“A SUSTAINABLE FUTURE”は、2012年に創業100年を迎えたヤンマーが今、次の100年を見据えて掲げたブランドステートメント。ヤンマーのエンジン事業がこの100年歩んできた道のりは、取り巻く社会、環境に合わせて技術革新を繰り返してきた、まさに持続可能な社会を目指す道のりでした。
窪田弘美(以下、窪田) “A SUSTAINABLE FUTURE”実現の基盤となる「最大の豊かさを、最小の資源で実現する。」というコンセプトは、創業者・山岡孫吉の「燃料報国」、一滴の燃料も無駄にしないという思いからつながっていると思います。創業100年を数える今、ヤンマーの原点であるエンジン事業の責任者として、吉川本部長は今回のブランドステートメントをどのように受け止められましたか?
吉川滋(以下、吉川) 初代社長が提唱した「燃料報国」というのは、100年経った今なお生き続けている言葉です。100年前に“A SUSTAINABLE FUTURE”という言葉はありませんでしたが、「燃料報国」がそれを表していたのではと思います。
一方で時代に合わせて変化している部分もあります。ことエンジンに関しては、初代社長が開発した横水エンジン。これには出力の大きさが求められていた中、爆音と黒煙が「出力が出ていること」の代名詞だったんですね。しかし環境負荷が大きな課題である今、音が出る、煙を吐くというフレーズのエンジンではなかなか世に受け入れられません。今回の「最大の豊かさを、最小の資源で実現する。」という言葉には、こういった時代背景への対応も込められているのではないでしょうか。