ジョンディア自走式スプレイヤーJD-R4140i・JD-R4150i
- ※写真は海外仕様につき、日本仕様とは異なります。
大規模ほ場での長時間にわたる散布作業に、数々の機能で応える自走式スプレイヤー
自動レベリングシステム装備のブームで、正確な散布作業を行います。広い視界性でゆとりのあるキャビンでの作業環境は、長時間作業の疲労を軽減。さらに自動操舵、セクションコントロールを装備することで、より効率良く、正確な作業を可能にします。
ブーム
自動レベリングシステムを装備したブームは、5つのセンサーにより設定高さを維持し、正確な散布作業を実現します。
ブーム長さは、24・27・28・30・32・33・36mの7種類から選択できます。
- ※ブーム24mのセンサーは3つです。
自動レベリングシステム:3つの操作モード
作業条件に合わせて、3つのモードから選択できます。
①地表モード
土壌処理や発芽したばかりで作物が短いときに、センサーは作物を無視し、地表からの高さを維持します。
②作物モード
センサーは作物の高さを検知し、設定高さを維持します。作物高さが一定でない場合はこのモードは推奨しません。
③ハイブリッドモード
センサーは、作物と地表からの高さを検知し、仮想作物高さを算出。設定高さを維持します。
枕地や散布幅を低くしての散布
<枕地モード>
多機能レバーの散布スイッチを「切」したとき、またはセクションコントロールですべて「切」になったとき、枕地モードが働き、ブームは自動で上昇します。散布が開始されたら、ブームは設定高さに自動で移動します。
<散布幅の減少>
外側ブームを折畳み、作業幅を減少させて作業する場合でも、外側ブームに装備されているブーム高さセンサーは自動的に「切」となり(ブーム長さ27m以上)、自動レベリングシステムを使用して作業できます。
ブーム制御方式
<振り子式センターフレーム>
ブームのピボットポイント(回転中心点)は中央フレームの上部に配置。ブームチルト油圧シリンダーも装備されており、傾斜を散布する際でも、ブームをほ場に対し常に水平に保ち、各エリア当たりの散布量を一定にします。
センターフレームには、振り子システムを補助する2つの圧縮スプリングを装備。このスプリングにより、傾斜に対し、より正確にブームを追従させます。
<ブームサスペンション>
ブームの前後方向のピボットポイントは、振り子システムの下部にあります。ブームに前後方向の動きが発生した場合、装備されているダンパーにより、ピボットポイントに発生した動きを吸収します。
ノズル
ノズルボディには、2つの電磁ソレノイドを装備。噴霧制御はパルス式で、1つのソレノイドにより毎秒15回のノズル開閉(15Hz)が行えます。
この15Hzのサイクルは、4つの段階(25・50・75・100%)があり、散布速度に応じて変化します。
例えば散布量:240L/ha、散布圧力:3barの場合、作業速度が最大8km/hまでは、速度が変化しても設定した散布量を維持し、散布圧力も変わらずドリフトリスクを最小化します。
- ※ノズルは、ジョンディア社純正、またはISO規格に準拠したノズルから選択できます。
作業速度とノズル散布量イメージ図
個別ノズルコントロール
ノズルボディに装備された電磁ソレノイドは、CAN Busでコントローラと接続されています。コントローラからの指示により、ノズルは個別に散布の「入」「切」を行うことができます。これにより、2重散布や散布漏れを最小限にし、薬剤コストの低減と均一散布を実現します。
旋回散布補正
旋回しながらの散布は、ブームの内側と外側で移動速度が異なるため、均一散布を行うためには、ブームのノズル位置により散布量を変化させる必要があります。ノズルごとのパルス制御により、ブーム内側では散布量を減らし、ブーム外側では散布量を増やします。
流量システム&流量・圧力制御モード
散布システムには、流量センサーと圧力センサーが装備されており、散布状態に応じて、自動で流量制御と圧力制御を切り替え、設定した散布量を維持します。また、流量・圧力クロスチェック機能では、流量と圧力センサーからの流量値が一定値を超えると、警告を発します。例えば、ノズルの詰まりや摩耗を警告で知ることができます。
制御モード | 流量 | ノズル摩耗 | 薬液密度 変化影響 |
ノズル詰り | 流量変更時 の応答速度 |
センサーの汚れ /摩耗リスク |
水滴サイズ制御 | 設定の簡単さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
圧力制御 | 計算値 | △ 影響あり |
△ 影響あり |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ ノズル種類・ 散布量 |
流量制御 | 実側値 | 〇 | 〇 | △ 正常ノズルで 散布増 |
△ 遅い |
△ 清掃、較正 |
△ 制御不可 |
△ 散布量 |
薬剤タンク
容量50Lの薬剤タンクは、薬剤投入がしやすく、タイヤからの泥がかかりにくい位置に配置しています。薬剤投入時は、低い位置に薬剤タンクを配置でき、楽に薬剤を投入できます。また、リンスヘッドを搭載しており、薬剤容器の中をきれいに洗浄し、無駄なく薬剤を使用することができます。
給水
この散布システムは、給水用と散布用の2つの回路から構成されており、それぞれの回路にポンプを個別に装備しています。2つの回路が交わり、汚れが発生することはありません。
●給水用ポンプ:1200L/分、散布用ポンプ:1000L/分
(給水時間は5分以下と短時間での給水が可能)
型式 | 溶液タンク | 給水時間 |
---|---|---|
JD-R4140i | 4000L | 3分24秒 |
JD-R4150i | 5000L | 4分12秒 |
タンクレベルセンサー
溶液タンクの下面には、タンクレベルセンサー(圧力センサー)を装備。タンク内の溶液量を計測します。タンクレベルセンサーにより、以下の表示をキャビン内のディスプレイに表示します。
- 現在のタンク内量(L)
- 散布可能面積(ha)
:タンク内量と散布量から散布可能面積を算出 - 散布作業面積(ha)
- 総散布量(L)
また、洗浄タンクにもタンク内の量を計測する圧力センサーを装備。洗浄工程時に、有効に洗浄水を使用することができます。 溶液タンクと洗浄タンク内の量は、キャビン内または、オペレータステーションのディスプレイで確認できます。
コマンドシステム
オペレータステーションには、デジタルディスプレイを備えたコマンドシステムがあります。コマンドシステムでは、各スイッチに自動化された機能が割り当てされており、誤作動防止と作業時間削減を実現します。
<利用可能な機能例>
- 溶液タンクへの給水
- 薬剤タンクから溶液タンクへの薬剤投入
- 溶液タンク内の攪拌
- 洗浄
- 洗浄ガンの使用
キャビン
シートからは約360度の視界が広がります。キャビンを本機中央に配置することで、フロントタイヤがよく見え、ほ場へ入るときやうねに入るときに作物の損傷を最小限にすることができます。
コマンドアーム
コマンドアームを採用し、作業で必要な操作レバー、スイッチ、4640ディプレイを標準装備。ひじ掛けに腕を置いたまま作業を行うことができ、長時間の作業でも疲労を軽減できます。
多機能レバー
多機能レバーには、作業で必要となる操作を集約。作業中、レバー1本であらゆる操作が可能となります。また、オペレータの好みに応じて、スイッチに機能の割り当てができます。
<操作可能な機能>
走行速度調整、ブーム操作、散布「入/切」、エンジン回転調整、移動走行モード「入/切」、乗降ステップの操作、駐車ブレーキ「入/切」、ステアリングモード切替、自動操舵「入/切」、緊急停止 など
プレミアムラジオ
Bluetoothに対応したラジオです。スマートフォンと接続することで好きな音楽、ラジオを楽しむことができます。
AM:531~1602kHz
FM:87.5~108MHz
ディスプレイ
コマンドアームには4640ディスプレイと、右コーナーポストにはプライマリーディスプレイを標準装備。本機状態や設定変更が簡単に行えます。
タイヤ/トレッド
タイヤは下記の種類から選択できます。
タイヤサイズ | トレッド調整幅 | 備考 |
---|---|---|
380/90R46 | 1.95~2.63m | トランスミッションの種類、ブーム幅により装備できるタイヤが限られます。 |
480/80R46 | 2.05~2.73m | |
520/85R42 | 2.07~2.75m | |
620/70R38 | 2.18~2.86m |
油圧トレッド調整
油圧トレッド調整機能(オプション)を装備することで、キャビンの中からトレッド調整が可能です。
ステアリング
ステアリングモード
作業用途に応じて、キャビンの中に座ったまま4種類のステアリングモードから選択できます。枕地では、4輪操舵を使用することで、作物へのダメージを最小限にできます。
ホイールサスペンション
自動エアスプリングレベリングシステムの採用により、最適な乗り心地と本機の安定性を向上させます。サスペンションは上下に±100mm(計200mm)の稼働幅を持ちます。高速作業でも本機の高さ変動を安定させることで、ブーム高さを一定に保ち、高精度な散布作業を実現します。
スマート装置
ジョンディアStarFireレシーバ(オプション)を装備することで、自動操舵およびセクションコントロールを使用できます。
- ※セクションコントロールは1年ごとの使用料の購入が必要となります。
オートトラック
自動操舵に対応した油圧式の操舵装置が組み込まれています。オプションのレシーバと解除コードを購入することで自動操舵を使用することができます。
レシーバ
3種類の精度から選択できます。
SF1 : 精度±15㎝
SF3 : 精度±3㎝
RTK : 精度±2.5㎝
ディスプレイ
標準装備の4640ディスプレイで自動操舵やセクションコントロールを使用することができます。
その他の機能(オプション)
リヤカメラ
作業服ボックス
アナログ残量計(薬液タンク)
ストレーナ付き給水ホース(9m)
洗車用ホールリール・ブラシ
手洗いタンク(20L)
主要諸元
名称 | ジョンディア 自走式スプレイヤー | ||
---|---|---|---|
販売型式名 | JD-R4140i | JD-R4150i | |
機体寸法 | 全長(mm) | 9100 | |
全幅(mm) | 3000 | ||
全高(mm) ※レシーバ無し | 3700 | ||
最低地上高(mm) | 1040 | ||
機体質量(kg)※各タンクは空の状態 | 11500~11900 | ||
エンジン | 型式名 | 6068HN073 | |
種類 | 水冷4サイクル6気筒直噴ディーゼル | ||
総排気量(L) | 6.8 | ||
定格出力/回転速度(kW{PS}/rpm) | 179{240}/2100 | ||
最大出力(kW{PS}) | 188{252} | ||
使用燃料 | 軽油 | ||
燃料タンク容量(L) | 290 | ||
尿素タンク容量(L) | 21 | ||
走行部 | トランスミッション種類 | ハイドロスタティック | |
タイヤ | 380/90R46 | ||
軸距(mm) | 3925 | ||
トレッド幅(mm) | 1950~2630 | ||
走行速度(km/h) | 0~40.0 | ||
最小旋回半径(mm) | 5320 | ||
散布装置 | ブーム幅(mm) | 24000~36000 | |
ノズル数(個) | 48~72 | ||
溶液タンク(L) | 4000 | 5000 | |
薬剤タンク(L) | 40 | ||
洗浄タンク(L) | 400 | ||
給水ポンプ(L/分) | 1200 | ||
散布ポンプ(L/分) | 1000 |
- ※この自走式スプレイヤーはオフロード車両となりますので、公道走行はできません。
- ※諸元は改良などにより予告なく変更することがあります。
- ※この主要諸元はジョンディア社の情報に基づくものであり、実測値と異なる場合があります。