株式会社夢ファーム
代表取締役
奥山 孝明様
- 地域 : 岡山県岡山市
- 作物・作業 : 水稲(約50ha)
- 密苗実証面積 : 約32a
- その他 : 栽培面積のうち、約40haで乾田直播栽培を実施
株式会社夢ファーム
代表取締役
岡山県岡山市東区は、稲作地帯で乾田直播が盛んな地域だ。ほ場に砂が多く排水性が良く、古くから乾直が普及した。また逆に、水が自由になりにくいので田植えがしづらいという事情もある。
そんな当地で、米の生産販売・農地農作業受託・麦の生産・堆肥販売・酒販売などを経営されているのが、株式会社夢ファーム代表取締役の奥山孝明氏だ。水稲約50haのうち、40haが直播、10haが移植となっている。岡山地方大型米麦研究会の会長で、地域のリーダー的存在だ。
密苗は、2年前にインターネットで知って以来興味を持たれた。
「取材?ウチの田植機は他社機やけど、ええの?」と、笑いを誘いつつお話しいただいた。密苗取り組みの理由は作期分散と省力効果。その実現を睨んでの密苗の取り組みだ。「ウチは乾直中心やけど、麦を増やすと二毛作で移植をせざるを得ん。だから苗箱は少ない方がええ」と理路整然と語る。
乾直なら播種機2台、4人で1日に約8ha、40haだと最速5日ですむが、田植えでは無理だ。規模拡大も考えており、今は乾直が8割、田植え+麦が2割、将来は田植えを約4割にしたいという。
「人手や道具を考えたら、それがええバランス」手堅い判断だ。それだけ密苗に期待している。奥山氏は大学卒業後、電気設備の仕事に就かれた後、10年前にUターン。後継者となる。
経歴からメカやPCには明るく、8年前から農研機構開発の作業管理ソフトを導入。スマホでの乾燥機操作、ドローンでのほ場撮影など省力化には前向きだ。
移植実証試験の当日は、前夜からの雨で水かさが増し、1時間ほど水を抜いた後にスタート。実証ほ場は、6枚を1枚に合筆し、区分け用の杭が、ほ場内の数ヶ所立つ超変形ほ場だ。試験ほ場は32a密苗と慣行2.3aの両方を植えて比較する。
播種量は密苗乾籾:270g/箱(慣行:110g/箱)。密苗の播種は5月27日。育苗、慣行とほぼ同じで難しくなかったという。移植試験は6月23日、代かきは前日の6月22日だ。移植作業はヤンマー社員がオペレーターを務め、無事終了した。
作業中印象をうかがうと「苗が全然減らんなぁ!?(笑)慣行やと見た目に減るけどなぁ…」と、驚きの表情を見せてくれた。今後の生育や収穫が楽しみだ。
栽培のポイントやよくあるご質問など、初めて導入する方にもこれまで経験のある方にも役立つ情報をご紹介
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