「お客様の手を止めない」サービスをさらに追求するためグローバルCS拠点「ヤンマーシナジースクエア」が稼働開始
VISION02 安心して仕事・生活ができる社会
目指す姿
厳しい労働を、快適な労働へ。誰もが気持ちよく働いて安定した収入を得ると同時に、自然と共に心豊かに暮らせること。
VISION-02の社会を実現するために貢献できる主な製品・サービス
後方超小旋回油圧ショベル
本体の後部が車幅から出ないため小回りがきき、壁際での作業も後ろを気にせずに作業ができる後方超小旋回機。狭小現場での安全性や快適性を高めています。
非常用発電システム
非常用発電システムは、自然災害などによる停電時に、さまざまな設備への電源供給を担うことで、人命の安全確保や財産の保護、復旧工事などに貢献します。
関連する主なSDGs
VISION-02に関連し解決すべき社会課題
事業活動を通じた貢献
ヤンマーグローバルCS株式会社
顧客の課題
ヤンマーグループにおけるグローバルな顧客満足度(CS)をさらに向上させるためには、「お客様の手を止めない」サービスを追求していくことが重要になります。ヤンマーではSMARTASSIST(農業機械・建設機械向け)、RESS(発電・空調製品向け)、SHIPS SUPPORTER(船舶搭載用エンジン向け)という遠隔監視システムを商品に搭載し、稼働状態の遠隔監視を行っています。遠隔監視によるデータ分析や故障予知をはじめ、サービスマンに対する遠隔での技術サポート、SMARTASSISTなどをご利用中のお客様を支援するシステムサポートデスクなど、最先端のテクノロジーを活用したサービスの開発、提供、共有の実現が必要となります。
ソリューション
当社グループはICTの先駆けとして、1984年にエネルギー事業で離島にある発電機の監視を開始し、その後それぞれの事業領域で遠隔監視サービスの展開を進めてきました。2015年にはリモートサポートセンターを設置し、当社グループのすべてのお客様へのトータルサポートを追求。先進的な予防保全型サービスと、「お客様の手を止めない」サービスの実現と、蓄積データの活用による経営改善サポートに取り組んできました。
ヤンマーグローバルCSは、これまでのサービスの進化の実現に向けて、全世界のビジネスパートナーとヤンマーグループとがそれぞれの知見やノウハウを集結させ、相乗効果(SYNERGY)を生み、未来に向けた新たなサービスソリューションを創出していく場所(SQUARE)として、ヤンマーシナジースクエア(YSQ)を新設しました。
1階のサービス展示エリアには、ヤンマーグループのサービスの歴史や精神、未来を体感できるコンテンツを数多く展示。2階には、これまで梅田ゲートタワーにあったリモートサポートセンターを移設するとともに、SMARTASSISTをはじめとした遠隔サポートシステムの機能を集約、強化することで、より詳細な情報の管理・分析が行えるほか、引き続き見学ツアーなどの視察も可能となっています。
3階のバックオフィスエリアには、世界中で取り扱われている補修部品の受発注の集約化や、部品情報管理、ドキュメントの制作や安定供給のための業務などのほか、サービスの効率化を目指したITツールの開発や展開の専門部門を設置しています。4階の社員食堂・会議室エリアでは、ヤンマーシンビオシスで生産した新鮮な野菜などを使ったバランスのよい食事を提供し、社員の健康面にも配慮しています。5階の研修室では、各種教育研修に対応するため、30名規模の会場3部屋、連結可能な 60名規模の会場2部屋を有し、ダイバーシティの観点からフロアの一角には礼拝室も設置しています。
提供価値
お客様のマシンが常に最適な状態で稼働できることで、故障による作業の中断や盗難などの損害を未然に防止し、安心して仕事に集中することができます。それにより、生産性の維持や向上に結びつき、生活の安定化にもつながります。
ヤンマーエネルギーシステム株式会社
乳牛のふん尿を有効活用するバイオガス発電システムの導入により酪農経営の改善をサポート
顧客の課題
生産性の向上に取り組む株式会社本部農場は、新牛舎を建設し、乳牛の飼育頭数を120頭から250頭に拡大することを計画しました。そこで大きな課題となったのが、増頭による乳牛のふん尿処理でした。これまでは堆肥化することで処理していましたが、作業の手間や時間がかかり、燃料費なども大きな負担となっていました。
ソリューション
家畜のふん尿処理の労働負担と処理コストを軽減し、酪農経営のコストダウンを図るとともに、地域と社会に貢献できる循環型農業を目指したいという本部農場の課題解決に向けて、ヤンマーエネルギーシステムはバイオガスコージェネレーションによる発電システムの導入を提案しました。バイオガスコージェネレーションは、国内外問わずさまざまなメーカーから販売されていますが、メンテナンスの面やトラブル時の対応で他社より優れるとの理由で、当社にお声がかかりました。
本部農場には、24.5kWのバイオガスコージェネレーションを2台設置し、乳牛のふん尿から生成されたメタン発酵ガスをエネルギー源として発電します。発電で得られた電力は、電力会社に売電するとともに、熱はプラント内における発酵槽の加温などに利用しています。2021年3月までの1年間の運転時間は1万時間で、その間の発電電力量は10万kWhとなりました。さらに、ふん尿処理の過程で得られる消化液※1は肥料や雑草対策に活用でき、コストダウンにつながります。また、発酵過程から生産した衛生的な再生敷料※2により、乳牛の罹患防止に役立っています。
ふん尿処理の労働負担が軽減され、かつバイオガス発電による売電収入や排熱のエネルギー利用により、酪農経営のコストダウンに貢献できます。
- ※1消化液:メタン発酵後のふん尿を、固液分離機等により分離した液分のこと
- ※2敷料:牛舎の衛生を保つために敷き詰めるワラ・おがくず等の総称
提供価値
ハウス栽培を検討している近隣企業から、本部農場の電気や熱を利用したいという提案が持ち上がるなど、本部農場の新しい取り組みは、地域のいろいろな企業の輪を広げています。今後も、バイオガス発電システムを通じた地域産業の発展に貢献していきます。