YESSA 一般社団法人ヤンマー資源循環支援機構

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助成先一覧

<研究テーマ>
有用二枚貝類の卵成熟休止因子の機能阻害による高効率産卵誘起システムの開発

研究の概要
二枚貝類の増養殖は、低コスト・環境に負荷を与えないという点から将来的に持続可能な水産業の1つであるが、安定生産のための技術は確立されていない。本研究では、二枚貝の人口種苗システムの構築を目指す。
研究者 :
東北大学 大学院 農学研究科 長澤 一衛 助教
助成期間:
2018年4月1日~2019年3月31日
助成額 :
140万円

研究の成果についてうかがいました

Q1:完了報告書の「今後の予定」に記載された、計画通りの展開はできましたか?
主要海産二枚貝類であるホタテガイ、アサリ、アカザラガイについては、成熟した二枚貝を人為的産卵させる一連の技術を開発できたと考えています。他のアカガイ、トリガイ、ウバガイ、アコヤガイへの応用研究については、これらの種における卵成熟抑制因子(OMAF)タンパク質の同定に至っていないこと、成熟期の成貝の入手が困難であることから産卵誘起の高効率化に関する検証はまだ実施できていません。また本事業で開発した「OMAF抗体とセロトニンの共投与による高効率な二枚貝の産卵誘起法」により得られる受精卵の正常発生率については、アオガイ、トリガイ、ウバガイ、アコヤガイの人工授精方法や受精卵と幼生の飼育方法を現在研究室内で構築中です。
Q2:助成研究で得られた成果は、現在の研究活動にどういった形で活かされていますか?
本研究で種々の海産二枚貝類を使用し、成熟した二枚貝を人為的産卵させるという一連の技術を、ホタテガイ、アサリ、アカザラガイについて開発できたことにより、自身が二枚貝の生殖について行う研究の方向性は「成熟した個体を産ませる技術」から「個体を成熟に向かわせる技術」の開発にシフトできたと言えます。加えて近年は、二枚貝における遺伝子導入技術やゲノム編集技術の開発にも着手し、「個体の性を統御する技術」の開発も実施しており、二枚貝の生殖学における基礎研究分野の開拓を加速させることができたと感じます。

(2023年2月ヒアリング)

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