ニュースリリース

欧州における研究開発拠点の設立について

2011年06月28日
ヤンマー株式会社

 当社は、このたび欧州における自社初の研究開発拠点をイタリアに設立いたします。石油資源の枯渇予測、再生可能エネルギーの拡大、エンジンに代替する電動化の進展等、近年世界のエネルギー事情は激しく変化しています。ヤンマーはエネルギー有効活用の先駆者として、次世代エネルギーの有効活用技術をグローバルに確立し、当社製品の商品力強化に取り組んでまいります。

1.現地研究開発拠点設立の背景:

 当社は日本国内においては、エンジンの燃焼技術をはじめとする各種の基礎研究を50年来継続して行っています。またマレーシアにおいて、2008年より現地研究開発センターを開設し、現地のバイオ燃料市場の動向調査をはじめ、バイオ燃料を用いた各種の試験研究を実施して参りました。今回の欧州研究開発拠点の開設により、日本・東南アジア・欧州の世界3拠点でのグローバルな研究開発体制を構築いたします。
 欧州域内では今回当社が研究対象とする、再生可能エネルギー、スマートグリッド等エネルギー分野の研究や電動化に関するシステム制御やシミュレーションの研究が進んでおり、外部の研究機関と連携してこれらの研究に取り組むことを計画しています。
 イタリア・トスカーナ州では、大学の研究レベルが非常に高く、研究環境が欧州域内でも特に整備されており、政府をあげて産学連携に協力的で、我々の研究に対する十分な支援体制が期待できます。このため、当地に研究開発拠点を設置することにいたしました。

2.現地研究開発拠点の概要

  1. 社名:YANMAR R&D EUROPE S.r.L.
  2. 会社形態:有限会社
  3. 代表者:社長 塩崎修司
  4. 所在地:Viale Galileo 3/A 50125 Firenze Italy
  5. 設立日:2011年4月29日(会社登記日)
  6. 開所式:2011年6月28日
  7. 資本金:80万ユーロ(資本剰余金70万ユーロを含む)
  8. 人員数:6名(開所時)毎年2名程度の増員を計画

3.狙い(目標):「欧州」に研究拠点を設立することにより、特に以下の活動に注力していきます。

  1. 欧州研究機関・大学・企業との共同研究、情報収集
  2. 現地の優秀な研究者の雇用、世界的な人材の交流
  3. ハイテクベンチャー企業との協業及びM&Aの検討
  4. 欧州におけるYANMARのブランドイメージの浸透と向上

4.研究開発テーマについて:

  1. 当面の研究開発テーマ:以下のテーマについて「2ヵ年計画で」取り組んでいきます。
    1. 「再生可能エネルギーシステムの研究」
      目的:欧州の環境に適したエネルギー効率のよいエネルギー供給システムの開発と実験検証を行う
    2. 「電動/ハイブリッド作業機の研究」
      目的:シミュレーションによるMBSE(モデルベースシステムエンジニアリング)技術をもちいて、電動/ハイブリッド建設機械の最適化設計技術の構築と検証を行う
    3. 「エンジニアリングデザイン技術の研究」
      目的:イタリアをはじめ欧州の優れたプロダクトデザインを建設機械・トラクター等の商品へ導入する"
  2. 将来的な研究テーマ・構想について:長期的に以下のテーマについて取り組んでいきます。
    1. 再生可能エネルギーをもちいたローカルエネルギーネットワークの最先端技術の研究
    2. 次世代パワーソース(燃料電池など)をもちいた電動作業機の研究
    3. 産学官の研究機関とのネットワーク構築と優秀な技術人財の確保"

5.現地で共同研究する大学(共同研究相手)と共同研究テーマについて:

  1. 大学名:ピサ大学(所在地:Largo Lucio Lazzarino, 1, Pisa, Italy)
    共同研究テーマ「電動/ハイブリッド作業機のMBSE(モデルベースシステムエンジニアリング)研究」
  2. 大学名:フィレンツェ大学(所在地:Via di Santa Marta, 3, Firenze, Italy)
    共同研究テーマ「再生可能エネルギーネットワークシステムの研究」
本件に関するお問合せ先

ヤンマー株式会社 総務部・広報グループ
TEL:06-6376-6212 FAX:06-6372-2455 E-MAIL:koho@yanmar.co.jp

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