舶用エンジン - お知らせ

低燃費と高い耐久性を両立した船舶用エンジン EY33シリーズを開発

2016年07月26日
ヤンマー株式会社

<写真:船舶用エンジンEY33シリーズ>

ヤンマー株式会社(本社:大阪市、社長:山岡健人)は、低燃費と高い耐久性を両立したフラッグシップ機である船舶用エンジンEY33を開発、すでに発電用エンジン(補機関)は生産を開始しており、推進用エンジン(主機関)についても近々開発が完了する予定です。

当社は2000年より「Life Cycle Value(お客様の生涯価値評価)の向上」と「地球環境との調和」をコンセプトとした、低燃費で耐久性に優れたEYシリーズの開発に取り組んできました。

このたびラインアップが完成した、EY33シリーズは燃焼性能の最適化と、実用負荷域での性能向上により、当社従来機種に比べ約5%もの燃料消費量低減を達成した、EYシリーズの最高出力機です。

国際海事機構(IMO)の環境規制に適合するべく、NOx(窒素酸化物)とCO2(二酸化炭素)排出量も低減しており、主要部品の耐久性を向上することでメンテナンスインターバルを従来機種の8,000~12,000時間から12,000~15,000時間に延長可能としています。

ヤンマーはEYシリーズの提供を通じて、地球への環境負荷を低減するとともに、お客様生涯価値の提供をさらに加速してまいりますのでご期待ください。

1. EY33シリーズの特長

【低燃費化】

  • 3次元モデルによる最新のシミュレーション技術により、燃焼諸元を最適化。
  • ミラータイプカム※1と高圧力比対応過給機※2を組み合わせた、高圧ミラーサイクルシステムの採用により、NOxとCO2の排出量と燃料消費量の低減を実現。

【耐久性向上】

  • ピストンを上下2分割型構造とし、燃焼を直接受ける上部には合金鋼を採用。
  • ピストンリングの外周にはCPCコーティング※3を施し耐摩擦性、耐焼き付き性を向上。
  • シリンダライナの内面には保油性を高める独自の表面加工を施し、摩擦を低減。
  • 給排気弁には耐摩擦性、靭性、耐熱性に優れた新たな合金を採用。

【高出力化】

  • 補機関においてはピストンのストローク長を従来機種の380mmから440mmに拡大。
  • 主機関においては定格回転数を従来機種の620min-1から750min-1に増加。
  • 各部に対して構造解析を実施し、主体部と主要運動部の構造を最適化。

2. EY33シリーズ機関主要目

型式名 6EY33W 8EY33W 6EY33LW 8EY33LW
用途 主機関 補機関
定格出力 [kW] 3360 4500 3600 4800
定格回転数 [min-1] 750 720/750
シリンダ数 6 8 6 8
シリンダ径 x ストローク [mm] 330 x 440
平均有効圧力 [MPa] 2.38 2.66/2.55
使用燃料 船舶用重油, 船舶用低質重油

(注)主機関:船舶推進用機関、補機関:船内電源用発電機駆動用機関

  • ※1:吸気弁早閉じ形状を採用したカムシャフト
  • ※2:吸気弁早閉じによるシリンダ内の圧力低下を抑制するため、短い給気工程中に高圧で空気を送る装置
  • ※2:硬質クロームめっきに生成される微小な隙間にアルミナ粒子を複合させる技術

<ヤンマーについて>

1912年に大阪で創業したヤンマーは、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功しました。以来、産業用ディーゼルエンジンを事業の柱とし、さまざまな市場へ商品・サービス・ノウハウを融合したトータルソリューションを提供する総合産業機械メーカーです。小型エンジン、大型エンジン、農業機械・農業施設、建設機械、エネルギーシステム、マリン、工作機械・コンポーネントの7事業を有し、グローバルにビジネスを展開しています。

「自然と共生し、食料生産とエネルギー変換の分野でお客様の課題を解決するとともに、未来へつながる社会とより豊かな暮らしへの貢献」をミッションステートメントに掲げ、世界の「都市」「大地」「海」の事業フィールドで、資源循環型社会“A SUSTAINABLE FUTURE”実現への貢献を目指しています。

詳しくは、「ヤンマーについて」をご覧ください。

<注記>
お知らせに記載されている内容は、7月26日時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。

【報道関係者お問合せ先】

ヤンマーホールディングス株式会社
ブランド部コミュニケーション部 広報担当
E-mail: koho@yanmar.com

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