2022.08.31

カーボンニュートラルに向けて個人や企業ができることとは?脱炭素社会への取り組みを解説

近年、深刻な問題となっているのが、地球温暖化による気候変動。

突然のゲリラ豪雨や破壊的な台風、夏の異常なまでの気温上昇といった気候の変化は、近年多くの方が実感していることでしょう。もちろん、気候変動の影響は自然災害だけに留まらず、熱中症による死者の増加、デング熱やジカ熱などの流行など深刻な事態に繋がっています。

人類がこの地球で住み続けるためには、一つの解決策として、企業、そして私たち一人ひとりがカーボンニュートラル(脱炭素)に取り組み、地球温暖化に向き合っていかなければなりません。

ヤンマーグループでは今年、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を発表。2050年カーボンニュートラルの達成に向けて「循環する資源を基にした環境負荷フリー・GHG(温室効果ガス)フリーの企業になること」を目標に、「A SUSTAINABLE FUTURE」の実現に向けた活動をより一層強化することを宣言しました。

今回のY mediaでは、カーボンニュートラルが求められるようになった背景や、私たち個人・企業にできることなど、脱炭素社会の実現に向けた具体的なアクションをご紹介。

私たちと一緒に持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出しませんか?

ヤンマーグループ中期戦略(2022~2025年度)の詳細はこちら

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルは直訳すると「炭素中立」。つまり、地球温暖化の要因である温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることです。

温室効果ガスにはメタン、一酸化炭素などさまざまな種類がありますが、中でも地球温暖化に深刻な影響を与えているのが、CO₂(二酸化炭素)です。発電所や工場、街中を走るガソリン車、そして人間や動物の呼吸など、現代社会では至る所でCO₂が排出されています。CO₂は非常に安定した物質であるため、一度排出されると、その後100年以上に渡って大気中に留まる性質を持っています。つまり、何らかの対策をしなければ、過去に排出されたCO₂は大気中に残り続け、一度上がってしまった地球の気温は下がらないということになります。

では、増え続けるCO₂を減らすためには、一体どうすればよいのでしょうか。

CO₂削減の解決策として近年注目を集めているのが、植林や森林管理をはじめとした植物の存在です。植物は光合成を行うことによって、CO₂を吸収し、酸素に変換します。つまり、私たち人類がカーボンニュートラルを実現するためには、CO₂の「排出量」と「吸収量」が均衡している状態、CO₂の「排出量」から「吸収量」を差し引いて、実質ゼロの状態を目指す必要があるのです。

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!
<カーボンニュートラルの仕組み>

カーボンニュートラルが求められる背景

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

カーボンニュートラルが求められるようになった背景には、冒頭でも述べたように地球温暖化による気候変動があります。気候変動は既に進行しており、世界各地で急激な気温上昇による山火事や熱波などの被害が生じています。

もちろん、私たちが暮らす日本も例外ではありません。ゲリラ豪雨の増加や熱中症による死者の増加、台風による被害、農作物の成長にも影響が生じています。このまま地球温暖化が続くと、日本は将来亜熱帯気候になると言われており、新たな感染症の流行も危惧されています。

18世紀半ばから19世紀に起こった産業革命以降、地球の平均温度は約1℃上昇しています。「たった1℃」と思うかもしれませんが、裏を返せば「たった1℃」の変化によって、既に世界中でこれだけの被害が生じているとも言えるのです。

さらに、気候変動に関する最新の科学的知見を取りまとめている「国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が発表した「SSP5-8.5」のシナリオによると、気候変動に対する対策が不十分であった場合、2081年〜2100年に世界の平均気温は3.3〜5.7℃上昇し、世界各国でより深刻な被害が生じると予測されています。

人類が地球に住み続けるために、未来の暮らしを守るために。世界が一丸となって、脱炭素化に取り組み、地球温暖化を食い止めなければならないのです。

カーボンニュートラルに向けた世界の動き

世界が脱炭素社会に向けて動き出した歴史的な背景に「パリ協定」があります。2015年に採択されたパリ協定では、排出国を含むすべての参加国が温室効果ガスの削減に取り組むことが約束され「世界的な平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より低くすること」「1.5℃に押さえる努力を追求すること」を世界共通の目標としました。

これまでは、二酸化炭素(CO₂)の排出量は国によって異なるため、気候変動への責任も「排出量が多い国が積極的に果たすべきだ」という見方がありました。しかし、世界各国で気候変動による問題が多発したことにより「地球温暖化は先進国や発展途上国の区別なく、全ての国と地域が一致して取り組むべき課題」として認識されるようになったのです。

カーボンニュートラルに向けた日本の動き

こうした世界の影響を受けて、2020年、日本もカーボンニュートラルに向けて大きく動き出します。2020年10月26日の臨時国会で当時の菅義偉首相が「温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする」と宣言し、大きな話題となりました。

また政府は、地球温暖化への対策を新たな経済成長のきっかけにしようとエネルギー関連産業、輸送・製造関連産業、オフィス関連産業と、成長が期待される14の重要分野についての実行計画を示した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表。こうした一連の流れをきっかけに、日本国内でもカーボンニュートラルへの関心が高まっていったのです。

地球温暖化対策だけじゃない、カーボンニュートラルのメリット

日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、

温暖化への対応を、経済成長の制約やコストとする時代は終わり、国際的にも、成長の機会と捉える時代に突入したのである。従来の発想を転換し、積極的に対策を行うことが、産業構造や社会経済の変革をもたらし、次なる大きな成長に繋がっていく。

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」より引用

と明記されています。過去の発想を転換し「経済と環境の好循環」を作るために積極的にカーボンニュートラルに取り組むことが、新しい時代をリードするグリーン成長戦略だと述べているのです。

もちろん、こうした宣言が発表されただけでは、企業や個人の対策を促すことはできません。そのため政府は、国として具体的な見通しを示しあらゆる政策を総動員した上で、「大胆な投資やイノベーションを起こす前向きな民間企業の挑戦を全力で応援する」とも記載しています。

民間企業や個人にとって、カーボンニュートラルを実践することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

経済活動が活発になる

1つめのメリットは、経済の活発化です。現在、世界中で再生可能エネルギー市場が注目を集めています。例えば、発電時にCO₂を排出しない太陽光発電は、従来の発電所よりも設置に制約が少ないことから、カーボンニュートラルを率いる存在になることが期待されています。ほかにも海上に風車を立てて発電を行う洋上風力発電や、生物由来の燃料を燃やして発電するバイオマス発電など、再生可能エネルギー市場への参入は企業にとって新たなビジネスチャンスとなるでしょう。

企業価値の向上

2つめのメリットは、企業価値の向上です。近年世界の金融や投資の世界では、単にリターンだけを追い求めるのではなく、「環境や社会に配慮した企業に投資をしよう」という動きが見られるようになりました。こうした背景にあるのが、ESG投資の存在です。ESGとは「環境(Environment)」「社会(Social)」「統治(Governance)」の頭文字をとったもので、近年では特に「環境(Environment)」に配慮した企業を評価する動きが高まっています。脱炭素化に向けて取り組むことは、金融市場や投資家からの信頼を得ること、さらには企業価値を高めることにも繋がるはずです。

カーボンニュートラルに向けて個人ができること

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

カーボンニュートラルに向けた取り組みというと、政府や企業の課題という風に感じる方も多いかもしれません。しかし、日本国内のCO₂排出量のうち、私たちの日常生活や家庭からの排出量も大きな割合を占めていることがわかっています。地球温暖化を防止し、CO₂の排出を減らすためには、一人ひとりがエネルギーの無駄遣いをやめ、よりよいライフスタイルへと転換していくことが求められています。ここでは、環境省の「ゼロカーボンアクション30」を元に、カーボンニュートラルの実現に向けて私たち個人ができることについて考察していきましょう。

企業編はこちら

■エネルギーの節約や転換

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

「電気等のエネルギーの節約や転換」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・再エネ電気への切り替え
・クールビズ・ウォームビズ
・節電
・節水・水道費の節約
・省エネ家電の導入
・宅配サービスをできるだけ一回で受け取る
・消費エネルギーの見える化

 

(1)再エネ電気への切り替え

地球温暖化を食い止めるためには、温暖化をもたらしているCO₂の排出量を減らさなくてはなりません。その第一歩として取り組めるのが、従来の火力発電を太陽光・風力・地熱・水力などCO₂をほとんど排出しない再生可能エネルギーに変えていくことです。切り替えには、太陽光パネルなどの設置などは必要なく、Webやスマートフォン等で、電力会社を変更するだけで簡単に切り替えることができ、年間で1世帯あたり約1,232kgのCO₂を削減できます。

(2)クールビズ・ウォームビズ

クールビズで環境省が推奨する室内温度は28℃。過度なエアコンの利用を控え、気候に合わせた服装で過ごすことも有効なアクションです。クールビズ・ウォームビズというと、職場で行うものというイメージがありますが、冷暖房の温度を見直すことは、体温調節機能の維持など家族の健康を守ることにも繋がります。

(3)節電

エアコンやテレビなどの家電製品は、使用していない間も少しずつ電力を消費しています。こうした微小な電力のことを待機電力と言います。誰もいない部屋のエアコンは消す、電気製品のプラグをコンセントから抜くなど、こまめなスイッチオフで節電することが大切です。

(4)節水

水の供給や下水処理にもエネルギーが消費され、CO₂が排出されています。食器をため洗いする、トイレの大小の洗浄を使い分ける、お風呂の残り湯を再利用して洗濯をするなど、さまざまな工夫で節水を心がけましょう。

(5)省エネ家電の導入

家庭からのCO₂排出量の大部分を占めているのが、家電製品などの電気です。エネルギーの消費量を押さえた省エネ家電やLED照明に切り替えることも、地球環境を守るアクションのひとつです。エネルギーを無駄なく効率的に使える省エネ家電に買い換えることで、電気代が今より安くなるかもしれません。

(6)宅配サービスをできるだけ一回で受け取る

一回の配達で荷物を受け取ることができれば、再配達の際に生じるCO₂の排出量を減らすことができます。あらかじめ受け取りが可能な時間に日時指定をする、自宅での受け取りが難しい場合はコンビニエンスストアや宅配事業者の営業所受け取りを活用するなど、ライフスタイルに合った受け取り方法を選択しましょう。

(7)消費エネルギーの見える化

毎月の消費エネルギーを把握できれば、省エネや節電への意識もより一層高まるはずです。電力の使用量や料金の確認ができるスマートメーターの導入を検討してみましょう。家庭内のエネルギー全体を管理するHEMS(Home Erergy Management)と連携すれば、電力の使用状況に応じた省エネアドバイスが受けられます。

■住居関係

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

「住居関係」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・太陽光パネルの設置
・ZEH(ゼッチ)
・省エネリフォーム窓や壁等の断熱リフォーム
・蓄電地(EV・車載の蓄電池)・蓄エネ給湯機の導入・設置
・暮らしに木を取り入れる
・分譲も賃貸も省エネ物件を選択
・働き方の工夫

 

(8)太陽光パネルの設置

再生エネルギーの中でも、特に注目を集めているのが太陽光発電です。太陽光パネルは、ビルの壁や窓にも設置できるほか、耐用年数が長くなるなど利便性も向上しています。年間の電気代の節約や余った電気を電力会社に売ることも可能です。

(9)ZEH(ゼッチ)

ZEHとは、高い断熱性による「省エネ」と、太陽光発電などによる「創エネ」によってエネルギーの消費量をゼロにすることを目標とした住宅のことです。CO₂排出量を削減しながら、夏は涼しく、冬は暖かく、さらに光熱費がお得になるなど、地球環境にも家計にも嬉しいさまざまなメリットがあります。

(10)省エネリフォーム 窓や壁等の断熱リフォーム

リフォームによって断熱性・気密性の高い住居を手に入れることも可能です。家そのものの断熱性が高まれば、冬場の暖房にかかる費用を抑えられ、家庭からのCO₂排出量を削減できます。また、断熱性が高ければ室内の寒暖差が少なくなり、熱中症や急激な温度差が要因となるヒートショックの予防対策にも有効的です。

(11)蓄電地(EV・車載の蓄電池)・蓄エネ給湯機の導入・設置

蓄電池を積載した電気自動車や給湯器を導入することで、太陽光発電で作った電気を蓄電池に溜めて有効活用することができ、それらを深夜に活用することで、光熱費の削減に繋がります。また、災害、停電時の非常用電源としての活用も期待されています。

(12)暮らしに木を取り入れる

省エネ住宅のひとつに、温熱効果・調湿効果の高い木造住宅が挙げられます。木はCO₂を吸収し、酸素を排出します。光合成によって吸収されたCO₂は、炭素として木の中に取り込まれ、木材として使用されている間も再び大気に放出されることはありません。住宅購入時に木造住宅を選ぶことで、建設時に排出されるCO₂の削減に貢献できます。

(13)分譲も賃貸も省エネ物件を選択

最近では分譲マンションや賃貸でも、省エネ物件が登場しています。太陽光パネルや断熱性能に優れた物件は建築コストが高い分、販売価格や家賃が高く感じられるかもしれません。しかし、毎月の光熱費やランニングコスト、資産価値など、長い目で見れば環境にも家計にも優しい選択だと言えるでしょう。

(14)働き方の工夫

テレワークやオンライン会議を取り入れることで、通勤にかかるCO₂の排出やオフィスの維持にかかる光熱費を削減できます。移動時間の削減による従業員のワークライフバランスの向上なども期待されています。

■移動関係

「移動関係」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・スマートムーブ
・ゼロカーボン・ドライブ

 

(15)スマートムーブ

スマートムーブは、日々の「移動」を「エコ」にする新しいライフスタイルです。毎日の移動手段をよりCO₂排出量の少ないものに変えることも大きなアクションです。具体的には、自動車の代わりに徒歩や自転車、公共交通機関を利用する、自動車に乗るときはエコドライブを心がける、エコカーの積極的な活用必要なときだけ使うカーシェアリングの利用などが挙げられます。

(16)ゼロカーボン・ドライブ

ゼロカーボン・ドライブは、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)をはじめとした、走行時のCO₂排出量を抑えたドライブです。ゼロカーボン・ドライブの発電には、太陽光や風力が活用されており、燃料代のコスト削減や災害時の電源としての活用が期待されています。

 

■食関係

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

「食関係」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・食事を食べ残さない
・食材の買い物や保存等での食品ロス削減の工夫
・旬の食材、地元の食材でつくった菜食を取り入れた健康な食生活
・自宅でコンポスト

 

(17)食事を食べ残さない

まだ食べられるにも関わらず、捨てられてしまう食べ物のことを食品ロスと言います。食品ロスは、捨てられてしまった食べ物を焼却する際に生じるCO₂が地球温暖化を助長するとして、近年環境問題としても取り上げられるようになりました。外食の際には、食べ切れる量だけ注文し、やむを得ず食べきれなかった場合は、持ち帰りが可能かどうか店舗に確認してみましょう。

(18)食材の買い物や保存等での食品ロス削減の工夫

食品ロスを防ぐためには、家庭での調理や買い物時の工夫も大切です。あらかじめ食べ切れる分だけ購入すれば、食材や食費の無駄を削減できます。また、冷蔵庫に余白が生じることで、電気代の節約効果も期待できます。

(19)旬の食材、地元の食材でつくった菜食を取り入れた健康な食生活

食品の約6割を輸入に頼っている日本では、フードマイレージ(輸送に掛かるCO₂排出量の増加)が問題になっています。地域で採れた栄養価の高い食材を選ぶことで、輸送にかかるエネルギーを抑制し、健康的な食生活を心がけましょう。

(20)自宅でコンポスト

コンポストとは、家庭から出る生ゴミなどの有機物を微生物の働きで分解し、生成された堆肥のことを言います。自宅にコンポスター(生ごみ処理機)を導入して、生ゴミを可燃ゴミではなく、堆肥化した場合、生ゴミの焼却時に排出されるCO₂の削減に貢献できます。

 

■衣類・ファッション関係

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

「衣類・ファッション関係」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・今持っている服を長く大切に着る
・長く着られる服をじっくり選ぶ
・環境に配慮した服を選ぶ

 

(21)今持っている服を長く大切に着る

日本では年間約100万トンもの衣類が廃棄されています。当然のことながら、衣類の廃棄過程においても、たくさんのCO₂が排出され深刻な問題になっています。次々に新しい服を購入するのではなく、今持っている服を長く大切に着ることで、国内の廃棄量を削減できます。

(22)長く着られる服をじっくり選ぶ

「今持っている服を長く大切に着る」ためには、洋服の選び方も重要なポイントとなります。飽きのこないデザイン、繰り返しの洗濯に耐えられる丈夫な素材、本当に気に入った1着だけを選ぶなど、自分なりのルールを設けながらサステナブルなファッションを楽しみましょう。

(23)環境に配慮した服を選ぶ

ペットボトルから作られた洋服など、再生原料を使用した衣服にも目を向けてみましょう。最近では、さまざまなブランドが環境に配慮した洋服の開発に注力しています。また、フリーマーケットやリサイクルショップなどで古着を購入するのも有効な手段です。

 

■ゴミを減らす

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

「ゴミを減らす」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・使い捨てプラスチックの使用をなるべく減らす。マイバッグ、マイボトル等を使う
・修理や補修をする
・フリマ・シェアリング
・ゴミの分別処理

 

(24)使い捨てプラスチックの使用をなるべく減らす。マイバッグ、マイボトル等を使う

近年プラスチックゴミは、海洋汚染だけでなく、生態系にも大きな影響を及ぼすとして、世界中で問題になっています。外出の際にはマイバックやマイボトルを持ち歩き、不要なプラスチックの使用を控えていくことが大切です。

(25)修理や補修をする

壊れたり汚れてしまったものも、修理や補修をして長く使うようにしましょう。汚れの染み付いた洋服をクリーニングに出す、動かなくなった時計の電池を交換する、自然災害で傷ついてしまった建物の外壁を補修するなど、家の中だけでも、さまざまなアクションが見つかるはずです。

(26)フリマ・シェアリング

最近ではインターネットを通して不用品の売買ができるフリマアプリや、必要な期間だけレンタルできるシェアリングサービスの需要が高まっています。新しいものを手に入れるとき、また手放すときの手段として積極的に検討してみましょう。

(27)ゴミの分別処理

リデュース(ゴミの発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の「3R」を実践し、廃棄物の削減に努めましょう。ゴミを適切に分別することで、新たな資源や製品を生み出すことができます。

 

■買い物・投資

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

「買い物・投資」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・脱炭素型の製品・サービスの選択
・個人のESG 投資

 

(28)脱炭素型の製品・サービスの選択

新しい商品を購入する際には、価格や品質だけでなく、環境負荷の少ない製品やサービスを選ぶことが大切です。「エコマーク」や「再生紙使用(R)マーク」「バイオマスマーク」など、製品についている環境ラベルにも注目してみてください。

(29)個人のESG 投資

脱炭素化に積極的に取り組む企業に投資をすることは、まだ脱炭素化に取り組んでいない企業の意識を変えることにも繋がります。

 

■環境活動

「環境活動」のカテゴリーでは、次のアクションが示されています。

・植林やゴミ拾い等の活動

(30)植林やゴミ拾い等の活動

カーボンニュートラルを実現させるためには、CO₂の排出量を減らすと同時に、CO₂の吸収を助ける植物の存在が欠かせません。木を1本植林すると年間で0.8kgのCO₂を削減できます。CO₂排出が差し引きゼロの状態を目指して、地域の環境活動などにも積極的に参加してみましょう。

カーボンニュートラルに向けて企業が取り組めること

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の発表以降、再生エネルギーの導入や自動車の電動化など、さまざまな分野でイノベーションが起こっています。またESG投資の拡大やCO₂排出量の多い企業から投資を引き上げる「ダイベストメント」の動きも活発になっています。カーボンニュートラルの考えを理解し、企業戦略を練り込むことは、企業にとって欠かせない成長要素になることが予測されます。

脱酸素社会でさらなる成長を遂げるために、企業が取り組めることについて、
“A SUSTAINABLE FUTURE”をブランドステートメントに掲げるヤンマーグループの事例と共にご紹介します。

 

■CO2排出量の削減

CO₂排出量には、直接排出と間接排出の2つの表し方があります。直接排出は、発電所などで電気を作る際に生じたCO₂排出量です。一方間接排出は、企業や家庭などでエネルギーが消費される際に生じたCO₂排出量のことを言います。産業部門におけるCO₂排出量の割合は、直接排出量で全体の24.3%、間接排出量で全体の34%といずれも高い割合を占めており、企業におけるCO₂排出量の削減が喫緊の課題となっています。

※参照:日本の部門別二酸化炭素排出量(2020年度)より

ヤンマーの事例|舶用水素燃料電池システム

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

CO₂排出量を削減する技術として、とりわけ世界から注目を浴びているのが水素です。ヤンマーグループでは、脱炭素社会への移行に向けて、水素を使って電気を作る燃料電池システム技術の開発および試験艇による実証試験を進めています。水素燃料電池システムは、水素(H₂)と空気中にある酸素(O₂)を反応させて電気を生成するため、CO₂などの温室効果ガスの排出を伴いません。実用化に向けた課題はありますが、振動の少なさ、臭いの無さなど、水素燃料電池が創出する付加価値に注目が集まっています。

脱炭素社会への移行を牽引。舶用水素燃料電池システムの実用化に向けた挑戦!

水素燃料電池が創出する新たな付加価値を体感!舶用水素燃料電池システムを搭載した実証試験艇の試乗レポート

 

■再生可能エネルギーの活用・開発

前述の通り、カーボンニュートラルを実現させるためには、企業が力を合わせて、CO₂をはじめとした温室効果ガスの使用を控えることが急務となっています。とはいえ、企業活動を行う上でエネルギーを一切使用しないというのは、現実的ではありません。そこで近年多くの企業では、従来の化石燃料から、使用時にCO₂を排出しない再生可能エネルギーによる発電へ切り替える取り組みが進んでいます。

ヤンマーの事例|もみ殻ガス化発電システム

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

脱炭素化に向けた動きは、農業分野でも広がっています。ヤンマーグループでは、資源循環型農業の実現に向け、滋賀県彦根市南部にある有限会社フクハラファームと共同で「もみ殻ガス化発電システム」の実証実験を実施。国内で初となる発電システムは、農業残渣であるもみ殻を不完全燃焼させることによって生じたガスを用いて発電しています。さらには、もみ殻を燃焼させた後にできる「くん炭」はなど、土壌改善につながるだけでなく、土中への炭素貯留によってカーボンネガティブへの貢献も期待されています。

「田園風景を守るため」 伝統と先端を駆使したフクハラファーム流農業経営に迫る

カーボンニュートラルに向けて今できることからはじめよう|まとめ

カーボンニュートラルとは?脱炭素社会に向けて今すぐできることや企業の取り組みをわかりやすく解説!

気候変動を食い止めるためには、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出を減らしていかなければなりません。毎日の生活や企業活動に欠かせない電気を再生可能エネルギーに切り替えていくこと、CO₂の排出そのものを抑制するために、無駄な電気を使わないことなど、私たちにできることはたくさんあります。

たった1℃の気温上昇で、地球には大きな変化が生じました。ならばきっと、個人のアクションがやがて大きな力となり、地球の未来を変えていくはずです。

ヤンマーグループは、これからも“A SUSTAINABLE FUTURE”実現のための取り組みを発信していきます。私たちと一緒に、持続可能な社会の実現に向けて今できることから取り組んでみませんか?

ヤンマーグループ中期戦略(2022~2025年度)の詳細はこちら

 

関連情報

脱炭素社会への移行を牽引。舶用水素燃料電池システムの実用化に向けた挑戦!

水素燃料電池が創出する新たな付加価値を体感!舶用水素燃料電池システムを搭載した実証試験艇の試乗レポート

「田園風景を守るため」 伝統と先端を駆使したフクハラファーム流農業経営に迫る