木場:「ヤン坊マー坊天気予報」は子どものころから見ていました。ただ残念ながらヤンマーさんというと、あの天気予報と農業機械のイメージしかないのですが、実は多岐にわたる事業を展開していらっしゃるのですね。
苅田:「ヤン坊マー坊」の歌詞には「農家の機械はみなヤンマー。漁船のエンジンみなヤンマー。ディーゼル発電、ディーゼルポンプ、建設工事もみなヤンマー」とあるんですよ。CMではこの箇所が割愛されていることもあり、どうしてもトラクターを中心に農業機械のイメージが強かった。ただ2014年に提供を終了するまでの数年間は地方局でしか放映していなかったので、当社の新入社員でもヤン坊マー坊を知っているのは2割くらいしかいません。一方、欧米ではヨットやプレジャーボートなど主にマリン事業を展開してきたのでマリンエンジンメーカーのイメージが強いんです。
そこで100周年を機に、グローバルで統一したイメージをつくりブランド価値を高め、より有利にビジネスを展開することが重要だと考えました。ブランドステートメントもこのたび見直し「A SUSTAINABLE FUTURE(ASF)」に変更しました。具体的には、我々が思い描く理想の社会を「省エネルギーな暮らしを実現する社会」「安心して仕事・生活ができる社会」「食の恵みを安心して享受できる社会」「ワクワクできる心豊かな体験に満ちた社会」の4つにまとめています。
木場:得意分野をきちんと押さえながら、「ワクワク」という視点を入れている点が素晴らしい。企業としての遊び心が感じられます。100年の実績と自信、その上で次の100年を目指す。そうした意気込みが伝わってきます。