油圧ショベル・ミニショベルのバケットやアタッチメントの取扱い

カテゴリ:建機の基礎知識

土木用から畜産用のアタッチメントまでバケットを交換するだけで様々な用途で使えます。油圧ショベル・ミニショベルはアタッチメントを変えることで、様々な用途に対応することが出来ます。バケットの種類から、取り付け方法、取り外し方法などを解説します。

用途に合わせて選べるアタッチメント

●アタッチメント・オプション

建機が実際に仕事をするのはアタッチメントです。
ヤンマーのアタッチメントは安全性、居住性、耐久性、メンテナンス性と、あらゆるニーズに応えるべく進化を重ねています。

バケット類の取扱い(油圧ショベル・ミニショベル)

「バケット」を交換する時は以下に注意して作業を行いましょう。
またバケットを交換する時は、足場の良い平らなところで行ってください。また他の人との共同作業時には、合図を確実にし合い、安全には十分注意しましょう。バケットの交換は、次の手順で行ってください。

1.平たんで水平なところに、バケットを接地させます。
2.エンジンを停止させます。
3.バケットピンのまわりをきれいに清掃します。(内部に異物が入るのを防ぎます)
4.ピンA・Bを抜きます。

  • 抜いたピンは砂、泥などが付着しないようにしてください。
    車両によってはブッシュ両端にダストシールが入っていますので、きずつけないように注意してください。
バケットの説明イラスト

<警告>

  • ピンをハンマーで打ち込むと金属片が飛散する場合があります。特に目に入ると重大なけがをする場合があります。バケットを交換するときは、保護メガネ、ヘルメット、手袋などの保護具を着用してください。
  • 取り外したバケットは、安定した状態で置いてください。
  • ピンの入る穴を合わせるときに、絶対に穴に指を入れないでください。重大なけがを負うおそれがあります。目視で確認してください。

5. バケットボス部を清掃しOリングを仮取り付けします。

  • O リングにきずがないか確認し、損傷があるものは新品と交換します。
  • バケットを新品に交換する場合は、Oリングも同時に新品と交換することをお勧めします。(作業機の寿命が長くなります)

6. アームをピンA の穴に結合します。
7. リンクをピンBの穴に結合します。
8. O リングを所定の位置に取り付けます。

  • バケットを取り付ける前に、アームのピン穴の汚れを落とし、グリースを塗布してください。

バケットの反転(油圧ショベル・ミニショベル)

「バケット」の交換は、必ず足場のよい平らなところで行ってください。また他の人との共同作業時には、合図を確実にし合い、安全には十分注意しましょう。反転作業は、次の手順で行ってください。

1. 平たんで水平なところに、バケットを接地します
ピンを抜くときは、バケットが軽く接地する程度に置いてください。
強く接地すると抵抗が大きくなり抜けにくくなります。

  • 抜いたピンは砂、泥などが付着しないようにしてください。
  • 車両によってはブッシュ両端にダストシールが入っていますので、傷つけないように注意してください。

2. エンジンを停止します。
3. バケットピンの回りをきれいに清掃します。(内部に異物が入るのを防ぎます。)
4. ピンA・B を抜きます。
5. バケットを反転します。
6. Oリングの装着の詳細は各製品の取り扱い説明書を参照してください。
7. アームを、穴Bに結合し、つぎにリンクを穴Aに結合します。(バケットを少しずつつり上げた状態で、リンク穴と穴A の位置合わせを行うと作業が容易にできます。
8. ボルトを取り付けます
9. グリースアップを行います。

バケット反転状態で、右図の姿勢よりさらにアームを巻き込んだり、ブームを下げたりしますと、バケットとブームシリンダーが干渉することがあります。バケットの巻き込みすぎに十分注意してください。

<警告>

  • ピンをハンマーで打ち込むとき、金属片が飛散することがあります。特に目に入ると重大なけがをする場合があります。作業をするときは、保護メガネ、ヘルメット、手袋などの保護具を着用してください。
  • バケットを取り外したときは、安定した状態で置いてください。
  • ピンA・ピンBの入る穴を合わせるときに、穴に指を入れると重大なけがをする場合がありますので、絶対に指を入れないでください。確認は目視で行ってください。

ヤンマー純正油圧式クイックヒッチの取り扱い(クイックヒッチ仕様)

●クイックヒッチの特長

クイックヒッチは、油圧ショベル・ミニショベル(バックホー/ミニバックホー)に装着する各種のアタッチメントの交換を簡単にするための装置です。ピン間距離が可変タイプなので、ピン間距離の異なるアタッチメントも取り付け可能です。

アタッチメントの脱着作業時以外はスイッチボックスのふたを開けないでください。
故障や不意の作動による事故の原因となります。

●クイックヒッチ操作スイッチ

アタッチメントの着脱を操作するスイッチです。

●クイックヒッチの構成

●取り付け可能なアタッチメント

  1. クイックヒッチ装着車に取り付け可能なアタッチメントはバケットと同じ2本のピンで取り付けるタイプのみです。ピン1本で取り付けできるアタッチメント(クラムシェル等)の取り付けはできません。
  2. ピン2本で取り付けるアタッチメントでも、下記は取り付けできません。
    ①取り付け部形状が、標準バケットと極端に異なるもの
    ②ピンピッチが極端に長いもの、または短いもの
  3. クイックヒッチ装着車に適したアタッチメント以外は使用しないでください。

●アタッチメント装着なしで保管する場合の姿勢

クイックヒッチの保管姿勢は右図のように接地してください。操作スイッチを取り外しモードの状態でクイックヒッチを接地させておくと、再始動時にフックが開き、床面をきず付けたり、本機の故障の原因となります。

アタッチメント装着時の注意

長い作業機は、車体の安定性を悪くし、急坂道の降坂時や傾斜地での旋回操作時に、バランスを失って転倒する可能性があります。下記の作業は特に危険ですのでしないでください。

  • 作業機を上げての降坂
  • 傾斜地の横切り走行
  • 傾斜地での旋回作業
  • 重荷重の作業機を装着すると、旋回流れ(旋回停止操作してから、完全に旋回が止まるまでの距離)が大きくなり、目測を誤ってほかのものに当てる場合があります。停止位置まで余裕を持って操作してください。
    また、自然降下(作業機を空中に停止させますと、自重により徐々に落下していくこと)量も大きくなります。
  • ブーム・アームの装着は、正しい作業手順にて実施しないと、重大な事故や損害の原因になる場合があります。装着のしかたなどが不明なときは、最寄りの販売会社に相談してください。

また、長い作業機を装着したときは、作業範囲が急激に大きくなるために、目測を誤ってほかのものに当てる場合があります。周囲の障害物との距離は、十分余裕を持って運転してください。

バケットティース・サイドカッターの交換

※ 型式によって異なります。詳しくは取扱い説明書をご覧ください。

●バケットティースの交換

バケットティースが摩耗したら、つぎの要領で交換します。

<警告>
ティース交換時、誤って作業機が動きだすと危険です。作業機を安定した状態に設定にし、エンジンを停止し、確実にレバーをロックしてください。


ポイント1が摩耗して、アダプター4にまで達する前に交換してください。

  • バケット底面が水平になるようにしてください。
  • ポイントの取り外し方

1. バケットに取り付けているロッキングピン3をハンマーと打ち抜き具を使って打ち出し、ポイント1を取り外します。

<重要>
打ち抜き具をラバーピンロック2へ向けてたたくと、ラバーピンロック2が破損することがあります。ピンの背の方へ向けてたたいてください。

2. ラバーピンロック2を取り外します。
3. 取り外したラバーピンロック2と、ロッキングピン3を確認してください。
下記のようなラバーピンロック2と、ロッキングピン3をそのまま使用すると、作業中にポイント1 が外れる原因となります。新しい部品と交換してください。

  • ラバーピンロック2のゴムに亀裂が入り、ローラーが外れそうになっている。
  • ローラーを指で押すと、ローラーがめり込む。
  • ロッキングピン3が短すぎる。

4. パテナイフを使ってアダプター4の表面を清掃し、固まった付着土を取り除きます。

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