福田農園
代表
福田 正英様
- 地域 : 栃木県塩谷郡
- 作物・作業 : たまねぎ
福田農園
代表
米に代わる作物として、たまねぎの産地化に意欲的に取り組んでおられる栃木県の福田農園様。
規模を拡大されている中で、さらなる減農薬栽培の実現のため昨年11月に静電ブームを導入された。
夏の防除作業を目前にしたこの時期、その効果と期待について取材させていただいた。
栃木県塩谷郡高根沢町で主にたまねぎを栽培されている福田農園。元々はお父様が水稲中心に栽培されていたが、2代目の福田氏には「私が就農するかしないか迷っていた時期に、父と世代交代について話しました。米に代わる商品作物がないと経営は難しいだろう」という想いがあった。
そんな福田氏に転機が訪れる。市場に勤めていた地元の先輩農家の紹介で、北海道中富良野町のたまねぎ農家に研修する機会に恵まれたのだ。主力作物の米から徐々にたまねぎへとシフトしていった歴史を持つ当地で研修を終えた福田氏は、手応えを感じていた。「今後は土地が余ってくるので、たまねぎの生産を機械化できれば勝負できる」とたまねぎを主力に栽培することを決意。30~50aほどだった栽培面積は、わずか2年ほどで5haまでに広げられた。
たまねぎ畑に我が子を見るような眼差しを向ける福田氏は、減農薬栽培にも意欲的に取り組んでいる。2017年11月に導入したばかりの静電ブームは、作付面積に応じて購入を決めたが、静電ノズルでより少ない農薬でしっかり防除できる点に期待されている。しかも、散布の回数も減るので、面積に比例して増える農薬の資材代も低減できる。つまり、福田氏が強く願う経営の安定化にもつながる。
「導入したきっかけは、北海道の研修先のアドバイスでした。従来も防除はブームスプレーヤでやっていましたが、静電ブームは付着率が上がるので助かりますね。特にたまねぎは水をはじくので、少ない量で確実に付着させる静電技術は手放せないですよ」。夏の防除作業が今から待ち遠しいような表情を浮かべる福田氏だった。
福田氏のたまねぎに賭ける情熱の源泉はどこにあるのだろうか?率直にうかがうと「実は家が農家であることに劣等感があるんです。でもそんなイメージを変えたい。だから、稼げるビジネスモデルの確立が必要なんです」。熱く語ってくれた福田氏は、農家が参加する社会活動や若手農家が切磋琢磨できる取り組みも必要だという。「父の時代は農協が後押ししてくれることが多かった。でも、今は積極的に新しいものを取り入れるために補助事業を活用するなど、自分達で考えないと。栃木県はたまねぎ栽培の後発地域で、本業でやっている若手農家は少ない。私が稼げるたまねぎ栽培を実践することで、高根沢町を産地化したいですね」。今までの良い所は受け継ぎながら、チャレンジを続ける、新しい農家の姿を見た気がした。
そんな福田氏が、日頃から信頼を寄せるのが福田機械店だ。福田機械店とのお付き合いは、菅沼社長が専務だったときに、若手の異業種交流会で名刺交換をしたのが最初の出会いだったという。その後、北海道のたまねぎの専用機を持って来ようとしたときに、信頼できる機械屋さんを探したという。宇都宮市内で3店舗ほど訪問し、腕利きの整備士が多い福田機械店に決めたそうだ。
「私自身が機械にあまり詳しくないので、急なトラブル時に整備士の本橋さんが駆けつけてくれるのは助かりますね。また、静電ノズルは繊細な装置なので、有光工業の宮原さんにはメンテナンスやアドバイスをいただき、とても助かっています。皆さん、自分の想いを具現化してくれる大切な人達です」。
心強いビジネスパートナーを得た福田氏が夢見る、たまねぎの産地化への挑戦は、まだ始まったばかりだ。
静電ブームでの防除にピッタリ。福田様が導入された