CSR・環境
VISION03 省エネルギーな暮らしを実現する社会

2019年度のCSR・環境活動特集

スマート農業の実現により食料生産のさまざまな課題に貢献

顧客の課題とヤンマーグループの提供価値、それによって貢献できる社会課題

<ヤンマーグループの提供価値>自動運転技術を搭載した「オート田植機」と「ヤンマーの密苗」栽培技術で低コストと超省力化を実現

GNSS衛星と基地局からの補正情報により誤差数cmの高精度作業が可能
GNSS衛星と基地局からの補正情報により誤差数cmの高精度作業が可能

近年、日本国内では担い手の減少や高齢化の進行などによる農業の労働力不足が社会課題となっています。また、1経営体当たりの平均経営耕地面積が拡大するなか、農作業のさらなる高効率化が求められています。

そこで、ヤンマーはICT技術やロボット技術を活用した「スマート農業」と最新の栽培技術を組み合わせ、生産性の向上や経済性の追求を支援しています。

たとえば、自動運転技術「SMARTPILOT」シリーズとして販売している密苗田植機「YR8Dオート仕様」もその一つです。誤差数cmの高精度測位方式RTK-GNSS(図)を採用したことによって、「直進モード」では誰にでもまっすぐな植付けが可能です。さらに「オートモード」では直進はもちろん、旋回のハンドル操作、植付部の昇降、植付開始操作が一切不要となり、連続自動作業によって長時間でもラクに田植作業が行えます。また、手元のタブレットから、作業範囲や経路作成、作業軌跡の確認なども簡単に行えます。このように田植え経験が少ない方でも、ヤンマーのオート田植機ならまっすぐな田植作業を高効率に行え、オペレーター不足の解消に貢献しています。

このような高精度な作業が誰にでも可能な「オート田植機」に加え、さらに「ヤンマーの密苗」栽培技術によって、育苗箱数の減少等による資材費の低減、また苗運びや苗継ぎ回数等の補助作業の低減が実現できます。「オート田植機」と「ヤンマーの密苗」は、補給時間の短縮と連続作業の自動化によって田植作業の革新的な効率化を実現し、日本各地に農業の新しいカタチをつくりだしています。

オートモードでは、自動直進・自動旋回が可能

密苗とは?

苗箱1枚当たりの乾籾播種量が通常100~150gのところを、250~300gと高密度に播くことで、育苗箱数を減らし、さらに、ヤンマー独自の技術で高密度に播種した苗を慣行の「約1/3の面積」で精密に小さくかき取り、これまでの田植作業と同様に正確に移植する技術です。密苗仕様の田植機は、慣行苗の植付けも可能です。

オートモードでは、自動直進・自動旋回が可能

海外への展開
「Mitsunae」で世界の稲作を変える

ミャンマーでの育苗指導
ミャンマーでの育苗指導

現在、アジア地域でも密苗仕様の田植機を販売しています。密苗は慣行栽培とほぼ同じ管理方法で栽培が可能であり、育苗箱数が減ることなど日本同様に導入メリットが期待されています。

しかし、田植機が普及している日本とは異なり、前提となる育苗技術が不足しているため、密苗の普及には育苗技術そのものの向上が必要です。そのためにすでに一部の国では現地の農業試験場などと共同試験を実施しているほか、密苗を使った育苗指導に取り組んでいます。

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