ヤンマーグループのエネルギーシステム事業全般を担うヤンマーエネルギーシステム（以下YES）の開発企画部では、新商品企画と中期戦略の策定を行っています。その中で私は、主にデジタル技術の概念実証とビジネスモデルの立案を担当しています。クラウド技術やAI、通信技術などを用いてお客様の困りごとを解決できるか実証を行い、お客様とYESにとってwin-winとなるビジネスモデルを考える仕事です。デジタル技術開発は社内でもまだ知見が少ないため、中央研究所など様々な部門の方と連携して難題を乗り越えています。そんな中でも意識しているのは、いち早く商品化するためにスピード感を持って取り組むことです。実装とテストのサイクルを早く回し、アジャイルに開発を進めています。

デジタル分野を担当することになったきっかけは「DXチャレンジ」という公募でした。別部署にいたときから、将来を見据えて個人的に勉強をしていたので、開発部でデジタル技術の人材育成に力を入れると知り、またとないチャンスだと思ってすぐに手を挙げました。若手の頃から個人の裁量でどんどん挑戦させてもらえ、活躍できるステージを与えてもらえるのはヤンマーならではだと思います。
デジタルの仕事は、自分が手掛けたものがすぐに形になって現れるところが面白く、やりがいを感じますね。日々進化するAIアルゴリズムやクラウド・通信技術を理解し、実際に構築できたときは、自分自身の成長を実感できるとともに、この技術でお客様の困りごとを解決できると思うとワクワクします。

常に周りの方々への感謝の心を持つことを大切にしています。入社前、創業者・山岡孫吉の「美しき世界は感謝の心から」という言葉に大きな感銘を受けました。感謝を忘れず努力し続けることで、社内外問わず助け合える関係を築け、どんなことでも乗り越えられると思い、社会人になってからずっと心に留めている言葉です。
将来は海外に駐在してグローバルなフィールドで開発に携わりたいと考えています。普段からこの目標を口に出していたら、グローバルな会議の企画から進行まで全て任せていただくなど、英語を使う機会や海外の方とやり取りする仕事をたくさん回してもらえるようになりました。周りの方々にはいつも後押しやフォローをしていただき、絶対に期待に応えたいという思いで取り組んでいます。

「顧客価値創造サイクルプロジェクト」を任せられたことが一番印象に残っています。これは、お客様の生の声を傾聴し、潜在的な課題を見つけて改善策を提案するという、YES開発部が実施している取り組みです。通常、開発部がお客様のところに行って直接お話を聞くことは珍しく、最初はずいぶん苦戦しましたが、相手の立場を理解することに努め、現状の業務整理を行い、目指す姿と現状とのギャップから潜在的な課題を抽出しました。その後、ソリューション開発をアジャイルに進め、3カ月でプロトタイプを作り上げました。改善効果があることがわかり、お客様から「すぐにでも使いたい」と言ってもらえた時は、大きな達成感がありましたね。この経験から現場・現物・現実の大切さに気づくことができました。