お客様事例紹介

個人専業農家 中川 一男様〈密苗〉

個人専業農家

中川 一男様

  • 地域 : 滋賀県近江八幡市
  • 作物・作業 : 水稲(17ha)
  • 密苗実証面積 : 28a
  • その他 : 鉄コーティング直播栽培

密苗の成功率を上げるため播種と育苗を委託。長年の経験と新技術で近江米の未来を切り拓く

「みずかがみ」などの近江米を丹念に栽培。育苗・運搬作業を省力化したかった!

中川さんは滋賀県近江八幡市で水稲を中心に転作で麦・大豆を栽培しておられる。大豆は種子大豆を中心に、一般大豆は契約栽培を実施しているという。米の品種としては、みずかがみ、コシヒカリ、キヌヒカリ、日本晴、秋の詩、ヒノリカリと計6種類もの近江米を栽培しておられる。

現在の栽培状況についてうかがってみた。「今年の作付面積は稲作が17haでした。田植機は他社機の6条植えを使っています。移植については株数50株/m2、使用育苗箱数16~17枚/10aですね。ほ場の移動間が長い場合は、苗づくりから運搬にいたる作業で苦労していましたよ」。

鉄コーティング直播栽培に代わる密苗に期待。播種と密苗は委託して移植作業に専念

慣行栽培における作業面でご苦労があったとうかがったが、密苗に取り組まれたきっかけを改めて質問してみた。「長年、農業に従事してきましたがローコスト化は終わりのない課題ではないでしょうか?規模を維持しながらも生産性を上げるために、鉄コーティング直播栽培を試したことがありますが長くは続きませんでした。しかし、今回は(株)フカオの深尾社長からお声を掛けてもらったので、ぜひ密苗をやってみたいと思いました」。

播種や育苗は委託されたそうだが理由は何故だったのだろうか?「初めての密苗ということもあったので、一般的に難しいと言われる播種と育苗は委託して、移植以降の作業に集中しようと考えました。実際に移植を行ってみて、使用育苗箱数が6枚/10aで移植できたのは驚きましたね。かなりの省力化になったので、他の農家の方も驚いていましたよ」。

慣行栽培と比べて使用育苗箱数が半分以下に!密苗特有の問題をクリアして多くのメリットを享受

使用育苗箱数が慣行栽培と比べて半分以下になり、予想を超える密苗の実力に驚く中川さん。他に何か問題はなかったのだろうか?「移植精度やスピードについてはまったく問題なかったのですが、苗間の境目の移植がうまくいかずに若干欠株が目立ちました。あとは、苗が小さいので浮き苗にならないように水管理には特に気をつけました。気になった点はそれくらいで、苗つぎ・苗運搬は非常に楽になりましたし、メリットの方が断然多いですよ」。今までできなかった苗運搬の部分が省力化され、メリットを感じていただけたようだ。

補助者の方々の声についてうかがってみた。「なんと言っても使用育苗箱数が6枚になったのには驚いていましたね。あとは、苗の見た目が弱々しいと言っていましたが、実際に植えたらしっかり成長したのでこれなら大丈夫だと好評を得ました」。

密苗に限らずたった1年では答えは出せない。今後2~3年取り組みたい技術だ

収穫を終えた感想をうかがってみると「当初は密苗に対して懐疑的に考えていました。使用育苗箱数が少ないので、収量も少ないのではないかと思っていたんです。しかし、実際に取り組んでみると株の根張りもしっかりしていましたし、収量も慣行栽培と遜色なかったです。最初に抱いたネガティブな印象はいつの間にか忘れていましたね」。

中川さんの農業に密苗は、これからどのような存在になれるのだろうか。「今回、密苗モニターを体験して、純粋にもっとやってみたいと思いました。そのためには、播種機と田植機の問題をクリアしなければなりません。密苗はヤンマー独自の技術なので他社機では代用が不可能ですから。今回はヒノヒカリで試しましたが、他の品種でも試したいですね。1年で答えは出ません。2~3年じっくり取り組んでみたいと思いました」。

中川さんにはぜひ密苗での省力化を実践していただき、同時にヤンマーの密苗仕様田植機の性能もあわせて実体験していただきたい。

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密苗

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