廃棄物からエネルギーを取り出すメタン発酵の仕組み

更新日時:2021.04.14

廃棄物からエネルギーを取り出すメタン発酵の仕組み

メタン発酵とは

メタン発酵とは、酸素の無い嫌気環境でメタン菌と呼ばれる嫌気性微生物が有機物を分解し、可燃性ガスであるメタンを作り出すことを言います。この仕組みを用いることで、下水汚泥や家畜、動物の糞尿、食品廃棄物からエネルギーを作ることができます。
メタン発酵に用いられる下水汚泥、家畜、動物の糞尿、食品廃棄物はバイオマス資源と呼ばれ、これらが持つ大気中のCO2を増加させない「カーボンニュートラル」という特性は地球温暖化対策に有効です。また、エネルギーの地産地消、地域資源の循環といった点からも推進が期待されています。

湿式発酵と乾式発酵

湿式発酵とは、発酵槽内の固形物濃度を10%以下に調整して攪拌をしながらメタン発酵させる方法です。湿式発酵には、メタン菌を発酵槽に保持される手法として「浮遊法」「固定床法」「流動床法」「UASB(Up-flow Anaerobic Sludge Bed)法」などがあります。
乾式発酵とは、メタン発酵槽の固形物濃度が15~40%で行われるメタン発酵です。湿式と違い、選定枝や紙ごみ類も処理可能である反面、発酵制御が困難になるという欠点があります。メタン発酵は様々な微生物が連携して有機物を分解し最終的にメタンガスを生産しますが、乾式法では流動性がなく物質、微生物の移動、拡散が困難なため局所的に反応が進行して微生物間の連携がうまく機能しなくなる可能性があるためです。

中温発酵と高温発酵

メタン菌には30~37℃程度の中温域で活動するものと、50~55℃の高温域で活動するものがあり、発酵槽の温度はどちらかの温度帯に保つ必要があります。また、高温域で活動するメタン菌の方が許容温度帯が狭いため、温度管理を厳密に行う必要があります。
一般的に科学的な反応速度は10℃上昇するごとに2倍になると言われており、高温域での発酵の方が早く進みます。しかし、その分発酵槽に投入する熱エネルギーも多くなってしまいます。

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