DX認定

ヤンマーグローバルCS株式会社について

近年、お客様のニーズの多様化やIoT技術の進化により、アフターサービス分野においても真のお客様の課題解決につながる付加価値の提供が求められております。このような環境変化に対応すべく、ヤンマーグローバルCS株式会社は、2020年4月にヤンマーグループのアフターサービスを統括する会社として新たに設立されました。弊社は“お客様の手を止めないサービス”の実現に向けて、効率的なサービスツールの開発、スピーディな補修用部品供給、タイムリーな補修用部品情報の整備、アフターサービスに必要不可欠なサービスドキュメント制作、アフターサービス関連商品の提供を行っております。

2020年8月には弊社本社として兵庫県尼崎市に「ヤンマーシナジースクエア」を設立いたしました。施設のコンセプトは「SERVICE × SYNERGY=SUSTAINABILITY ―ヤンマーは、お客様と共に、未来の為に―」です。将来の持続可能な社会の実現に向け、お客様とヤンマーが共創しながら、今後、我々が目指すサービスの姿を体感できる施設となっております。

当施設には、お客様の大切な機械をモニタリングする「リモートサポートセンター」を併設、また「ヤンマーサービスの発信」をテーマとしたお客様向け見学フロアを有し、これまでのヤンマーサービスの歴史、現在のグローバルなサービス展開、近未来サービスの姿をご見学頂くことが出来ます。ヤンマー製品をご愛顧いただいている皆様、ビジネスパートナーの皆様におかれましては是非とも当施設へご来場いただき、ヤンマーのサービスを体感いただければと考えております。

我々ヤンマーグローバルCS株式会社は基盤となるインフラとグローバルで統一したアプリケーションにて、デジタルを通じてしか提供できない新しい付加価値をお客様に提供することで、お客様課題解決に向けて、グローバルに人材を最大活用できる人事制度の導入や、効率的な販売とサービスを両立した部品コントロールタワーを確立し次世代部品システムを構築します。また、ヤンマーホールディングス内に新設されたDXを担う新たな部門と連携し、未来のグループの成長を実現するIT経営基盤と次世代部品システムを構築することで、デジタル化する世界に対応した次世代経営を目指します。

2. ヤンマーグローバルCS株式会社 任務とビジョン(自社の目指す姿)

「高度化する技術革新やお客様ニーズを捉え「高品質なカスタマーサービス」を提供し「真のお客様満足企業」を目指します。

3. DX戦略

グローバルメガトレンドである、人口増加、CO2排出削減、省エネルギー、ビジネスのグローバル化等の影響を受け、顧客ニーズは多様化し、商品のコモディティー化が進んでおり、今後、自社が担当するアフターサービス領域におけるビジネスチャンスの拡大が予想されています。また、近年のコロナ流行、インフレ懸念、半導体不足、ロシアによるウクライナ侵攻等の直面する社会課題への対応も急務となっています。これらに対応する為に必要不可欠なのがDXと考えており、自社では以下の6つのテーマにフォーカスしDX戦略として実現してまいります。

1)IT次世代経営基盤の構築

自社では今後のヤンマーグループのグローバル化に対応し、グローバルかつグループ全体の部品供給とサービスの品質を担保できる、IT次世代経営基盤を構築してまいります。グローバルに一元管理が可能な部品基幹システムの整備を進め、全世界のお客様が安心して作業が行えるサービス環境を実現する為の部品供給体制の構築を目指します。またそのシステムをフル活用しグローバルに活躍できるエキスパート人材の育成に向けた人事制度の導入を進めます。更にヤンマーホールディングスのDX統括部門と協働し、ヤンマーグループの今後の成長実現に向けたデータ統合基盤の構築により、デジタル化に対応した次世代経営を目指します。

2)次世代を見据えたサービス技術教育基盤構築

ヤンマーグループでは、ビジネスのグローバル化や事業拡大、商品の高性能化に伴い、サービススタッフに求められる技術レベルが高まる一方で、サービススタッフの高齢化による担い手不足、次世代への技術伝承への対応といった課題に直面しており、サービススタッフへの教育の重要性が益々高まっています。このような環境変化の中、自社では次世代を見据えたサービス技術教育の基盤構築を進めています。基盤構築に向けては、グローバルに標準化されたオンラインでの研修教材を使用し効果的に学べる仕組みの構築、また世界中のサービススタッフ人材の戦力を可視化することを目指していきます。
具体的な取組としては、ヤンマーグループ共通のオンライン教育プラットフォーム構築による人材マネジメントの一元化、またオンラインとオフラインの研修の連携による、学びの量と質の向上を進めています。また、オフライン研修にITツールを導入することにより、実技研修での理解の促進を図ると共に、サービス現場のITリテラシーの向上を目指しています。

3)現場サービス支援の為の次世代ITツール開発

ヤンマーグループ内の商品開発プロセス改革の一環として、自社ではアフターサービス領域での設計データ(3Dデータ)の活用を推進しています。上流の設計データを下流のアフターサービス領域で二次加工することなく、サービスドキュメントに反映させ、サービス現場においてサービスに必要な情報が一元で閲覧可能な3Dサービス支援を開発しています。また、3Dデータを活用してサービス現場をデジタルで再現するデジタルツインの世界のサービス現場導入を見据え、オフライン研修での活用トライヤルを進めています。これらの次世代ITツールをフル活用することにより、サービス現場の効率性向上に繋げていきます。

4)B to Cコミュニケーションの強化

顧客ニーズの多様化や技術の進展により、デジタルでの顧客接点の重要性が高まっており、ヤンマーグループではお客様向けのスマホアプリ導入を推進しています。自社ではスマホアプリ開発や導入支援、コンテンツ制作やレポート発行等の運用支援を行っています。これによりお客様の利便性向上や、アプリを通じたデジタルでの情報とリアルなサービス現場での活動の連動を図り、顧客接点・関係性の強化を図っています。
更に、北米では自社ECサイトを通じ、顧客がダイレクトに部品の注文が可能となる新たなビジネスモデルを2023年よりスタートさせる予定です。

スマホアプリ(MY YANMAR)

5)AI活用による部品需要予測と在庫最適化

AIの普及についてはその適用範囲の拡大・深化が急速に進んでおり、自社においてもAIの活用トライヤルに向け推進しています。例えば、AIを活用し全世界の部品需要の予測を行うことで属人化から脱却し、精度の高い在庫発注を実現、不良在庫を最小化する事でキャッシュフローの改善を目指しています。またAIによる予測を定期更新することにより部品在庫の欠品発生を防止します。先ずは、社内プロジェクトにて部品発注業務の属人化の脱却をテーマに検証を行います。

6)社内レガシーシステムのリプレイスを推進

国内アフターサービス商材の販売管理システムは導入より20年以上が経過し、ブラックボックス化が進み、ロジックが複雑化しており、そのシステム改修費用や維持メンテナンス費が年々増加傾向にあります。また、直近ではインボイス制度への対応、電子帳簿保存法への対応、更にISDNサービス終了への対応など様々な対応が必要となっています。これらの課題を解決するために販売管理システムのリプレイスを予定しています。
リプレイスにあたり、社内の業務プロセスを見直し、パッケージシステムに合わせた業務標準化を進め、カスタマイズする事なくパッケージのメリットを最大限に活用します。更に、オンプレミス環境からクラウド環境に変えSaaSアプリケーションのERPパッケージを利用する事でベンダー依存を防止し、最新のアプリケーションの環境の下、迅速な法対応など早期のレガシー化を防ぎ、導入における時間や開発コストの低減を図ります。

4. DX推進体制

DXは全社を巻き込んだビジネス変革そのものという理解と信念の下、経営者の強力な推進力とDXを推進する中堅社員のリーダーシップが大切と考えています。自社代表取締役を統括責任者、サービスコンテンツ・ドキュメント担当(取締役)を実行責任者、サービス&ソリューション部サービスコンテンツグループ・サービス&ソリューション部サービス&ソリューショングループ・企画部IT改革PJ室を実務担当とします。
実務責任者は各部門の長のみならず実務担当者ともコミュニケーションを密にとり、部門間業務を含めた協業調整を行いながら全社横串連携によるDX推進体制を確立します。また、導入システムの選定や開発・改修、業務プロセス分析、DX人材育成に関しては、実務責任者主導のもと個別にコミュニティーサイトを立ち上げます。コミュニティーサイトを通して担当者が協力して実施しますが、当社内で賄いきれない場合はヤンマーホールディングスのDX統括部門と連携してプロジェクトを立ち上げ、要件定義から運用まで責任をもってマネジメントを行います。

5. DX戦略のKPI

これらのDX戦略を進める上でのKPIとして
①IT次世代経営基盤の整備に向けた業務フローの可視化と業務プロセスの見直し
②次世代サービス技術教育基盤構築の為のオンライン基盤の充実化とオフライン教育でのITツール検証
③現場サービス支援の為のITツールの開発・検証フェーズ実行
④お客様向けアプリの既存導入国での深化と新規導入国への推進
⑤AIを活用した部品需要予測と在庫適正化に向けたトライヤル実行
⑥ブラックボックス化、レガシー化へ対応した新システム導入による業務改善を上げています。
これらをKPIとして設定し具体策を実行することでDX戦略を実現し、更なる提供価値の向上を目指します。

6. DX戦略におけるリスクへの対応

不確実性を増す市場環境下においても地政学的リスクや為替リスクなどの経営リスクを制御し、企業価値を安定的に高める対応を行ってまいります。更に、失敗を恐れない、チャレンジできる風土を醸成し、市民開発者を増やす事で社員にDXを身近に感じでもらい、DX戦略を経営だけに留まらず、身近な業務改善にもDXを浸透させ、組織力で継続的なDXの実行を進めます。

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