営農情報 営農PLUS

いよいよ田植えの時期です!

密苗と慣行栽培を比べても、栽培方法に大きな差はありませんが、苗の取扱いや田植機について、密苗ならではのポイントがあります。今回は移植前~移植時に役立つ情報をご紹介します。

1.田植え時の水深は、落水~ひたひた水に

ひたひた水でがちょうど良く、苗の植付姿勢が安定します。

深水での田植えは、浮き苗になりやすく、枕地など深いところは低速で植えるようにしましょう。

移植後は必ず入水しますが、以下の場合は入水を遅らせてください。

  1. 強風により田面水が大きく波打ち、植え付けた苗が土壌から離脱する場合。
  2. 浮き苗になりやすい場合。

また、急な入水も浮き苗の原因となるのでやめましょう。

2.苗マットの取扱いにご注意ください

順調に育った苗は、しっかりと根が張っているので、苗マットは箱から取り外して手で持っても千切れたり、バラけたりすることはまずありません。しかし、なんらかの理由によりマット強度が不足している場合は、慎重に取り扱うようにします(苗取板を使用してください)。

苗マットを取り外すときの注意

苗箱から取り出す際は丁寧に扱い、特にマット端面の形状を崩さないようにしましょう。

苗マットを運搬するときは、必ず平置きで

苗マットをほ場まで運搬するとき、マットを巻いてしまうと、マットの寸法が狂ったり形状が崩れる恐れがあります。運搬をするときは、必ず平置きにしてください。仕方なく、ロール状に巻いて運搬した場合は、苗のせ台に載せる前に、必ず苗マットの寸法や形状を修正しましょう。

苗マットの水分状態(含水率)に十分注意

苗は乾燥が大敵。特に、あらかじめほ場に苗を配布しておく場合は、苗マットが乾燥しないように注意が必要です。長時間直射日光や風が当たらない様、覆いをしたり、場合によってはかん水を行うなど、十分注意しましょう。

育苗箱底面のビニールやシートを取除きましょう

育苗箱底面にビニールやシートなどを敷いている場合は、苗を苗のせ台に載せる前に、必ず取り除いてください。

3.移植作業時のポイント

  • 密苗に対応した密苗仕様田植機、または密苗キット装着の田植機で移植しましょう。
  • 移植時期は、平均気温15℃以上の温暖となる頃がおすすめです。苗の生長や移植後の活着がスムーズになります。
  • 栽植密度は、まずは地域標準の3.3m2当たり50~70株で実施しましょう。
  • 植付本数は1株当たり3~5本が確実に植付けられていることを確認しましょう。
植付本数が少ないと欠株リスクが高くなります。

植付深さは2~3cmとします。

苗マットの補給について

苗マットをセットするときは、苗マット押さえを苗マットの表面から1~1.5cm程度離れるようにセットします。

苗が少なくなると縦送りが悪くなり、かき取り不良になります。ぎりぎりになる前に補給しましょう。

苗マットと苗マットの接続面に隙間ができないように注意しましょう。

4.移植作業時のポイント

  1. 箱施用薬剤は、移植数の日前~移植当日に、農薬登録にしたがって施用します。
  2. 本田の病害虫防除は慣行稚苗栽培に準じます。
  3. 使用肥料、施用量、施用時期は、慣行稚苗栽培に準じます。
  4. 除草剤は、移植同時処理または移植後の体系処理とし、慣行稚苗栽培に準じます。

施肥機付きの田植機なら、同時施肥で省力化が可能。

箱施用剤、除草剤も田植えと同時作業ができる。

箱施用薬剤散布状態。

密苗でも十分な施肥量を確保できる側条施薬機CPシリーズ(箱施用剤散布機アタッチメント)

側条施薬機CPシリーズ
  • 田植えと同時に箱施用剤を側条に散布するので、薬効が期待できます。また、散布ムラ・こぼれも防げます。
  • 育苗ハウス内で箱施用剤を散布しないので、ハウス内の農薬残留の心配がありません。
  • 薬剤の登録が1kg/10aになり、密苗から疎植・稚苗慣行栽培まで対応できます。
  • 側条の溝に薬剤を埋め込むため、流亡が減少し環境負荷を軽減します。
  • 側条施薬機を使用する場合は、必ず側条施用に適した薬剤を使用してください。
取扱説明書ダウンロード カタログダウンロード 修理部品のご案内 販売拠点 お問い合わせ よくあるご質問