お客様事例紹介

株式会社ライフコーポレーション 天保山プロセスセンター様〈バイオガスコージェネ〉

株式会社ライフコーポレーション 天保山プロセスセンター

会社紹介

株式会社ライフコーポレーションは、“おいしい” “ワクワク” “ハッピー”をお届けすることをモットーに、お客様に安全・安心な商品とサービスを提供し、環境問題や社会問題の解決にも取り組んでいるスーパーマーケットです。近年では、事業活動によって発生する環境負荷を低減し、循環型社会・脱炭素社会の実現を目指しています。

工場所在地:大阪府大阪市港区福崎2-3-48
導入製品:バイオガスコージェネレーションシステム25kW 2台(構内消費)24.5kW ×2台(FIT)
導入年月:2022年5月
メタン発酵原料:食品残さ・洗米水
食品廃棄(焼却処分)削減: 4,380t/年
CO2排出削減効果:5,672t/年(運搬及び焼却燃料から算出)

事業の継続拡大にともなう「食品廃棄物削減」の課題

食料品を扱うスーパーマーケットは、大量の食品残さ(食品廃棄物)が発生します。これまでライフコーポレーションでは、廃棄物処理業者に委託して処理を行っていましたが、事業を拡大していくなかで大きな課題に直面していました。
「一つは食品残さの処理費用の増加と、もう一つは廃棄物の受け入れ先の枯渇です。課題の解決には、食品廃棄量を削減するしかありませんでした」と米谷さん。ライフコーポレーションは、環境への負荷低減のアクションプランとして「2030年に、売上当たり最終食品廃棄量の半減(2017年度比)と、CO2排出量を半減(2013年度比)させる」という目標を掲げています。

<取材者紹介>
株式会社ライフコーポレーション
近畿圏物流部 部長 兼 近畿圏PC・物流本部 担当部長
米谷 淳二様

食品残さの削減と、エネルギーをつくる「天保山バイオガス発電設備」

ライフコーポレーションは、食品廃棄物削減の課題解決のために「天保山バイオガス発電設備」を建設、2022年5月よりバイオガス発電を行っています。当施設は、1日12t、年間約4,380トンの食品残さからバイオガスを発生させ、4台の ヤンマー製バイオガスコージェネレーション(発電出力25kW/FIT利用は24.5kW)で発電。年間の発電量は、一般家庭約160世帯分の約70万kWhになり、小売業では日本最大規模を誇ります。

「食品残さを発酵させ、発生したガスで発電する。食品残さは発酵の過程で減量されます。実は、バイオガス発電の仕組みはとてもシンプルで、運用も難しくはありません。発電を行うコージェネレーションは、ヤンマーさんの保守契約『YESパートナー』で全てお任せしています」と米谷さん。

バイオガスコージェネレーションシステム

バイオガス発電設備

バイオガス発電のプロセス

  1. バイオガスの原料は、南港プロセスセンターから出る食品残さ(キャベツの芯やパイナップルの皮など)と、天保山プロセスセンターから出る食品残さを使用。メタン発酵のための加水には洗米水を活用。
  2. 原料をバイオガス発酵槽に投入し、約35日の発酵期間を経てバイオガスを生成。発酵槽は、バイオガスコージェネレーションの温水で温度管理。
  3. バイオガスを燃料にバイオガスコージェネレーション4台で発電。2台は自家消費電力として使用し、2台はFIT(固定価格買取制度)売電。カーボンニュートラルな再生可能エネルギーで発電された電力は、FITによって39円/kWhで売電され、システム運用のランニングコスト削減に貢献。
  4. 発酵を終えた原料(消化液)は、消化液処理設備で基準内に浄化してから「処理水」として下水道放流、余剰汚泥は「脱水汚泥」として廃棄物処理。廃棄物の排出量は、原料(食品残さ)と比べて、90%の削減を実現。
発酵槽と消化液処理設備

廃棄物排出量は、投入した食品残さの約1/10に

環境と経営の好循環を生み出すバイオガス発電

「食品廃棄物の削減」からはじまったバイオガス発電の取り組みは、「廃棄物処理費の削減」「売電収入」という経営上のメリットだけでなく、CO2削減という環境面においても大きなメリットを生み出しました。
「民間企業ですから『経営的にも持続可能な取り組みである』ことが大切。バイオガス発電は、適切な投資で運営して、経常利益もプラスを維持しています。CO2も削減できるのでSDGsにも貢献できる。本当に弱点の少ないシステムだと思っています」と米谷さん。

今回のライフコーポレーションの取り組みは、さまざまな団体や業界に注目されています。「弊社では『この取り組みは競合ではなく、協調領域である』という認識のもと、廃棄物処理やエネルギーのことなど、包み隠さずお伝えてしています」と、米谷さんはライフの企業姿勢を語っていただきました。

<受賞>

  • 「サステナアワード2022伝えたい日本の“サステナブル”」で『脱炭素賞』を受賞。
  • 「令和5年度 新エネ大賞」導入活動部門で『新エネルギー財団会長賞』を受賞。
  • 「令和5年度おおさか環境賞」事業者活動部門で『大賞』を受賞。

今回のポイント

【課題】
① 食品残さ(食品廃棄物)を削減したい
② 廃棄物処理コストを削減したい
③ CO2を削減したい。

【解決】
① 野菜系食品残さと、洗米水を有効活用。最終廃棄物を1/10に削減。
② バイオガス発電によるFIT売電と廃熱利用により、運営の収益化。廃棄物減量による処理費のコストダウン。
③ 食品残さを原料とするバイオガス発電でCO2を削減。

ライフコーポレーションの環境方針より:当社のCO2排出量のうち93%は電力使用によるものです。まずは自助努力による省エネ・創エネを優先的かつ最大限に取組み、そのうえで不足部分については、再生可能エネルギーを調達することで、当社全体のCO2排出量の削減を図ります。

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