排水対策

水持ちが良く、排水性の良い土づくりをしましょう。
土壌の物理的改良として、通気・透水性を良くすることがポイントです。ほ場周囲の溝掘りは、土壌の種類により相違がありますが、毎年行います。

心土破砕(サブソイラ)と明きょ掘削(溝掘機)

サブソイラ

サブソイラナイフを土中に貫入し進行させることにより、下層部に形成される硬盤層(不透水層)に亀裂を入れたり、固結した心土を破砕・膨軟にし、透・排水性を向上させます。

溝掘機

表面余剰水や横浸透水を排水することで湿害を回避し、周辺ほ場からの水の侵入を防止します。

サブソイラの製品情報

溝掘機の製品情報

施肥のポイント

基肥投入肥料は3元素の他、マグネシウム・カルシウムの不足に注意しましょう。
堆肥は10a当たり2~2.5t以上を目安に散布しましょう。
酸度の矯正は、pHは6.0~6.5程度が適当です。

施肥の種類

堆肥散布(マニアスプレッダ)

マニアスプレッダは堆肥をほ場へ運搬し、打ちほぐして均一に散布することができます。その主要部は台車上の堆肥箱、ビータを持つ散布装置、チェン式堆肥送り装置、駆動部からなっています。マニアスプレッダでの作業は能率が高く、労力節減効果が高くなります。

マニアスプレッダは、トラクターけん引タイプと自走タイプがあります。また、散布部は、横ビータ・縦ビータ・ディスクビータの3種類があり、用途・条件に合わせて選ぶことができます。

マニアスプレッダのタイプ

横一段ビータ

大量散布に適しています。

縦型ビータ

幅広く均一に散布できます。

ディスクビータ

広範囲への薄まきに適しています。

自走タイプ

水田などの軟弱地に最適です。

けん引タイプ

スピーディに散布する場合に適しています。

トラクターけん引タイプ
自走タイプ

マニアスプレッダの製品情報

施肥(ソーワ)

ソーワは、粒状肥料(化成肥料)の微量散布や砂状肥料(ヨウリンなど)、粉状肥料(石灰など)の精密散布に使用します。散布口が低いため風の影響を受けにくい利点があります。散布量の調節も正確に行えるため、作物の生育に直接影響を与える肥料・薬剤の施用が計画にそって行えます。装着位置や散布物の性状により、さまざまな種類があります。

ライムソーワ

ソーワのタイプ

フロント装着施肥機

トラクターのフロントに装着するため、肥料・土改材散布と同時に耕うん作業など複合作業が可能です。

リヤ装着施肥機

うね立て同時施肥機など、整形機とセットすることで局所・畦内の施肥ができます。

有機マルチソーワ

化成肥料や有機肥料(含水率40%以下のバーク堆肥・乾燥鶏糞・米ぬかなど)の単肥散布と混合散布が行えます。

ソーワの製品情報

耕うんのポイント

排水の良い有機質に富んだ肥えた土にすると共に、通気性を良くしましょう。

耕うんの種類

天地返し(プラウ)

天地返しを行うと、下層土に溜まっていた微量要素が土全体に混ざります。ただし、痩せた田を一度で深く起こすと養分が不足しやすくなるため、特にリン酸を多めに施す必要があります。
プラウは深耕と有機物や堆肥などのすき込みをする反転耕です。深耕は根の生育範囲を拡大することができ、また、有機物や堆肥などのすき込みは土壌の肥沃度を上げることができます。主格残渣物が下層に埋没(反転)されるため、表層に邪魔がなく、精度の良い播種・移植作業ができます。
用途に応じた様々なタイプがあります。

プラウ

プラウのタイプ

ワンウェイプラウ

土質により、ボトム部分のタイプを使い分けます。耕深調節は15~30cm。

スリックボトム
軽しょう土など比較的軽い、付着しやすい土壌用
スチールボトム
砂壌土・粘土など比較的重い、付着しない土壌用
格子ボトム
粘土・火山灰壌土・および比較的軽い、付着しやすい土壌用
リバーシブルプラウ

往復耕が可能でワンウェイタイプに比べ能率が20~30%高く、無駄な空走りをしないので踏圧を気にせず作業できます。

その他

「水田・田畑輪換プラウ」は、水田での浅起こしができます。耕深調節は10~18cm。「丘曳きタイプ」は作業姿勢の調節が簡単でトラクターを傾けずに作業できるため、疲労が軽減されます。

プラウの製品情報

粗耕起(スタブルカルチ・スーパーソイル・スピードカルチ)

粗起こしは、天地返しと同様、下層土を部分的に地表に上げることで作土層に新しい土が混ざり、土のリフレッシュをする効果があります。また、耕盤に亀裂を入れたり、固結した心土を破砕することで下層土が膨軟になり、透水性・排水性が向上。根の張りが良くなり、作物の生育が促進されます。

スタブルカルチ・スーパーソイル・スピードカルチは、能率重視のけん引式高速・省エネ作業機です。高速で粗起こしを行い、地表の残渣物を土に混和させるとともに、粗く反転させることで土中に空隙ができ、高い乾土効果を発揮します。また、スキ形状で耕起を行うため土を練ることがなく、高水分時での作業ではその後の乾土効果を高めます。

粗耕起作業機のタイプと製品情報

耕うん(ロータリー耕)

ロータリーは汎用性に優れ、砕土・整地も行えます。また、各種アタッチメントの装着により、耕うん同時播種・施肥など、幅広い作業で使用することができます。
耕深の調節方法によって、次の2種類に分かれています。

ロータリーのタイプ

前ゲージ輪タイプ

ロータリーの前に取付けられたゲージ輪で、耕深を調節します。ロータリーが大型化すると前ゲージ輪のほうが安定し、精度良く仕上がります。主に畑作での使用に適しています。

オート装置(耕深自動調節)タイプ

リヤカバーの動きをセンサーで感知し、耕深を調節します。耕深の設定がトラクターに乗ったままダイヤル(またはレバー)で簡単に行えます。主に水田での使用に適しています。

ロータリーの製品情報

砕土・整地(ハロー)

砕土・整地をスピーディに行え、良好な播種床づくりが行えます。

砕土・整地用ハローのタイプ

ローターハロー

プラウ耕起後の土塊を破砕・整地し、均一な播種床基盤を形成。播種、移植に適した作土層をつくります。

パワーハロー

表層を砕土整地鎮圧するエコノミータイプのパワーハローです。

ディスクハロー

時速10~15kmで作業可能なプロ仕様のディスクハローです。

砕土・整地用ハローの製品情報

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