ニュースリリース

大分県における新しいカキ養殖技術を用いた地域ブランド創出支援のソリューション提供について

2015年01月26日
ヤンマー株式会社

大分県漁業協同組合(以下大分県漁協)とヤンマー株式会社(以下ヤンマー)は、当社独自の陸上二枚貝種苗生産ソリューションを活用した、シングルシードカキ※1のオリジナル生産手法「タイド&ディープ方式」※2による地域漁業再生と高付加価値地域ブランド創出の取り組みを大分県国東市で展開しております。

これは、大分県漁協くにさき支店・国見支店・武蔵支店・安岐支店が実施主体となり、大分県、国東市の指導のもと、生食用殻付カキの試験養殖を実施するというものです。ヤンマーの養殖技術研究施設であるヤンマーマリンファームでは、短期間で養殖可能な種苗の供給や、高効率な一貫生産システムの確立と高級ブランドとしての販売促進について当社独自の技術をもって、地元漁業の取り組みをサポートしています。

ヤンマーは2003年から二枚貝用餌料販売事業をスタートしその後、二枚貝種苗生産技術開発を開始しました。カキの養殖技術については2011年からシングルシードタイプの種苗を用いた試験検証を続けており、自社独自のノウハウを修得してまいりました。

2013年には、大分県国東市において、くにさき漁業合同会社と共同で、クルマエビ養殖池(跡地)を用いたカキ養殖試験を行い、「タイド&ディープ方式※」による効率的な生産方法を確立しました。

2014年からは、大分県および国東市の指導の下、大分県漁協くにさき支店・安岐支店・武蔵支店・国見支店が加わり、試験エリアを拡大して、卵から成貝の生産に至るまで、オール国東エリアでの一貫生産体制の構築を目指しています。

本方式で生産されたカキは、高品質な生食用殻付カキ「くにさきOYSTER」ブランドと銘打って海外輸出や国内市場の新規開拓を目指しています。

このたびの取り組みは、ヤンマーと地元漁業関係者が一体となって進めていくプロジェクトであり、当社が提案する、二枚貝養殖ソリューション「タイド&ディープ方式※」は、独自の高密度人工種苗生産技術と中間育成技術を駆使して育てたマガキ人工種苗を用いることにより、高効率かつ高付加価値な二枚貝養殖を可能にしました。

この取り組みをベースに、ヤンマーはお客様の課題を解決するソリューション提供で地域漁業を元気にする活動をグループあげて今後も展開して行く計画です。

【ご参考】

1.ヤンマーの役割

  • シングルシード種苗の供給
  • 高効率なカキ一貫生産システムの確立
  • 高級ブランドカキとしての市場へのブランディングとプロモーション展開支援

2.想定効果

獲る漁業から育てる漁業への転換を促し、安定的に生産することが可能な養殖業により地域の漁業収益改善に貢献します。

カキの養殖は無給餌養殖であることから、低コストかつ養殖を行っている海域への環境負荷が少なく次世代の持続可能な養殖業を創出することが可能です。

3.将来目標

地域特産ブランド「くにさきOYSTER」の生産・販売体制を構築し、中期的に年間数百万個の生産量を目指してまいります。

【語句の説明】

  • ※1「シングルシードカキ」とは
    産まれてから収穫されるまで、一粒一粒バラバラの状態で育ったカキのことです。深みのある殻を形成するため、肉厚な身を作れるのが特徴です。
  • ※2「タイド&ディープ方式」とは
    カキ本来の生育環境である潮間帯での育成と、殻や身入りの成長促進効果の高い垂下養殖を組み合わせることにより、短期間で高品質なシングルシードカキを生産する当社の独自技術です。

【イメージ写真】
(写真左側:シングルシードカキ・右側:現地での養殖風景)

左側:シングルシードカキ・右側:現地での養殖風景

<注記>
ニュースリリースに記載されている内容は、記者発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。

本件に関するお問合せ先

ヤンマー株式会社 人事総務法務ユニット 総務部広報グループ
TEL:06-6376-6212 FAX:06-6372-2455 E-MAIL:koho@yanmar.co.jp

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