営農情報

応援!上手に野菜づくり 排水対策と土づくり

水田転作に大切な排水対策と土づくり

長年畑地だったほ場はもちろん、特に水田転換畑は水田を畑地として活用するため、排水対策が全ての基本となる。土壌を健全な環境に整えて、安定多収・品質向上を目指そう!

健全な生育環境をつくる(排水対策)

作物には、それぞれ最適な地下水位がある。
地下水位が高くなると、収量や品質が落ちるため、表面排水(明きょ)、または地下浸透排水(暗きょ)が必要となる。

各作物に適した地下水位

地下水位20cm:さといも・しょうが・きゅうり・にんにく、地下水位30~40cm:かぼちゃ・キャベツ・なす・トマト・大豆、地下水位50cm:ほうれんそう・にんじん・はくさい・じゃがいも・たまねぎ・ねぎ・さつまいも・レタス
  • 「現代農業」九州農業研究より

明きょ作業

明きょ作業は、ほ場表面に水路をつくり、余剰水を排出する作業である。

病害を抑制、湿害を回避、大雨・長雨に効果的

〈効果〉

  • 集中豪雨や長雨時の余剰水をすばやく排出し、湿害を回避。
  • 排水は、表面排水(明きょ)70%、地下浸透排水(暗きょ)30%と言われ、表面排水の効果は高い。
  • 排水性の改善により、土壌中に空気を送り込み、根腐れを防ぐことができる。
  • 微生物のバランスを改善し、病害を抑制する。
明きょづくりで活躍する溝掘機
溝掘機の製造元

簡易暗きょ作業

簡易暗きょ作業は、耕盤を破砕して、土壌中の余剰水を下層へ排出する作業である。

地下へ浸水、本暗きょを通じてほ場外へ
根域が拡大、病害を抑制

〈効果〉

  • 収穫作業などで踏み固めた土や、雨などで締まった土の下を破砕・柔軟にする。
  • 水はけを良くしたり空気量を増やして根の伸びる環境を整える。
  • 微生物のバランスを改善し、病害を抑制する。
本暗きょへ溝がつながる作業深さになるように、本暗きょの深さを確認して、しっかりと爪を土中に入れる
暗きょづくりで活躍するプラソイラ・サブソイラ
ソイルリフター
サブソイラ
トレンチャー
パラソイラー
プラソイラ
プラソイラ・サブソイラの製造元

うね立て作業(排水対策+うね立てで、さらにプラスの効果!!)

ほ場の表面を床上げすることで、作物を冠水から回避する。

同時施肥、根域を増やす、冠水を回避する

〈効果〉

  • ほ場表面を床上げし、谷溝が明きょとなり、作物を冠水から回避させる。
豪雨時でも、水の流れ道ができる
  • 作土層が少ない場合には、根域を増やすことができる。
根域が狭い→うね立てで作土層を広げ根域を確保
作物に合わせたうねを形成する作業機
うね立て整形ロータリー(自在形)

団粒構造をつくり透水性・保肥力を改善!(地力維持)

〈効果〉

  • 有機物の連用で、腐植を形成。地力を維持・回復させる。
  • 微生物の働きで団粒構造の形成が促進し、保水性と透水性を併せ持つ土壌になる。
地力窒素を増やす、団粒構造をつくる、微生物活性化で、病害の発生を抑制
団粒は微生物が土の小さな粒どうしをくっつけることで形成されます。

肥料散布で活躍する作業機

コンポキャスタ
ブロードキャスタ
有機肥料散布機
マニアスプレッダ
コンポキャスタ、ブロードキャスタ、有機肥料散布機の製造元
マニアスプレッダの製造元

2018年12月発行「トンボプラス13号」より転載

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