有限会社泰栄農研
代表取締役社長
柴田 泰利様
- 地域 : 富山県砺波市
- 作物・作業 : キャベツ
有限会社泰栄農研
代表取締役社長
加工用野菜として人気の高いキャベツは、重量野菜であることから、収穫作業の重労働がネックとなり規模拡大がなかなか進みにくい野菜でもある。
そんな状況に機械化を通して果敢に挑戦するのは有限会社泰栄農研代表取締役社長の柴田泰利氏。柴田氏は静岡県の大学を卒業後、後継者となるべくUターン。地元の温泉水を使った〈庄川おんせん野菜〉プロジェクトを立ち上げるなど、パワフルに活動している。そんな柴田氏に、新しく導入されたヤンマーキャベツ収穫機HC1400についてお話をうかがった。
同社の経営内容は、「水稲…種子/約40ha、飼料米/約10ha、大豆/16ha」「野菜…キャベツ/約6ha、トウモロコシ/約6ha、かぶ/約2ha」などのほか、特産のかぶら寿しなどの加工も行う。
まず気になるのがHC1400の導入理由だ。「去年はキャベツを約10ha作付けして、私たちと常勤・パートを含めて10~15名が手作業で収穫しました。でも重量野菜なんで、面積が増えると体が大変になってくるんです。パートには定年を終えられた方々にお願いしているので、少しでも作業が楽にならないか…と考えていました」。きっかけは、従業員に永く働いてもらうための配慮。つまり労力軽減だった。そんなときに知ったのがHC1400だ。「すぐに実演機を借りてみんなで使ってみたら『けっこう体が楽になるんで、良いんじゃないか!』ということになって導入を決めました」と、柴田氏。労力軽減に加え、省力化にも期待がふくらんだ。
導入後、その効果はすぐに見えてきた。
「今までは全員で収穫して、その後選別していたんですが、機械を入れることで収穫と選別が同時にできるようになりました」と、喜ぶ。全体の作業人数は同じでも、処理能力が上がったため人員を収穫と選別に分散させることが可能になったのだ。「少ない人数で収穫できるようになったのが大きなメリットですね。それに腰もそんなに痛くなくなり体への負担が減ったと、皆も実感しています」。気になる処理能力についてうかがうと「これまでは1日に約4tだったのが、6tぐらい処理しても体にまだ余裕があるようになった感じです」。いきなりの処理能力1.5倍はすごい。さらに、HC1400の導入で、十分効率的に動けるようになったという。
「鉄コンでの回収も、今までは1基しか持っていけなかったのが、導入後は2基になり、搬送の効率化につながりました。収穫作業も、今まで10人だったのが、最低2~4、5人ぐらい、つまり半分以下の人数で行えるようになりました。やはりそこは大きなメリットだと思っています」。
労力軽減と省力化、効率化に一定の効果を実感した今、柴田氏が、新たに考えることは作業のさらなる効率化だ。
「1年を通じてなるべく長く出荷し、機械の稼働時間を増やしていきたい。そのために一番重要なのは効率化だと思っています。今より少しでも効率を上げて、生産性を伸ばしていけば、1人当たりの給料も上げられる。すると農業がもっと魅力的になって、若い人もどんどん入ってきてくれるかもしれない。そうなればこの地域も草だらけでなく、次の世代につないでいける。今後はそういうところも頑張っていきたい」。さすが、自社の未来だけでなく、地域の未来を考える地域のリーダーだ。
「今年は天候が悪くて、作付面積を伸ばせなかったんですけど…」と、悔しがる柴田氏。高齢化が進む今後をにらみ「地域で引き受けなければならない面積も増えてくると思うので、(積極的に)規模拡大をしていきたい」と、決意も新たに語ってくれた。
今後も、従業員の皆さんと共にHC1400をフルに使いこなし、規模拡大に地域活性に邁進してくれるだろう。
加工・業務用キャベツの労力軽減&規模拡大に貢献