VISION02 安心して仕事・生活ができる社会

2018年度のCSR・環境活動特集

2035年のリノベーション時代到来に向け安全性と効率性を追求した次世代コンセプト建機で安心して住み続けられるまちづくりに貢献

ヤンマーを取り巻く社会課題とヤンマーの提供できる価値
関連する主なSDGs目標:11

2035年に向け、国内・海外ともにリノベーション需要の拡大が予測されています。日本では、1980年代後半から90年代前半に建てられた住宅が、2035年には老朽化によるリノベーション需要が増加するとみられています。また同じ頃に、日本の労働人口は現在よりも約16%減少※1することにともなう労働力不足が懸念されており、手作業で行っている内装解体や施工などの作業の機械化が求められています。

一方、欧米では、中古住宅の流通シェアが日本より大きく、内装工事における作業効率化の需要が高いとされています。さらに、東南アジアは各国で人口増加が見込まれています。住宅建設およびリノベーション需要も順次増えてくると考えられ、これらに対応するため作業の機械化は必要不可欠になってきます。

ヤンマーグループは、こうしたリノベーション時代の到来に向け、次世代コンセプト建機「Y-RENOVATOR」を開発し、実用化に向けた取り組みを進めていきます。

次世代コンセプト建機の開発

身体的に負担が大きい屋内作業を機械化・自動化で支援する次世代コンセプト建機「Y-RENOVATOR」

次世代コンセプト建機「Y-RENOVATOR」は、これまで手作業で行ってきた建物の施工、内装解体などの屋内作業改革に着目し、新たな市場での機械化・自動化を見据え、作業負担の低減、作業効率の向上、廃材の後処理の簡易化などに貢献します。 「Y-RENOVATOR」は、①エレベーターに搭載可能なサイズであること、②アタッチメント交換による汎用性があること、③自動運転が可能であること、の3つの共通コンセプトに基づき「planner機」「sub機」の2機種を開発しました。 「planner機」は天井や壁の張り替え作業、繊細な作業が行えるとともに、「sub機」の指揮も担います。また、「sub機」は床剝がし作業、資材や廃材の搬送、材料別の分別などを担当します。

3つの共通コンセプト、1.エレベーターに搭載可能なサイズ、2.アタッチメント交換による優れた汎用性、3.自動運転が可能

planner機

planner機

planner機は最適な作業手順の立案や、施工現場の内部構造と完成予想図の表示が可能です。planner機の手は4本指のマニピュレータとなっており、パイプなどをつかむことが可能です。操作部はボール形状で、オペレータがボールを握るとマニピュレータが閉じ、放すと開く動きをします。

sub機

sub機

sub機は床剝がしのアタッチメントを装着し簡単に作業可能です。資源活用を念頭に置き、廃材は自動で仕分ける機能とすることで分別作業負担軽減にも配慮した設計にしています。また、両機共に足回りは、全方向に移動可能な形状で、ねじりなどで床を傷つけないようにするためボール形状としており、昆虫と同じ六本足にしています。

社員の声
解析技術の向上やAIの活用を進め「Y-RENOVATOR」の実用化に貢献していきます

スタッフ写真

ヤンマー建機(株)
開発部試験グループ
福田 昌弘(右)

床材を剝がして、取り込み、分別する機械の構造、機能などを担当。

ヤンマー建機(株)
開発部開発企画グループ
稲積 洸人(左)

人口推移や世界需要動向などの調査、企画、提案を担当。

ヤンマー建機における将来の姿や現在の強みなどを考える社内アンケートをきっかけに、「Y-RENOVATOR」のプロジェクトメンバー5名が選出されました。これまでにない商品を一からつくりたいというメンバーの強い思いがある一方、機能面に現実性を持たせることなども踏まえながら製作しました。当社としては新しく挑戦する市場であり、課題は多いですが、施工対象物の内部構造解析や、AIによる施工手順の提案など、実用化に向けた取り組みを進めていきます。

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