有限会社喜多村アグリ
取締役
喜多村 浩嗣様
久世 哲也様
- 地域 : 三重県松阪市
- 掲載年 : 2021年
- 作物・作業 : 水稲/麦/大豆
- 密苗実証面積 : 30ha
有限会社喜多村アグリ
取締役
三重県松阪市の有限会社喜多村アグリは、約100haのほ場で水稲を栽培されており、繁忙期は、1日に約2.5haもの田植えを行うという。密苗は、時間短縮と作業軽減を目的に2018年に導入され、10aからスタートされた。そしてその年、密苗が慣行苗よりも収穫量を上げたことで、2019年に15ha、2020年には6条植えの密苗田植機を購入して30haへと密苗栽培を広げられた。「慣行苗では10a当たり15〜17枚で植えていたところ、密苗では8〜9枚まで減らすことができました」と、喜多村さんは10a当たり7~8枚の育苗箱削減に効果があったことを語ってくださった。
密苗のメリットをうかがうと、「省力化ですね。人手が少なくて済むようになりました」と久世さん。これまでオペーレーター1人、補助者1人、苗運搬1人の3人で行っていた作業が、密苗なら2人で作業ができるようになったという。「苗継ぎの回数が減ったので、効率よく作業がすすめられるようになりました。とくに苗運搬の回数が減ったことが良かったことですね。慣行苗なら1日に2回、3回往復しなければならないところが、密苗にすると1回で済みます。手が空いた分、別のほ場の作業に回ることができ、作業の効率が良くなったと思います」と密苗の効果を実感いただいた。「従業員からも、作業が楽になるので、できる限り密苗で植えてほしい!という声が上がっています」と笑顔のお2人。
また密苗にしたことで、お米の品質が上がったそうだ。「収穫が終わってから気が付いたことなのですが、密苗にしてから倒伏しにくくなりました。なにより米がきれいです。分けつがすごくて、刈った後の株を見ると大きく、慣行苗と比較しても全く株張りが違うことがわかります」。植付直後の密苗は、苗が小さくて心配されたようだが、10日間もすると慣行苗と変わらなくなり、その後の生育も順調だったそうだ。また、密苗田植機の植付精度も良く、お2人からは、「苗が短くても真っすぐ立っていて、きれいでした」と評価いただけた。
この地域では、5月になると水温が上がってジャンボタニシが発生し、苗が食べられてしまうことが多いそうだ。そこで喜多村さんは、深水をせず地を固めるようにして水を少なめにすることで、ジャンボタニシが動きにくい環境をつくる工夫をされている。
密苗田植機に対しては、「植付けた苗が前傾になることなく、きれいに植えることができるので、すごく助かっています」と太鼓判を押してくださった。
他に困ったことがあった場合も、「ヤンマーさんはすぐに来てもらえるので対応が良いと思います」と喜多村さん。久世さんも「とても満足しています!」とお2人声を揃えて、嬉しいお言葉をいただけた。
今後も密苗を継続していきたいという喜多村さん。「密苗に加えて、無代かきと乾直を導入する予定です。苗の量も減らしていき、さらに省力化を目指して頑張っていきたいと思います」と意気込みを語ってくださった。
栽培のポイントやよくあるご質問など、初めて導入する方にもこれまで経験のある方にも役立つ情報をご紹介
4~8条まで、密苗にベストマッチな田植機