特集1 バイオマスなどの効率化技術でエネルギーを有効活用

2017年度のCSR・環境活動特集

ヤンマーグループのエネルギーに対する考え方

ヤンマーグループは、世界中の人々が世界各地で、必要なときに必要な分だけ、無駄なくエネルギーを使える社会づくりを目指しています。

私たちは、エネルギーを効率よく生み出す省エネルギーの追求をはじめ、太陽光発電等の再生可能エネルギーの活用、工場や変電所等からの排熱およびバイオマスなどの未利用エネルギーの活用、そして、エネルギー利用を最適化するエネルギーマネジメントなどを通じて、省エネルギーな暮らしの実現に取り組んでいきます。

省エネルギーの追求

ヤンマーグループは環境負荷の低い天然ガスやカーボンニュートラルなバイオガスなどを燃料とするコージェネレーションシステムの開発を行っています。ガスエンジンで発電した際に発生する熱を給湯や冷暖房に有効利用するシステムで、エネルギーの効率的な利用を実現しています。

未利用エネルギーの活用

メタン発酵バイオガスの活用に早くから注目し、下水処理場や食品・ごみ処理場、畜産糞尿処理施設などで発生するバイオマスの有効活用に取り組んでいます。汚泥や食品残渣等から生成したバイオガスを燃料にするバイオガスマイクロコージェネレーションの製品化を進めており、25kW機クラスではトップシェアを誇っています。

エネルギーマネジメント

ICTの活用により、各地に配置されたコージェネレーションシステムをネットワーク化し、電力エネルギーと熱エネルギーを最適に利用することを目指しています。地域でつくられたエネルギーを、需要に合わせて同じ地域でシェアし、最適に配分することでエネルギーロスを最小化します。

EP-Gシリーズ 370/400/700/800kW
CPシリーズ 5/10/25/35kW

ミャンマーで籾殻を活用したバイオマスガス化発電の実証事業を実施

ミャンマーにおける事業の背景

ミャンマーは、GDPの約3割を農業が占めており、人口の約6割が農業分野に従事する東南アジアでも有数の農業大国です。また、コメの生産量が2013年度は年間2,877万t、海外への輸出量も130万tあり、ミャンマーにとってコメは主要な輸出品目となっています。

一方、国の経済成長とともに電力需要が増加するなか、電力供給の約7割を水力発電等に頼っており、地方を含めた平均電化率も約3割に留まっています。電化率が低いことにより、さまざまな製造設備に影響が出ており、コメの場合においても技術レベルの低いガス化設備等が安定せず、割れ米等が発生し品質が低下するなどの問題を抱えています。コメの一大生産国であるミャンマーにとってコメの品質向上は重要であり、そのためにもエネルギーの安定供給は重要な課題です。

ヤンマーグループの取り組み

ミャンマーでは、現地で栽培・収穫されたコメの籾殻が毎年大量に発生します。ヤンマーグループはこれを有効に活用することで、ミャンマーの電化率向上と、高品質なコメの生産に貢献できる可能性に着目し、バイオマスガス化発電の実証事業を実施しています。

籾殻をガス化発電システムの燃料として活用することで、精米施設の稼働に必要な電力の全量供給を目指すとともに、コージェネレーションシステムによる廃熱を籾の乾燥に利用します。さらに、籾殻燃焼時に排出される籾殻チャー(残渣)は肥料成分を含んでおり、農地還元することで資源循環型農業にも寄与します。また、発電所など従来の電力系統からの受電と比べて大幅なCO2排出量削減が見込めます。実証事業は2018年3月まで実施する予定で、将来的には、電力供給が不安定な東南アジア各国にこのシステムの普及を目指します。

バイオマスガス化発電実証事業におけるシステムの流れ

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