私が所属する部署は、船舶用エンジンのアフターサービスを行っています。計画を立てて必要な部品を送り込むなど、修理の段取りを付けるまでが業務範囲のケースもあれば、実際に船に行って修理をすることもあります。また、スーパーバイザーや監督という立場で修理現場に立ち会うこともあります。修理を行う際は基本的に1人ですが、規模によっては部署の後輩や協力会社などとチームを組むこともあります。案件ごとに関わり方は様々です。
特に思い出深い仕事は約10年前に携わった海王丸の修理復旧工事です。海王丸は国が保有する練習帆船です。台風による座礁で大きな損傷を受け、横浜の造船所で復旧工事が行われた際にエンジン補修の主担当を務めました。海王丸のエンジンは、この船のためにワンメイクで作った特殊なエンジンだったのですが、そのエンジンを座礁現場で見た時には「本当に直せるのか」と思うほどひどい損傷で、そのため非常に大規模なプロジェクトとなりました。当時私が所属していた東京エンジニアリング部と尼崎工場にそれぞれ特別チームを作り、部品の半分を作り直すなど、約1年かけて復旧しました。