お客様事例紹介

株式会社本部農場様〈バイオガスコージェネ〉

株式会社本部農場

会社紹介 : 株式会社本部農場
株式会社本部農場は、宮崎県のほぼ中央部の海岸沿いに位置する新富町で“牛にやさしい”酪農を実践する牧場です。平成22年に発生した口蹄疫の苦難を乗り越え、新牛舎建設時のバイオガス発電プラント の導入や、ICTの活用、育成牛の外部預託など、未来を見据えた新しいことにチャレンジ。そのチャレンジ経営は、「第47回全国酪農青年女性酪農発表大会(経営の部)」において「農林水産大臣賞」を受賞しています。
所在地 : 宮崎県児湯郡新富町大字新田13777-1
導入製品 : バイオガスコージェネレーションシステム24.5kW 2台
導入年月 : 2020年3月
メタン発酵原料 : 乳用牛ふん尿等
原料処理量:22t/日

稼働実績

運転時間 : 10,000h

発電電力量 : 10万kWh
稼働率 : 77%
※本稼働データは2021年3月までのデータです。
※発生ガスの全量を発電に利用しています。

生産性の向上に向けて。飼育規模の拡大による 「ふん尿処理」の課題

生産性の向上に取り組む本部農場は、新牛舎を建設し、乳牛の飼育頭数を120頭から250頭に拡大することを 計画しました。そこで大きな課題となったのが、増頭によるふん尿処理でした。これまで本部農場では、家畜のふん尿を堆肥化することで処理していました。しかし、ふん尿の堆肥化処理は、堆肥切り返し作業の手間や時間、燃料費等がかかり、大きな負担となっていました。
「現状でもふん尿処理に困っていたのに、増頭によって倍増するふん尿は大きな悩み事でした。そんな時にバイオガス発電プラント の提案をいただき、『やってみよう!』ということになりました」と本部社長。

<取材者紹介>
本部博久様
株式会社本部農場 代表取締役社長。「地域・社会に貢献できる循環型農業を実現します」を経営理念に、「消費者に顔の見える牛乳の提供」「健康な子牛の生産」「人・牛ともに幸せな酪農経営」を目指す。「食やしごと、いのちの大切さ」を学ぶ「酪農教育ファーム」認定牧場。

バイオガス発電プラント の導入で、省力化・コストダウンへ

バイオガス発電プラント とは、家畜のふん尿を嫌気発酵させ、発生するメタンガスで発電・エネルギー化する施設化する施設です。バイオガス発電プラント には、大きく5つのメリットがあります。
1. ふん尿処理の「労働負担の軽減」
2. バイオガス発電による売電収入や排熱の「エネルギー利用」
3. 肥料や雑草対策となるメタン発酵後の「消化液利用」
4. 発酵過程から生産した衛生的な再生敷料による「乳牛の罹患防止」
5. 適切なふん尿処理による「酪農の環境衛生向上」
「ふん尿処理作業が大きく軽減されたことが大きいですね。スタッフたちも『作業が楽になった』と喜んでいます。経営面でいえば、消化液利用による化学肥料の削減やバイオガス発電の売電収入など、農場のコストダウンにも役立っています。また、循環型農業を目指す当社の経営理念にも合致し、持続可能な社会にも貢献していると感じます」とバイオガス発電プラント のメリットを語る本部社長。

バイオガス発電の広がる、農業経営の可能性

本部農場では、ヤンマーのバイオガスコージェネレーションを導入。自然災害等非常災害に備えて「停電対応仕様」を選ばれました。 バイオガス発電システムで得られた電気を電力会社に売電し、熱はプラント内で発酵槽の加温等に利用しています。また、ふん尿処理過程で得られた消化液・再生敷料の利用は、コストダウンはもちろん、牛の衛生管理にも役立っています。
「導入して1年ほどですが、トラブルもなく順調に稼働しています。発電機の選定では海外製品もあったのですが、メンテナンスやトラブル対応の信頼性の高さで国内メーカーのヤンマーさんにお願いしました。酪農家にとって、ヤンマーさんはやっぱり安心できるメーカーですね」

本部農場では、ICTの活用やロボットなどを積極的に導入し、農場経営の効率化を行なっています。
「バイオガス発電の電気・熱を利用して、酪農とは違うハウス栽培に挑戦 したいです。本業の酪農では、現在の飼育頭数250頭を、さらに増やして、最終的には1,000頭にしたいです。そうなると、ますますバイオガス発電の発電量も大きくなるわけですから、そのエネルギーを使って、新しい農業のカタチに挑戦してみたいですね」と本部社長の夢は広がります。


本部農場の新しい取り組みをきっかけに、地域のいろいろな企業の輪が広がってきています。
「実は、本部農場の電気 ・熱を使ってハウス栽培をやりたい、という企業の話を頂いたりしています。私たちの活動が地域産業に貢献できるならば、とてもうれしいことですね」と本部社長は大きな手応えを感じているようでした。

今回のポイント

【課題】
①家畜のふん尿処理の労働負担と処理コストを軽減したい。
②酪農経営のコストダウンを図りたい。
③地域と社会に貢献できる循環型農業を目指したい。

【解決】
①バイオガス発電プラントの導入による、ふん尿処理の作業負担と処理コストの削減。
②バイオガス発電による売電収入と、熱利用によるプラント維持コストの低減。
③周辺地域への臭気対策及び、持続可能な社会への貢献。

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