新井 竹主様・敏郎様
- 地域 : 埼玉県熊谷市
- 作物・作業 : ねぎ
埼玉県熊谷市でねぎを約80a、ヤマトイモ1.2ha、にんじん30~40a等を栽培されている新井竹主さん。現在、ご本人とご子息の敏郎さんに、パートを加えた4~5名体制で作業を行う。
新井さんのHL1導入は、ヤンマーアグリジャパン(株)関東甲信越カンパニー妻沼支店・稲村昇主任の提案から始まった。
「もう彼が、本当によく来るんでねぇ(笑)」この一言と表情で、新井さんと同担当との、信頼関係の厚さがうかがえる。その後、展示会で実機をご覧いただき、今年の3月、持ち込み実演でご使用いただいた。「実演機を借りたから、買わないわけにいかなくなっちゃってね(笑)」。ほ場がさらに大きな笑い声に包まれる。
まずは和やかな雰囲気のなか、同機の導入の決め手をうかがうと、「この機械なら収穫のときに腰が痛くない。それが決め手ですね」と、しみじみ語る竹主さん。そして敏郎さんは「この機械があれば、家で調製・出荷作業をしているときも、1人で収穫ができる」と、機械化による仕事の変化を強調する。実際にこちらでは、同機が入ってから収穫・出荷作業の体系が大きく変わったという。
まずは、先にも述べた労力軽減だ。
「とにかく腰や体が楽になりました。やっぱりこれは大きいですね」。従来のトラクターによる収穫体系では、トラクター+作業機でねぎのうねを崩し、手で抜いて泥を落とし、ほ場に並べ、それを結束する。トラクターを使ったうね崩し作業以外は、腰をかがめて行うきつい作業だった。
次に、作業全体の人や時間の使い方に変化が現れた。ほ場での人員を減らし、調製・出荷にあてるようにしたことだ。
「これまでは全員で収穫して、それを持って帰って、全員で調製・出荷をしていました」と、敏郎さんが話せば「そりゃ、収穫作業をしながら一方で調製作業をするなんて、考えられなかった」と、竹主さん。これは経営的に大きな変革だ。口には出されないが、トータルの作業時間が減ることで、人件費を減らしたり、人員をほかの仕事に振り替えたりということもできるはずだ。
もともとお2人は、省力化や労力軽減には熱心で、様々な工夫を凝らしておられる。通常、収穫後の運搬作業は、トラックの荷台に結束したねぎを置いていくのだが、新井さんの場合は、ヤンマーの運搬車MC150LDを使い、運搬車の荷台の上にパレットを乗せ、その上に結束したねぎを置いている。持ち帰ったねぎをフォークリフトで荷降ろしができるようにしているのだ。小さなこととは言え、1回に約60束も積むため、省力化や労力軽減につながっている。
そしてもうひとつの変化は、出荷量の拡大(=増収)だ。これはプロ農家として何よりうれしい。
まだ導入して時間も経っておらず、具体的に語る時期ではないため控えめな表現ではあるものの、出荷量は確実に増えているという。今後の規模拡大についても「これからは作付面積も、多少は増やせるかな」と、お2人とも前向きに見通しておられる。
「機械があると相場が高いときに即対応できるし、翌日の天気予報が良くないときなんかは、前もって掘っておくこともできる」と、竹主さん。さすが、産地をけん引してきたプロ農家だ。
新井さんは、ねぎとは別にヤマトイモも栽培しておられるが、今年、ヤマトイモの収穫がピークを迎えたとき、その出荷に追われ、ねぎの収穫を一時中断されたことがあった。もしそのとき、ねぎの相場が高かったら目も当てられないことになる。しかし、HL1を導入された今であれば、ヤマトイモとねぎの両方を出荷することも、可能になるかもしれない。今後はHL1を収穫スケジュールにうまく組み入れ、規模拡大・増収につなげていただきたい。
ねぎ栽培の規模拡大に向け収穫時間を大幅に短縮!