お客様事例紹介

株式会社タカギ様〈フィッシングボートEX31〉

株式会社タカギ

住所 : 福岡県北九州市

愛艇『Water Wave』 フィッシングボートEX31

建造造船所 : ヤンマー造船株式会社
全長・幅・深さ(m) : 9.49 × 2.75 × 1.42
総トン数 : 5.0G/T未満
最大搭載人員 : 10名
最大出力 : 279kW/3200min-1

笑顔と歓声にあふれた進水式記念クルーズ

「思っていたよりもスピードが速くてビックリしたなあ」「意外と上下の揺れが少なく、安心して楽しめたよ」。
雲ひとつない空の下、満面の笑みでこう話すのは、フィッシングボート「Water Wave」の進水式記念クルーズを終えたばかりの人々。桟橋を歩きながら、同船のスタイリッシュなシルエットを目に焼き付けんとばかりに何度も振り返り、また乗りたいと口をそろえる。
ここは北九州市の都心からほど近い、新門司地区に位置する新門司マリーナ。四季を通して穏やかな海洋条件に恵まれた瀬戸内海の周防灘に面しており、関門海峡を抜けると世界有数の漁場として知られる玄界灘が広がっている。まさに太公望垂涎のベースキャンプといえるだろう。
平成30年11月4日、その新門司マリーナを舞台にフィッシングボート、ヤンマーEX31の進水式を行ったのが、北九州市小倉南区に本社を構える株式会社タカギ。昭和36年の創業当時より続く金型事業のほか、家庭用の浄水器事業や散水用品事業が好調で、支店・事務所、ショールームは日本全国に展開している。同社はヤンマーEX31をフィッシングクラブの部活動用に、また社員の福利厚生に購入したという。進水式記念クルーズに招待したのも、同社の社員とその家族たちだ。
「当社は北九州にある伸び盛り企業として、いまや地元の魅力を積極的に発信していくべき存在だと自負しています。最高速度30ノット以上を誇るこの船に乗って、フィッシングクラブの部員をはじめ大勢の社員とその家族に、北九州の潮風を存分に感じてもらいたいと思っています」
晴れやかな笑顔で話すのは、同社の田中章太郎HI事業工場工場長。タカギフィッシングクラブの代表でもある。田中工場長によるとフィッシングボート購入が決まったのは、約1年前。田中氏が髙城寿雄会長に話を持ちかけたところ、「社員のみんなが喜ぶなら」とあっさり承諾されたとのこと。同社がホームページに掲げる設立の目的に「皆が楽しく働ける職場を提供する」とあるが、それを見事に体現したものといえるだろう。

製造加工業のプロが造船所を見て購入を決定

もともとヤンマー贔屓だった髙城会長の意向により、フィッシングボートはヤンマー製を購入することになる。髙城会長とヤンマーとの出会いは、今から約7年前、東日本大震災から数カ月が過ぎたあたりにまでさかのぼる。
きっかけとなった場所は、想定を超える大津波によって被災した岩手県普代村。その頃、ここでは和村村長(当時)が天変地異の再来に備え、高さ15.5mの普代水門を建設していたのだ。村民の命を守ろうとする和村氏の使命感の強さに感銘を受けた髙城会長は、監視船を寄贈しようと考えた。そこで相手の意向に応えるべく、できるだけ船足の速い漁船を探したところ、ピカイチの船に出くわした。それがヤンマー船であり、寄贈先からは走行性や操作性の高さが大いに喜ばれたという。こうした経験から今回もヤンマー船に決めたという。
さて、さっそくヤンマー船の販売先を探したところ、同社から比較的近いヤンマー特約店として株式会社日海商事にたどりつく。髙城会長と田中工場長、それに松尾耕作日海商事代表取締役の3人が協議した結果、かなり早い段階でヤンマーEX31に絞られたという。
「それでは実物を見てみようと大分県国東市のヤンマー造船へ行くことになったのですが、それがちょっとした騒ぎになったんです」と松尾社長。いわく、タカギのクラブ活動には、フィッシング部のほかに航空部があり、モーターグライダーや双発機を所有しているため、「ヤンマー造船が大分空港のすぐ傍らだとお伝えしたところ、双発機でお越しになるとおっしゃるので驚きました。ヤンマー造船でも『自家用飛行機でお見えになるお客様は初めてだ』と大いに話題をさらったのです」
当日はあいにくの悪天候で、自動車での訪問となった髙城会長と田中工場長。タカギはプラスチック中空成型機および金型の製造からスタートした企業だけに、2人はヤンマー造船内も熱心に見学した。その結果、安全で確実な作業風景に感心し、改めてヤンマーで購入しようという意思が固まったという。
その後は、松尾社長が何度もタカギ本社へ足を運び、EX31の特長や保管場所、保険の手続きなどについて懇切丁寧に説明され、契約はスムーズに完了した。

アクティブなフィッシングに ゆったりしたクルージングに

「この船を選んだ最大の理由は、10人まで乗れる大きさでした。これなら大切なお客様をご招待しても、ゆったりとくつろいでいただけます。もちろんフィッシングクラブでも大いに活用する予定。デッキも広いので、安心してキャスティングできるはずです。関門海峡の荒波にも負けない高出力ディーゼルエンジン、狙ったポイントへ迅速に移動できるハイスピードも魅力。また社員の家族が乗船する場合、子どもから高齢者まで幅広い年齢層が対象となりますが、低重心設計の安定した乗り心地が快適なクルージングにつながると思います」と田中工場長。
艤装については、平行移動しての離岸、接岸ができるようにスラスターを設置している。フィッシングボートに不可欠といえる魚群探知機ほかGPS、サーチライトも装備。近いうちにレーダーも設置する予定だ。今後、狙い目の獲物については、真鯛から青物まで言い出したらキリがないと目を輝かせる。
進水式後の記念クルーズには記者も乗船し、波を切って走る爽快感を堪能した。洋上で停泊中、ふと空を見上げると、そこには一機の双発機が翼をきらめかせる。こちらをめがけてきたと思うと、真上でくるりと旋回して飛び去っていった。「あれが当社、航空部の双発機です。自社の船から自社の飛行機を眺める体験は、ほかではめったにないと思います」と髙城会長は胸を張る。フィッシングクラブが釣り上げた大物を航空部が上空からパシャリと撮影する。そんな日がくるのもそう遠くはなさそうだ。

株式会社タカギ 髙城 寿雄 代表取締役 会長

「私は社員の力こそ、会社発展の原動力だと考えています。社員の力を引き出すには、楽しく働ける職場の提供が第一です。そのため福利厚生に力を入れており、フィッシング部や航空部のほか、現在は乗馬クラブ発足の準備中です。今日の進水式記念クルーズは、社員と家族の皆さんに大いに喜ばれました。今後も有効に活用していきたいですね」

6LY2-WSTの加速性と静粛性は、マリンレジャーの幅広い楽しみ方を提供してくれそうだという。

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