2023.09.19
仕事と家庭の両立、どうしていますか? ヤンマーで導入している両立支援制度、使ってみました!
働きながらの子育ては、仕事や家事、育児に追われとにかく時間がない!
保育園からの急なお迎えの電話、子どもの病気、そもそも保育園に入れるの?など心配事は尽きません。
そんな子育て世代を応援するため、政府は2016年に、仕事・子育て両立支援制度を制定し、働きながら子育てしやすい環境を整える企業を支援しています。ヤンマーでは多様な社員一人ひとりがライフイベントに合わせた柔軟な働き方を選択できるように、こうした政府の企業支援制度を積極的に導入しています。
今回は、今、注目されている企業向け助成制度「企業主導型保育園」※1「企業型ベビーシッター割引券」※2を利用しているヤンマー社員に、制度を利用した感想や、生活の変化などについてインタビューしました。
※1 企業主導型保育園
(正式名称:企業主導型保育施設) 従業員のための保育園を設置する場合や保育園の設置企業と利用を希望する企業が利用契約を結び、保育園の共同利用をする場合に助成される。ヤンマーでは、後者を導入。
※2 企業型ベビーシッター割引券
(正式名称:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業ベビーシッター派遣事業割引券)
承認を受けた企業の従業員がベビーシッターを利用した際に、費用の補助を受けることができる。
・対象児童1人につき1日あたり4,400円(2,200円×2枚)割引
└Ex.対象児童2人(兄弟)の場合、1日4枚(8,800円)使用可能
・1家庭、1ヶ月最大24枚まで使用可能(月に最大52,800円分の補助)
・対象…乳幼児から小学3年生まで
・使用目的…家庭内でのお世話、保育施設への送迎
<取材者プロフィール>
額田 聡史(ぬかた さとし)セイレイ興産株式会社
・企業型ベビーシッター割引券を利用
・3歳児、生後3ヶ月の二児の父、妻は育児休業中、本人はフルタイム勤務
小島 早織(こじま さおり)ヤンマーエネルギーシステム株式会社 開発部
・企業型ベビーシッター割引券の使用を検討(割引券は申請済)
・1歳児の母、育休後・復帰2か月(取材時)、時短勤務中
平林 佑太(ひらばやし ゆうた)ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 小形事業部開発部
・企業主導型保育園を利用
・2歳児の父
畑中 絵梨(はたなか えり)ヤンマーホールディングス株式会社 人事部 ダイバーシティ推進グループ
・ヤンマーグループにおける、仕事・育児の両立支援制度の導入・整備等を担当
※取材者の所属会社・部門・肩書等は取材当時のものです。
ヤンマーの男性社員の育休取得率の伸びがスゴイ!
――ヤンマーでは様々な両立支援制度がありますが、実際に利用してみていかがですか。
額田:私は3歳と3カ月の二児の子育て中で、上司や同僚からの後押しもあり、今年「産後パパ育休」※3をとりました。長男のときはまだなかった制度で、妻に任せっきりにしていた時期の子どもの世話を経験しました。
夜泣きのときの抱っこ、3時間おきのミルクなど…長男のときは、翌日仕事があるからと別の部屋で寝ていましたが、出産後で体が回復していない中での妻の負担を知り、育児に対する意識が変わりました。現在、妻は育休中ですが、育休が終わったら5:5に近い割合で家事・育児の分担をしなければと思っています。
平林:今、私自身も2歳児の子育て中ですが、同僚も子育て中の人が多く、私の身の回りでは、男性社員も育休を取る人が100%に近い印象です。子どもが生まれたら1~3ヶ月程度取得している方が多いです。その辺りは制度が浸透してきたことと、会社もそれをサポートしてくれるので、制度を利用しやすくなったんだと思います。
畑中:ヤンマーホールディングスの男性社員の育休取得率は、この3年で5倍近くになりました。具体的には、2022年度が53.9%ですので、半分以上が取得しています。今後も、育休を取りたい社員が、問題なく取得ができる職場環境となるようサポートできればと思っています。
小島:私は、ちょうど育休が終わって今年の5月に復帰したばかりです。平日の家事、育児は、登園前は夫が担当、帰宅後は、時短勤務をしている私がお迎え、晩ご飯の用意をして…という分担です。
ただ、今はたまたま在宅勤務が多く、通勤時間がかからないため時間に余裕があり、子どもの体調不良が長引いたこともないので、うまく回っているのですが、今後、働き方が変わった場合どう両立すべきかという不安はあります。ですので、こういった会社の制度をうまく活用しながら、少しでも不安を解消して柔軟に働けるようになればいいのかなと思っています。
畑中:綱渡りだと心配ですよね。仕事と育児の両立という面で考えたとき、まず「子どもが生まれてから会社へ復帰」というところのイメージがつきにくいと思います。
本当に大丈夫なのか、保育園がみつからなかったらどうしようとか、預け先がないときどうしようとか、まず直結した不安は「保育園」だと思います。その不安を払拭し、さらに充実できればと、ヤンマーでは『企業主導型保育園』『企業型ベビーシッター割引券』の2つの制度を導入しました。
※3 産後パパ育休(出生児育児休業)
子どもの出生後8週間以内に4週まで、2回に分割して取得できる。
優先的に入れる企業主導型保育園が、待機児童問題の不安を解消
――平林さんは、企業主導型保育園を利用されていますが、利用しはじめたきっかけを教えてください。
平林:たまたま子どもが通いはじめた保育園が企業主導型保育園だったんです。うちの周りは、車がないと生活しづらい地域で、保育園の送迎もほとんどの人が車を使っています。妻は車に乗らないので、家から近い保育園というのが必須条件でした。ちょうど家から徒歩数分という立地に評判の良い保育園を見つけ、入園を決めました。
入園時は、企業主導型保育園だということを知らずに地域枠で入ったのですが、2年目の契約更新時に、園から制度を導入していることを聞き、ヤンマーでも契約できないか人事部に相談しました。
畑中:家庭によって、第一希望が、企業主導型保育園の方もいますし、逆に第一希望は、市の保育園だけど、待機児童の関係で入園が難しそうなので、念のため企業主導型保育園も申し込みたいという方もいます。地域エリアによって状況が違いますので、社員から相談があった場合は、基本的に希望が叶うように契約手続きを進めています。
相談がなくとも、必要であろう地域には、契約保育園を増やしているところです。入園時期や場所選びなど家庭や地域によって事情もそれぞれですので、平林さんのように、個別の相談にも応じています。
平林: 認可保育園だと、親の職種や状況など自治体の審査があり、結果として家から遠いところ、最悪落選してしまうこともあります。私の場合は、次年度の更新ができなかったら別の保育園を探さなければいけないという不安が常にあったのですが、制度を利用することで、そういった心配が一切なくなりました。仕事と育児のメリハリをつけることで、日中は仕事に注力でき、その分、家に帰ってからは子どもや妻と過ごす時間に専念できるので、本当に助かっています。
――他に、制度を活用して感じているメリットはありますか。
平林:私が利用している園では、保育料に関して地域枠より企業枠の方が月に数千円安くなっており、料金面でも企業主導型保育園を使うメリットは感じていますね。
実は、私の同僚もこの制度を活用して同じ保育園を利用し始めたんです。保育園もいいし、近いし、助かっていると言っています。希望する保育園が企業主導型保育園であれば、本当に良い制度だと思います。
ベビーシッターは仕事と家庭両立の最後の切り札
――額田さんは、企業型ベビーシッター割引券を使われていますが、どこで知りましたか?
額田:保育園に入園すると熱を出したり体調を崩したりすることが増え、思っていたよりも登園できないケースがありました。夫婦ともに、実家が遠く祖父母のサポートが受けられず、有給休暇などで対応していましたが、どうしても会議等で休めない日があり、そこで初めてベビーシッターを頼もうと調べました。ただ、金銭的にも負担が大きいなぁと思っていたところ、ちょうど割引券制度のニュースをテレビで見たので、「ヤンマーにも入れてください」とお願いしたら「もう導入しています」と(笑)
妻の会社は、まだ導入されていないので、とても喜んでいました。
畑中: 割引券という名称ですが、電子化されており、手続きはメールですべて完結し、簡単です。必要であればどんどん使っていただきたいです。
――実際に利用してみた感想をお聞かせください。
額田:夫婦ともに急な残業で保育園へのお迎えが間に合わない時に、ベビーシッター割引券を使用してシッターさんにお願いしました。この時は本当に助かりましたし、今後も突発的に発生する可能性があるので、いつでも利用できる状態にあるということは、夫婦ともに安心して働けることに繋がっています。
その他、子どもの急な発熱や保育園の学級閉鎖などにより、預け先がない場合にも利用をしました。
最近はスマホで予約もできますし、病児保育施設へ預けに行くために家を出る必要もなく、家まで来ていただけるのが本当にありがたかったです。
また、育児に関する不安が夫婦共にあったのですが、経験豊富な方に意見を聞けて心強かったですね。この制度が、子どもが小3になるまで使えるのは非常にありがたいです。
小島:うちも額田さんと同じで、両親が遠方ということもあり、ベビーシッターを利用するしかない状況なのですが、他人に預けるのは少し不安がありました。でも会社がサポートしている制度ということもあり、利用してみようという後押しになりました。
先に育休を終えた夫が、会社の掲示板でベビーシッター割引制度に関する記事を見つけ、申し込んでくれました。お試しの段階なのでまだ2枚だけですが、いざという時のために今はお守りがわりに持っておこうと。
会社から家が遠く、お互い通勤に1、2時間かかるので、夫婦共に出社しているときの急なお迎えのときはどうしようとか、電車もよく遅延するのでとても不安に思っています。その場合のセーフティーネットになればいいなと思っています。
――両立支援における今後の展望を教えてください。
畑中:今回は2つの制度をピックアップしてご紹介したのですが、育休後のキャリア形成の不安や心配を少しでも軽減できるように、この他にも様々な取り組みをしています。最近では、産休・育児休業中または取得予定の社員を対象とした、子育てとキャリアの両立のための「研修プログラム」をスタートさせました。また今後の取り組みとしては、育休前後での上司とキャリアについての相談・コミュニケーションを促す仕組みを検討しています。これからも、社員一人ひとりが安心して仕事ができる環境を整えていければと思っています。