カーボンタックス)
地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量に対して課せられる税金のことを指します。CO2を排出する活動、例えばガソリンを使う車の運転や電気を使う家庭の生活などについて、排出量に応じて税金を払う仕組みです。これにより、CO2を少なく排出する行動をとることが経済的に得になるようになり、地球温暖化の防止につながると考えられています。
排出枠取引
CO2の削減量を価値として取引することです。排出量が少なく、枠が余った企業は、枠を使い切れなかった「排出権」を他の企業に売ることができます。逆に、枠を超えてCO2を排出した企業は、他の企業から「排出権」を買う必要があります。これにより、企業はCO2の排出を減らすよう努めるようになります。
これらの施策は、地球温暖化の影響を最小限に抑えつつ、経済活動を継続するための重要な手段となり得ます。カーボンプライシングは、持続可能な社会を実現するための重要な一歩と言えるでしょう。
カーボンプライシングのメリットとは?
カーボンプライシングを活用する主なメリットを以下のように挙げています。
1. 環境への負荷を金額化することで、企業はCO2排出を自主的に抑制する動機づけとなる。
企業はコスト削減を重視するため、排出量が金額化されることで、省エネルギーや環境負荷の低い製品・サービスの開発に向けた取り組みが高まります。
2. 社会全体のCO2排出量を減らすことができ、地球温暖化防止に寄与する。
カーボンプライシングは、全体の排出量削減を目指す政策であり、これにより各社の環境貢献活動促進に大きく寄与します。
3. 新たなビジネスチャンスを生む。排出権の取引や、低炭素商品・サービスの開発など新たなビジネスの可能性を秘めている。
例えば、排出枠の売買や炭素オフセット、さらには低炭素商品の開発など、新たな市場が生まれる可能性があります。
今注目のインターナルカーボンプライシング(ICP)!
企業が自分たちの事業活動で排出されるCO2に対して、自ら価格をつけてコストとして計算する方法のことです。これにより、企業はCO2排出量を自主的に減らす動機づけとなります。例えば、CO2排出量が多い製品よりも少ない製品を開発したり、エネルギー効率の良い設備を導入したりすることが、経済的にも有利になるわけです。ICPは、企業が自ら地球温暖化対策を進めるための重要な手段となっています。これにより、企業は自主的にCO2排出を抑制し、持続可能な経営を実現します。ICPは、カーボンプライシングの一種でありながら、政策ではなく企業の自主的な取り組みである点が特徴です。
日本でも、ICPを導入する企業が増えてきています。企業はICPを通じて、CO2排出削減を経営戦略の中心に位置づけ、様々な経営判断やビジネス戦略を行っております。また、ステークホルダーに向けたCSRに纏わる取組みとしても活用されています。
まとめ
カーボンプライシングは、温室効果ガス排出に対するコストを金額化し、その負荷を企業や個人に反映させる政策です。企業は排出量を自主的に抑えるインセンティブを得ることができますが、一方で特にエネルギー依存性の高い企業には大きな負担となる可能性もあります。日本では、すでに多くの企業がカーボンプライシングの導入に取り組み始めており、これが全体的なCO2排出量削減につながることを期待しています。
ヤンマーエネルギーシステムでは、脱炭素実現に向けて、ロードマップ策定から実装までの支援を行っております。カーボンプライシングを活用しながら脱炭素実現に向けた具体的な取り組みをサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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