2019年1月、マルタイ福岡工場はヤンマーのEMSを導入、2年間のモニター運用を開始しました。約1年間の運用を通して、当初期待していた省エネ効果のほかに、思わぬ効果があることが分かりはじめました。
「福岡工場で導入した省エネ設備は、一定の省エネ効果を得ることができました。しかし、運用側の立場で言えば、まだまだ設備の性能を活かしきれていない、という思いがありました。そんな時にヤンマーさんからEMSのモニター運用の提案をいただきました」と伊藤さん。
「1年間のモニター運用で実感したメリットは、光熱費を年間で約100万円も削減できたことです。年間を通じてデマンド値とか、昼間のピーク電気需要の平準化を実現できたことが大きいです。これにより、電気需要のピークカットや、CO₂排出量も減らすことができました。
あと管理運用者の立場で言えば、各設備の自動運用による省テマメリットです。EMSが導入されるまでは、工場の屋上にある機械まで行って、その都度設定操作を行っていました。この作業が1日に2〜3回必要でした。人による運用管理ですので、夏は電気の負荷が高かったり、冬はガスコージェネの排熱を完全に使い切れてなかったり、やはり手動運用には限界があったと思います」と伊藤さん。
これまで管理者のノウハウに頼っていた省エネ設備の運用が、ヤンマーのEMSによって自動化されることで、よりきめ細やかな制御が可能になりました。また、日々の管理業務の軽減や、蓄積データを分析することで長期の運用計画にも活用できる、というメリットも分かりました。
■ヤンマーEMSの特長
①熱と電力の最適運用
前日に天気予報や料金情報などで最適運用計画を自動作成。当日は負荷状況により自動補正。「コスト」「エネルギー消費量」「CO₂排出量」の最適化モードを選択できる。
②「エネルギーの見える化」で情報の一元管理
エネルギーの利用状況や機器の運転状況をリアルタイムで把握できる。
③省エネルギーをサポート
デマンド制御機能やレポート集計機能、遠隔操作機能、運用データの活用など、多彩なサポート。
④ヤンマーが設備を所有するため、初期投資が不要。