お客様事例紹介

株式会社 藤枝農産加工所様〈バイオガスコージェネ〉

株式会社 藤枝農産加工所

会社紹介

昭和18年に創業した株式会社 藤枝農産加工所は、地元農産物の加工保存食を製造。現在では、大手加工食品メーカーのOEM商品を中心に生産を行なっています。同社では、食品製造において「安全・衛生」に配慮した品質管理の徹底に取り組んでいます。また、早くから「環境への配慮」を企業理念として掲げ、省エネ・省資源・ CO2の削減など、地球環境負荷の軽減活動を展開。「エコアクション21」「SDGs」など、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

工場所在地:静岡県藤枝市堀之内825-1
導入製品:バイオガスコージェネレーションシステム 25kW 1台
導入年月:2022年6月
メタン発酵原料:シロップ排水
バイオガス発生量(発電利用): 500m3/日(150m3/日)
排水処理量(処理原水): 45ton/日

稼働予定

年間運転時間:5,475時間
CO2排出削減効果(発電由来):61ton/年

食品排水をバイオガス資源としてエネルギー活用

食品製造工場では、製造過程において食品排水が発生します。放流基準以下になるよう適切な処理をして放流するため、排水処理に多くの費用とエネルギーを必要とし環境負荷軽減の観点からも大きな課題となっています。

環境意識の高い藤枝農産加工所様では、2010年に本社工場を建設した時、「経営の合理化」と「環境負荷軽減」を目的として、食品排水を活用するためのバイオガス設備を導入。バイオガス設備で発生させたメタンガスをボイラーの燃料として利用していました。
今回のバイオマスの能力を増強し、発電機を設置する工事では、排水処理メーカーのエイブル様とヤンマーの共同提案でバイオガス発電の導入をしていただき、さらに能力アップしたバイオガス設備と、新たに導入したヤンマーのバイオガスコージェネレーションシステムが稼働を始めました。

「新工場の建設にあたり、バイオガス設備を1.5倍に増強しました。そのタイミングでボイラーを大きくすることも検討したのですが、環境負荷の少ない“電気と熱”を作れるバイオガスコージェネを導入することにしました」と牧野社長。

牧野 恭三様写真

プロフィール

牧野 恭三様
株式会社藤枝農産加工所 代表取締役社長。食品製造にかかわる企業として、「環境への配慮」を企業理念に掲げ、「エコアクション21」の取得(EA21認証・登録番号:0009401)や、「SDGs」にも積極的に取り組まれている。

  • エコアクション21は、環境省が定めた環境経営システムに関する第三者認証・登録制度。

新工場の建設で、バイオガス設備の拡充とバイオガスコージェネを導入

製造過程で排出されるシロップは、製造工程を終えた後に廃棄処分していました。大量の廃シロップを井戸水で希釈、放流基準をクリアさせてから公共下水道に排水を行っていました。しかし、今回の新工場の稼働により、廃シロップの量が大幅に増加し、放流基準のクリアが難しくなることが予測されました。

「新工場の廃シロップは、バイオガス設備でメタン発酵を行う過程で発生するメタンガスを燃料に、バイオガスコージェネで「電気と温水」を作って活用しています。今回のバイオガス設備の拡充とバイオガスコージェネの導入によって、「①電気代」「②ボイラー燃料費」「③井戸水使用量」「④下水道代」の削減を図ることができました。環境面においても、バイオガス発電電力を自家消費することで電力量削減と合わせてCO2削減にも貢献できるようになりました」と牧野社長。

排水処理バイオガスプラント

  1. 廃シロップ処理に必要な「井戸水使用量を1/2以下」に
  2. 公共下水道への「排水を1/2以下」に
  3. 生成したメタンガスを燃料として利用
拡充されたバイオガス設備

バイオガスコージェネレーションシステム

環境活動を起点に、経営の好循環を生み出す

工場の前に立つ牧野社長

環境に対する取り組みは、“環境負荷の削減”だけではなく、エネルギー価格の高騰による“エネルギーコストの削減”においても、大きなメリットが出てきています。藤枝農産加工所様の試算では、一般的な同規模工場と比べて、約25%程度のエネルギーコストを削減できるそうです。
「エコアクション21」や「SDGs」といった環境活動は、ムダを無くしていく活動ともいえます。ムダを無くせばCO2も減らすことができ、利益へとつながっていく。企業経営においても好循環を生み出しています。
「製造業の義務として、少しでも資源を大事にしたい。廃棄物をエネルギーに変えたり、工場排水の熱を回収したり、少しでも環境に優しい工場になるよう工夫を積み重ねていきたいです」と、牧野社長は「環境経営」への思いを語っていただきました。

今回のポイント

【課題】

  1. CO2の削減とSDGsの目標に向けて、環境にやさしい生産活動を行いたい。
  2. 製造工程で発生する廃シロップを有効活用したい。
  3. エネルギー使用量を削減し、コストダウンを図りたい。
  4. 廃シロップの処理費を削減したい。

【解決】

  1. 廃シロップを有効活用し、環境負荷を削減。
  2. 廃シロップをバイオガスに変換。
  3. バイオガスコージェネの「電気と熱」を生産活動に利用。
  4. バイオガス設備で廃棄量を削減。

【SDGs】

藤枝農産加工所様の環境目標より:環境に優しい工場を目指し、資源(資材、水、電気、蒸気、エアー)の無駄を最小限にし、リサイクル(分別廃棄)の徹底をし、社会に貢献します。

7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

12:つくる責任 つかう責任

13:気候変動に具体的な対策を

15:陸の豊かさも守ろう

チャート図

チャート図

株式会社エイブル

株式会社エイブルは、排水処理設備及び用水に関する“水処理”のプロフェッショナル。
エイブルが独自開発した「メタン発酵排水処理システム」は、従来のメタン発酵処理で限られていた適用範囲を大幅に改善し、ほとんどの食品工場などで適用を実現しました。

  • 食品・化学・製薬など、多くの工場の排水処理におけるBOD/COD除去
  • 排水からのエネルギー回収による節電・発電及びCO2削減

株式会社エイブル

主な業務:用水及び排水処理設備の設計・施工・管理

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