お客様事例紹介

個人専業農家 石川 宏明様〈密苗〉

個人専業農家

石川 宏明 様

  • 地域 : 群馬県邑楽郡
  • 掲載年 : 2023年
  • 作物・作業 : 水稲(4ha)/きゅうり(20a)
  • 密苗導入面積 : 4ha
  • 栽培品種 : コシヒカリ、にじのきらめき

苗箱数約1/3の削減を実現し、ワンオペレーションの重労働を大幅軽減!

農繁期になる春と秋の労力軽減が課題だった

群馬県の東南端に位置する板倉町で、4代目として農業を営む石川さん。農業大学で栽培技術を学び、卒業後に就農された。現在はきゅうりのハウス栽培を手掛けつつ、水稲栽培も行っておられる。
農作業はほとんど1人でやっておられるそうで、きゅうりと水稲の作業が重なる時期の人手不足が大きな課題だった。「きゅうりは二期作で栽培しています。播種から田植えを行う5月6月、稲刈りの9月10月は作業が重なる繁忙期。手伝いを頼むこともありますが、基本的にはワンオペなのでとにかく大変です」と石川さん。効率良く作業ができるよう、栽培計画を立てるが限界があると感じていたと振り返る。そんな時、田植機を買い替えるタイミングで密苗を知り、苗箱数を減らせるメリットに魅力を感じ導入を決められた。

きゅうりと水稲の作業が重なる時期は目の回るような忙しさ

水稲ではコシヒカリと、にじのきらめきの2品種を栽培。にじのきらめきは同県のJAが推奨する新しい品種だ。作型は品種によって期間を分散。コシヒカリは4月末に播種をして、5月25日前後に移植し、9月25日前後から収穫。にじのきらめきは5月4日頃から1週間毎に3回に分けて播種をして、5月末から移植し、10月10日前後から収穫する。
「1人なので作業を分散できるよう、播種のタイミングをずらすなど工夫しながらやっています」と石川さん。午前中にきゅうりの収穫と出荷作業を終わらせ、午後から水稲の作業をするというのが毎日のルーティーンだ。「特に5月6月と9月10月は毎日走り回っています。計画通りにいかないと後々、大変になるので気が休まりません」と、農繁期は余裕なく働いていると話してくださった。

苗箱数が約700枚から約480枚に減りすべての作業がラクになった

密苗導入後の変化をお聞きすると、「期待していた通り、苗箱数がぐんと削減できました」と笑顔の石川さん。播種量を約180g/箱(乾籾)から約290g/箱(乾籾)に増量し、慣行では約700枚使用していた苗箱を約480枚に削減。「苗箱数が減ったことで播種や育苗中の水管理など、すべての作業がラクになりました」と喜んでくださっている。
田植え作業では10a当たりの苗箱が18枚から12枚になり苗継ぎの回数が減った。さらに、「ほ場が点在しているので、何度もトラックに苗箱を載せて運ばなければいけませんでした。密苗にしてからはその回数も減って無駄な時間を削減できています」と、密苗のメリットを実感。続けて、「時間に余裕ができて作業に追われることがなくなりました。体も気持ちもラクですね」と満足してくださっているようだ。

作業は慣行と同じ。密苗だからといって増える手間はない

育苗の工程や管理も慣行とほとんど変わらない。「田んぼでプール育苗をしています。高密度に播種しているので苗が柔らかく、温度が上がると焼けやすいと聞いていましたが問題はありません。水が張ってあれば温度は一定に保たれるので、被覆材を被せている間は水がなくならないように気を付けています」とポイントを教えてくださった。
田植えの適期をどのように判断されているのかお聞きすると、「25日~26日で田植えをしていますが、時間がなくて30日くらいになることも。苗丈も気にした方がいいのでしょうが、30日以内であれば問題ないですね」と石川さん。密苗だからと神経質にならずに、長年の勘も頼りにしながら実践されているようだ。「導入前は収量が減るのではないかと心配でしたが、10a当たりコシヒカリが6俵半~7俵(390〜420kg)。にじのきらめきが8俵半~9俵(510〜540kg)と、慣行と変わりません」と、手ごたえを感じてくださっている。

密苗×YR6Dで大幅な省力化に成功!

さらに、密苗導入と同時に購入された田植機「YR6D」も、作業効率の向上に貢献しているようで、「田植えと同時に肥料と除草剤を散布できるのが気に入っています。以前の田植機にはその機能が付いておらず、自分の手で散布していましたので大幅な省力化になりました」と石川さん。「また、以前は元肥の後に穂肥を散布していましたが、今は一発肥料を田植えの時に散布するだけです」続けて、「田植え時の浮き苗もほとんどありません。慣行時の方が浮き苗は多かったくらいです」と植付け精度も問題ないとのこと。また、田植え後の活着や分けつも問題なく、1年目から慣行と同じ収量がとれていると太鼓判をおしてくださった。密苗と田植機の性能アップで、課題だった労力軽減に成功したと高い評価をいただいた。

農業を長く続けるために密苗は画期的な技術

今後も密苗を継続していくと話す石川さんに、導入を検討している方へメッセージをいただいた。「密苗だからと特別なことは何もありません。作業工程などは慣行と全部同じです。もちろん、自然相手ですからうまくいかないこともありますが、それは慣行も同じ。あまり心配し過ぎないのが一番です」と密苗を導入することで得られるメリットを、多くの方に知ってもらいたいと考えてくださっている。
最後に、これからのことについてうかがうと、「密苗にしたことで省力化と低コスト化を実現できました。後継者がいないので先のことはわかりませんが、元気なうちはまだまだ続けられそうです」と、これからも精力的に農業へ取り組みたいと、意気込みを語ってくださった。

写真左から ヤンマー青木、石川さん、(有)小野田農機 小野田社長
写真左から ヤンマー青木、石川さん、(有)小野田農機 小野田社長

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