未来を動かす人インタビュー

ヤンマーホールディングス株式会社 技術本部 共創推進室 主幹 田中 健一さん

米原市と共に、
耕作放棄地の再生を目指し、
食料と再生可能エネルギーを
つくる仕組みづくり

2023年から米原市・滋賀県と協同で進めている「ECO VILLAGE構想」。耕作放棄地に営農型太陽光発電設備を設置し、市内の公共施設に電力を供給するネットワークづくりを推進しています。GHG排出量を削減するだけでなく、災害時のエネルギー確保や、地域の活性など、米原市の課題解決にもつながっています。プロジェクトの舵取りを担う田中さん(ヤンマーホールディングス株式会社 技術本部 共創推進室 主幹)に現在の状況を伺いました。

GHG排出ゼロを目指しながら
地域の課題解決にも貢献する新たなプロジェクトに挑戦

2020年、政府は2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。米原市でもカーボンニュートラルに向けた取り組みをできないかと、意見交換を行ってきました。そのなかで、人口の減少や高齢化、農業の担い手不足による耕作放棄地の増加といった、市が抱えるさまざまな課題も挙がり、カーボンニュートラルだけでなく、これらの課題解決にもつながる取り組みができないかと考えたのが「ECO VILLAGE構想」でした。2022年には米原市が第1回脱炭素選考地域に採択され、米原市とヤンマーは連携協定を結び、本格的にプロジェクトがスタートしました。

市役所など公共施設の電力をクリーン電力に
災害時には非常用電源としても活用

米原市内の耕作放棄地や米原市の遊休地に営農型太陽光発電設備設置し、米原市役所や滋賀県東北部工業技術センターなどの公共施設や、ヤンマーの中央研究所にクリーン電力を送ります。営農型太陽光発電は、食料と再生可能エネルギーを同時につくることができます。耕作放棄地を農地として再生することにも貢献できるので、耕作放棄地が多い米原市にはぴったりの取り組みです。すべての発電設備が完成すれば、米原市役所や滋賀県東北部工業技術センターは、ほぼクリーン電力で運営されることになります。また、非常時には、米原市の遊休地に設置した発電所や米原市の公用車駐車場に設置した発電所からクリーン電力を地域のみなさんの非常用電源として提供することができる仕組みも計画中です。

未来につながる
新しい農業のカタチを提案

米原市内にはたくさんの耕作放棄地があります。なかには手つかずの状態が40年以上続き、森林化している場所も。耕作放棄地が増える原因は、就農者の高齢化や担い手不足といったことが挙げられます。現在はこれらの課題の解決に向けて、米原市や農家の方々とコミュニケーションをとっています。営農型太陽光発電所は新しい農業のカタチの一つだと思っていて、既存の農家さんの離農対策はもちろん、新規就農者の支援にもつながると考えています。

田中 健一さん

ヤンマーホールディングス株式会社
技術本部 共創推進室 主幹

田中 健一さん

自動車部品からエネルギー分野の商品やサービスを扱う商社で勤め、
2015年ヤンマーホールディング株式会社に入社。

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