エネルギー - ニュースリリース
温泉廃熱を活用した小型ORC廃熱発電機を諏訪市に試験導入
2020年08月06日
ヤンマーホールディングス株式会社
ヤンマーホールディングス株式会社のグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム株式会社(本社:大阪市、社長:山本哲也、以下YES)は、温泉廃熱を利用した小型のオーガニックランキンサイクル式発電機(以下ORC発電機)を開発し、試験機を諏訪市のあやめ源湯へ設置しました。
ORC発電機は、水よりも沸点の低い媒体を活用することで、低温の蒸気や熱水を発電に利用でき、温泉熱や地熱などの有効活用の手法として注目されてきました。発電時には、これまで未利用であった工場廃熱や温泉熱などを活用するので、化石燃料由来のエネルギーと異なりCO2が発生しないため、地球温暖化防止の観点からも非常に有用なシステムとされています。
これまでもORC発電機は日本国内に限らず開発されてきましたが、地熱活用など大規模なものが多いため、導入先が限られ、また個別の対応が必要となることから、コスト高などの課題がありました。
YESはこれまで、より発電効率の高い商品など環境への負荷が低く、生活を豊かにできる商品づくりを続けており、近年ではトータルエネルギーソリューションとして持続可能な未来へ向けたエネルギーシステムの開発も実施してきました。その活動の一環として10kW未満のパッケージ化された小型のORC発電機を開発しました。パッケージ化することで施工性の向上や複数台設置が簡易にでき、案件ごとに最適な容量での提案ができます。日本国内には温泉を含め工場などでも小規模な熱源が多くあるため、それらを活用し、社会的にも経済的にも最適なソリューションをお客さまに提供することができます。
開発した小型ORC発電システムについて
【仕様】
システム方式:オーガニックランキンサイクル方式
定格出力:9.0kW (熱源90℃、冷却源20℃の場合)
大きさ:幅807mm × 奥行2,009mm × 高さ 1,675mm
【特徴】
・比較的低温(70℃~95℃程度)の廃熱から発電が可能。
・熱回収から系統連系に必要な機器をコンパクトに組込んだパッケージ発電機。
配管・配線接続のみで設置可能。
・10kw未満の超小型発電機だが、連結可能で柔軟に容量対応が可能。
諏訪市の実証事例について
今回納入した諏訪市では以前より、豊かな温泉資源を活用して家庭や共同浴場などへ温泉を給湯する事業を行っていますが、契約件数が年々減少傾向にあったことや、地域の資源を活用して地域への還元ができないかなど、温泉の新たな活用方法を模索していました。そうした中でYESの取り組みを知り、協議を重ねて、今回の温泉廃熱を活用した小型ORC発電の試験導入が実現しました。
設置場所:諏訪市 あやめ源湯
発電出力:8kw
想定発電量:約7万kWh/年
発電開始日:2020年8月4日
実証期間:1年間
保守管理:ヤンマーエネルギーシステム
<ヤンマーについて>
1912年に大阪で創業したヤンマーは、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功した産業機械メーカーです。「大地」「海」「都市」のフィールドで、産業用エンジンを軸に、アグリ、建機、マリン、エネルギーシステムなどの事業をグローバルに展開し、お客様の課題を解決するソリューションを提供しています。ヤンマーは“A SUSTAINABLE FUTURE-テクノロジーで、新しい豊かさへ。-”をブランドステートメントに掲げ、次の100年へ向けて持続可能な社会の実現に貢献していきます。
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【本件に関するお問い合わせ先】
ヤンマーエネルギーシステム株式会社
TEL:06-7636-1125 FAX:06-7636-0582
【報道関係者お問い合わせ先】
ヤンマーホールディングス株式会社
ブランド部コミュニケーション部 広報担当
E-mail: koho@yanmar.com