現場で事故が起きるのは、手抜きや気の緩みが最大の要因となります。以下のような時は十分に気をつけ、作業員同士でお互い声を掛け合い、注意し合うようにしましょう。
- 工事用電気設備はどうせ仮設だ…と手を抜く
- 工期が短く、電気器具の使用が過酷
- 電気知識の少ない作業者が多い
- 裸に近い姿で仕事する人が多い
- 足元が水で濡れる現場が多い
- 送電線近くの現場もある
- 建設機械の大型化
- 工事用電気の容量増大
カテゴリ:建機を安全に取り扱うために
現場で事故が起きるのは、手抜きや気の緩みが最大の要因となります。以下のような時は十分に気をつけ、作業員同士でお互い声を掛け合い、注意し合うようにしましょう。
電気火傷には、2種類あります
ショートとは、電位差のある2つ以上の点が非常に小さい抵抗値の導体で接続されることですが、ショートサーキット、短絡とも言います。 非常に大きな電流が流れ、電線は高熱で溶断し、絶縁被覆が燃え、発電機や変圧器の巻線が焼損し油入りのブレーカーが爆発したりして大事故となります。またショートと同時に激しいアークが発生し、それにより火傷や感電災害火災などを起こします。
高電圧の状態では、触れなくても放電(※3)によって感電する危険があり、電線の近くでクレーン等を使用するときは、安全のため送電線からある程度の距離をとらなければなりません。 この距離のことを離隔距離といい、下の表のように、電圧(ボルト)によって最低限必要な離隔距離が決められています。クレーン等の重機類に限らず、測量や足場組み等の長尺物を取り扱う作業においても、上記同様に離隔距離を確保しなければなりません。
送電電圧(V) | 最小隔離距離(m) | |
---|---|---|
配電 | 100・200以下 | 2.0 以上 |
6600以下 | 2.0 以上 | |
送電線 | 22000以下 | 3.0 以上 |
66000以下 | 4.0 以上 | |
154000以下 | 5.0 以上 | |
275000以下 | 7.0 以上 |
感電は、電撃とも言います。人体に電流が流れることで、その影響は感電した時の状況によって異なります。
チクチクっと感じる程度から、心臓マヒを起こすまでと症状は様々です。危険性を決める要因は、
などです。
交流電気に感電すると、程度により下記のような症状を伴います。
1ミリアンペア… 少しチクチクする
5ミリアンペア… 相当に苦痛、ビリビリ
10~20ミリアンペア… 筋肉が硬直し支配力を失う
50ミリアンペア… 相当に危険、死ぬことがある
また、
低圧 | (直流)750V以下 | (交流)600V以下 |
---|---|---|
高圧 | 750~7000V | 600~7000V |
特別高圧 | 7000Vを超えるもの |
建設機械には様々な電装品が装備されており、多くの電気が使われていますが電気の種類は大きく2種類に分けられます。乾電池やバッテリーは「直流(DC)」で、建設機械の動力になるものと、発電所から送られてくるコンセントの電気「交流(AC)」で、建設用の仮設電気設備も交流電流です。
DC(直流電流) | AC(交流電流) | |
---|---|---|
電流の流れる方向が変わらず 電流の大きさも一定。 |
電流の流れる方向や大きさが、一定の時間周期(サイクル)で変化する。 | |
単相交流 (2相交流) |
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3相交流 |
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静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側は50Hz、西側は60Hzの電気が送られています。
交流の電気は、流れる方向が1秒間に何十回も変化しています。この流れの変わる回数を周波数(Hz:ヘルツ)といいます。日本国内には交流電源の周波数について、東日本の50Hzと西日本の60Hzの相違があります。
機械移動のときには注意が必要です。
電池は電解液という薬液の中に2種類の金属棒を入れると電気が起こり、化学反応により両方の金属棒の間に電位差が生じるために、棒の間を電線で結ぶと電流が流れます。この仕組みが電池の基本原理です。
乾電池、蓄電池、アルカリ電池など、電池には多くの種類がありますが、建設機械には「バッテリー」と呼ばれる鉛電池が使われています。
1859年、フランスのガストン・ブランテの発明で、以来150年もの間使われている電池です。⊕⊖極共に鉛を使用しており、簡単な構造で瞬発力もあり、性能も安定しています。
放電(電気を使う)のときも充電のときも、化学反応で発生し変化する物質は同じで、化学反応式の方向が逆になるだけです。そのため放電して、電気がなくなる毎に何回も充電して使うことができます。
放電すると水が発生するため希硫酸の濃度が淡くなり比重が下がる(充電すると上がる)ので電解液の比重を測れば、どれくらい充電されたのか、後どれくらい使えるのかなどがわかります。
過充電
充電をしすぎると、硫酸がどんどんできて、液温が激しく上昇し、活性物質を極板から脱落させてしまうおそれがあります。回復は難しいので、専門店へ相談してください。
過放電
放電終止電圧(単電池当りの端子電圧が1.75V。)以下まで放電することを過放電といいます。硫酸鉛ができすぎて、極板の活性物質の面をふさいでしまい、極板を傷めてしまいます。