今注目の「非化石証書」を解説します!

更新日時:2023.03

今注目の「非化石証書」を解説します!

非化石証書とは

化石燃料由来の燃料で発電された電気ではない、という電気に「環境価値がある」と証明するのが非化石証書です。環境価値とは電気を作る方法が、環境に対して優しい価値を持った電気であるということで、非化石証書として売買を可能にしています。

非化石証書の販売開始は2018年5月から行われています。当初、売買できるのは、小売り電気事業者や発電事業者等の電力会社のみで、電気を売買する会員制の日本卸電力取引所(JEPX)に、非化石価値取引市場が開設されました。2021年に制度の変更が行われ、個人や電力関連以外の一般企業もオークションに参加できるようになりました。

非化石証書の種類

非化石証書には、3つの種類があります。まず、一つ目はFIT非化石証書(再エネ指定)といわれる、FIT(固定価格買取制度)制度により買いとられる対象となる太陽光、風力、小水力、バイオマスなど再生可能エネルギー由来の電気の非化石証書です。FITとは、一定の要件を満たす電気を国が買い取る制度で、この買取費用は、「再エネ賦課金」として国民の電気代に加算されているため、再エネ賦課金の負担増加が問題視されています。非化石証書の取引で生まれた売上は、再エネ賦課金の原資にあてられます。二つ目は、非FIT非化石証書(再エネ指定)といわれる、FIT制度で買い取られていない大型水力発電などの再生可能エネルギー由来の非化石証書です。三つ目は、非FIT非化石証書(再エネ指定なし)といわれる、FIT制度で買い取られない原子力発電などの非化石発電の価値を証書化したものがあります。

再エネ指定 再エネ指定なし
FIT非化石証書 非FIT非化石証書 非FIT非化石証書
対象電源 FIT電源(太陽光、風力、小水力、バイオマス、地熱) 非FIT再エネ電源(大型水力、卒FIT等) 非FIT非化石電源(原子力、廃プラ発電等)

非化石証書のメリット

非化石証書により以下のメリットが期待できます。

  • 非化石証書の購入分は、CO2排出量がゼロとみなすことができます。
  • 非化石証書の取引が活性化することで、再エネ賦課金の負担軽減が期待できます。
  • 電気事業者は、非化石証書によって環境価値を持つ「環境に負荷をかけない電気」を販売することができます。
  • 需要家は、これらの電気を購入するまたは直接、非化石証書を購入することで、環境にやさしい企業としてPRすることができます。

グリーン電力証書、Jクレジットとの違い

グリーン電力証書は、再生可能エネルギーでの発電のみを対象に、電気の環境価値を証書にしたものです。また、J-クレジットは、「電力」ではなく、CO2等の排出削減量や適切な森林管理によるCO2等の吸収量といった数値をクレジットとして国が認証するものです。グリーン電力証書とJクレジットは、需要家が排出するCO2排出量の直接的に削減できる手段として位置づけられているのに対し、非化石証書は小売電気事業者が自ら供給する電力のCO2排出係数(CO2排出量削減)のために用いられる手段です。そのため、需要家は小売り電気事業者がCO2排出係数を低減した電力を事業活動に調達することにより、間接的に自社のCO2排出量を低減することができる違いがあります。

脱炭素社会の実現に向けて

日本卸電力取引所で最近取引された非化石価値取引の価格は、種類によって異なりますが0.3~1.3円/kWhとなっています。需要家としてはこれらの非化石証書の由来の電力を購入することによりCO2排出量削減を達成することは大きな社会貢献ですが、同時に需要家としては省エネを進めていくことも大きな貢献です。
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