熱中症は予防が大事!十分な対策をとり、熱中症ゼロを目指しましょう!

夏季の高い気温の環境下で農作業をしていると、体温調節の機能がうまく働かず、
体内に熱がこもってしまい熱中症になってしまいます。
特に日差しの強い日中の作業などは熱中症になりやすいため注意が必要です。
日頃から熱中症の対策をしっかりと行い、予防することで
更にプラス安全を意識した農作業を心がけましょう。

熱中症は死亡事故につながりやすい!

30度を超える日は要注意!

熱中症は、毎年7月から8月に多く発生しています。特に梅雨明けの蒸し暑く、急に暑くなる7月には、体が暑さに慣れていないため、例年熱中症による救急搬送者数や死亡者数が急増しています。日最高気温が30度を超えるあたりから熱中症による死亡者数が増え始め、その後気温が高くなるにしたがって死亡率が急激に上昇します。

農作業中の熱中症による死亡事故者数、月別(2012~2022年)

農林水産省「熱中症対策パンフレット」より抜粋

農作業中は熱中症にかかりやすい!

熱中症は、気温が高い場合だけでなく、湿度が高い場合や、風が弱い、日差しが強いなどの環境が多い農作業、特に普通畑での作業中に起こりやすくなります。

農作業中の熱中症による死亡事故者数、場所別(2011~2020年)

農林水産省調べ(都道府県職員が厚生労働省の「人口動態調査」に係る死亡小票を閲覧する等の方法により調査)

死亡者の9割が「70代以上」

2012年~2021年の熱中症による死亡者は約9割が70代以上。
高齢者は特にのどの渇きや、気温の変化を感じにくいので、小まめな水分補給・休憩が必要です。
また、単独作業は熱中症の発見が遅れ、重症化のおそれがあります。

農作業の熱中症による死亡事故者数、年代別(2012~2021年)

農林水産省調べ(都道府県職員が厚生労働省の「人口動態調査」に係る死亡小票を閲覧する等の方法により調査)

熱中症の死亡事故事例

ビニールハウス内で作業中、熱中症で死亡(80代男性)

4月某日夜、ビニールハウス内で農作業をしていた80代男性が倒れている状態で発見され、その後死亡が確認されました。当日の最高気温は26.6℃でしたが、ハウス内は高温になっていた可能性があり、現場の状況等から熱中症によるものと推察されます。

畑作業中、熱中症で死亡(80代男性)

8月某日午後、畑で収穫作業をしていた80代男性が意識が無い状態で倒れているところを家族が発見し、その後死亡が確認されました。当日は晴天で、最高気温35℃を記録する猛暑日であり、午前の段階から30℃を超えていましたが、男性は朝から作業を続けておりました。

水田の畦畔での草刈り作業中、熱中症で死亡(60代男性)

8月某日午後、午前中から水田畦畔の草刈り作業をしていた60代男性が意識不明の状態で発見され、その後死亡しました。当日の気温は31℃に達しており、発見時には背負い式草刈り機をかけ、帽子は被っていませんでした。

夏季の農作業でこころがけること

1.日中の作業は控えましょう。

7~8月の日中は気温が30度を超える日が多く、熱中症になりやすい時間帯です。特に70歳以上の方は、のどの渇きや気温の上昇を感じづらくなるので、高温時の作業は極力避けましょう。

2.水分補給、こまめな休憩をとりましょう。

暑い日はこまめな水分補給が必要です。のどが乾いていなくても20分おきに休憩し、毎回コップ1~2杯以上を目安に水分補給しましょう。
作業中に足がつったり、筋肉がピクピクする症状がみられたら、0.1~0.2%程度の食塩水(1Lの水に1~2gの食塩)、スポーツ飲料、塩分補給用タブレットを摂取しましょう。

  • 市販品を摂取する際は、必ず成分表示をチェックし、適切な量を摂取してください。

休憩時は、日陰等の涼しい場所で休憩し、作業着を脱ぎ、手足を露出して体温を下げましょう。

3.熱中症予防グッズを活用しましょう。

屋外では帽子、吸汗速乾性素材の衣服、屋内では送風機やスポットクーラーなどを活用しましょう。

4.単独作業を避けましょう。

作業は2人以上で行うか、時間を決めて水分・塩分補給の声かけを行うなど、定期的に異常がないか確認し合うようにしましょう。

5.高温多湿の環境を避けましょう。

暑さ指数(WBGT)計、温度計、湿度計で、作業環境を確認しましょう。作業場所には、日よけを設ける等できるだけ日陰で作業をするようにしましょう。特にビニールハウス等の施設内は風通しが悪く、早い時期、早い時間から暑さ指数(WBGT)が高くなるため、風通しを良くしたり断熱材を活用しましょう。

こんな症状は熱中症のサインかも?

手足がしびれる、冷たい めまい、吐き気がする ズキンズキンと頭痛がする 汗をかかない、体が熱い 意識が朦朧とする 体がだるい まっすぐに歩けない

代表的な症状は上記のとおりですが、熱中症には特徴的な症状がないので「暑い環境での体調不良」は全て熱中症の可能性があります。

暑い環境で体調不良の症状がみられたら、すぐに作業を中断して応急処置を行いましょう。

  • 涼しい環境へ避難する。
  • 服をゆるめて風通しをよくする。
  • 水をかけたり、扇いだりして体を冷やす。
  • 水分・塩分を補給する。
脇の下、両側の首筋、足の付け根などを冷やすと効果的です。

症状が良くならない場合は、病院で手当を受けましょう。

意識がない場合、自力で水が飲めない場合、応急処置を行っても症状が良くならない場合は、すぐに病院で手当を受けるようにして下さい。

熱中症予防のためにできること

体調をしっかりと整えることが熱中症予防につながります。夏季は特に日々の体調管理を意識し、安全な農作業を行いましょう。

朝食は作業前に欠かさずバランスよく食べましょう。

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睡眠はしっかりとりましょう。

お酒は飲みすぎないようにしましょう。(飲みすぎると脱水症状になる可能性があります。)

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持病がある場合や体調不良のときは翌日の作業内容を軽くするなどを検討しましょう。

農林水産省 農業者向けスマートフォン・アプリケーション(MAFFアプリ)を活用しましょう

MAFFアプリは、農業に携わる皆さまに役立つ情報を農林水産省から直接お届けするスマホ用アプリです。
設定いただいたお住まいの地域や作目、関心事項等に応じて、役立つ情報をお届けします。
また、MAFFアプリに登録された方の地域に環境省及び気象庁が運用する「熱中症警戒アラート」が発出された場合、当日の朝7時頃に自動でMAFFアプリにアラートが通知される機能(プッシュ通知機能)が追加されました。
熱中症との相関が高い「暑さ指数」の値が33以上と予測された場合、気象庁の府県予報区等を単位として注意情報が発表されます。

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