宮原 敏 様
有光工業株式会社 施設畑作推進部 部長
静電効果で葉の表にも裏にも少量の薬剤でしっかり散布。
①ノズルの電極部でマイナスに帯電した粒子を噴霧
②マイナスの噴霧粒子が葉の中のプラス電荷と引き合う
③噴霧粒子が葉の裏表にしっかり付着
有光工業株式会社 施設畑作推進部 部長
静電ブームに搭載している静電ノズルは、マイナスに帯電した農薬の粒子が作物中のプラス電荷と引き合う性質を利用して、少量の薬剤で効果的な防除が可能です。15年ほど前から手散布の静電ノズルを製造していたのですが、北海道の農家の方から、こんなに付着するならブームスプレーヤにも静電装置を着けたいという声をいただきました。そのお声がきっかけで静電ブームが誕生しました。以来、10年に渡って改良を重ね、低コスト農業の実現に貢献しています。
導入されたある農家さんは、3ha分の防除が10a当たり50Lで完了し、農薬の投下量が半分になった実績があります。数字には表れませんが、給水する移動時間や管理機の使用時間、オペレータの疲労軽減になるなど、全てにおいてコストダウンになっています。
特に広大な露地栽培だと、炎天下での作業が長くなりますので、作業時間の短縮は非常にメリットがあります。クーラーを完備したキャビン式乗用管理機用なので、さらに快適・安全に作業することができます。
現在、北海道ではトラクターにマウントするタイプなどが100台くらい稼働していますが、府県での潜在ニーズはまだまだあると考えています。有光社長はいつも「静電ノズルで農家さんを守りたい。これは私の使命だ」と言っています。今後は、海外への作物の輸出を見据えて、残留毒性をいかに少なくできるかが課題だと思っています。
2018年6月発行「トンボプラス12号」より転載