室 太樹 様
- 地域 : 大分県
- 掲載年 : 2024年
- 作物・作業 : 主食米・飼料用米(約40ha)/大豆(約25ha)/はだか麦(約40ha)/小麦(約25ha)
大分県の北東部に位置する国東市で、農地を守り地域発展に寄与したいと、2002年に設立された農業組合法人中園営農組合。地域の大切な農地を預り、飼料用米・主食米約40ha、大豆約25ha。裏作で約65haを栽培しておられる。
「設立当初は10haでしたが順調に規模を拡大し、現在は65haの農地を管理しています」と話してくれたのは、同法人に勤める室太樹さん。「今後もどんどん拡大したい」と語る室さんだが、そのビジョン実現の相棒に選ばれたのが、直進アシスト機能を搭載したトラクターYT357RJだ。2023年にYT357RJを導入された決め手や、実感されているメリットなどをお聞きした。
「2022年の講習実演会で直進アシストを体験し、『これなら作業時のストレスを軽減できる!』と思い導入を決めました」と室さん。続けて、数あるメーカーからヤンマー製品を選んだ理由をお聞きすると、「担当営業の気持ちの良い接客と、何かあった時にすぐに駆け付けてくれる、アフターフォローの手厚さです」と、ヤンマーへの高い信頼がうかがえた。
YT357RJを選んだ決め手については、「当社が管理する、中山間地の小さめのほ場に最適だからですね。十分なパワーがあり、作業しやすい車体のサイズ感が決め手です」と室さん。さらに同法人では、より高精度な作業を実現するため、位置情報取得サービスRTK(※)を装備。「誤差±2~3cmという、ベテラン並みの作業が誰でも可能になりました。一度使うと、もうRTKなしでは考えられません」と、満足してくださっているようだ。
(※)人工衛星を用いた測定方法のひとつ。±2~3cmの高精度な作業が可能。別途通信料等の費用が必要。
どのような作業に利用されているのかお聞きすると、「田んぼの代かき作業、麦や大豆などの播種作業で主に使用しています」と室さん。特に播種作業で直進アシストのメリットを感じておられるようで、「現在、大豆の播種作業をしているのですが、今年から高速うね立て播種機を購入したこともあり、正確かつスピーディな作業が可能になりました」と笑みがこぼれる。
播種は隣のうねとの間隔が重要で、神経を使う作業だ。直進アシスト機能を使うことで設定した作業幅とほぼ誤差がなく、驚くほどラクに作業ができているそう。「5km/hの高速でスイスイ作業できています。さらに、播種やうね立てがまっすぐできることで、大豆や麦の中間作業がスムーズになり効率アップにもつながりました」と、手ごたえを感じておられるようだ。
水稲では苗を田んぼに移植する慣行栽培と、種籾を直播きする乾田直播の2つの栽培方法を実践しているそうで、「慣行栽培の代かき作業と乾田直播の播種作業で直進アシストを活用しています。1本飛ばしの代かき作業もモニターのガイドライン通りに操作するだけなので、作業がグンとラクになりました」と室さん。以前は泥水の中、どこを作業したかわからなくなることしばしばだったとか。「今はモニターを見れば一目瞭然なので、迷わずどんどん進められるのがいいですね」と、これまで感覚に頼っていた部分を可視化することで、無駄なく作業できていると話してくださった。
「それから、この地域は形の悪いほ場が多いのですが、そういったほ場では無理に旋回せずに、直進アシストONにすればバックしながら、まっすぐ次の作業位置に合わせてくれるので、トラクターの操作が格段にラクになって助かっています」と、毎日の作業に直進アシストが大活躍しているようだ。
「直進アシスト機能を使うとハンドルを握らなくてもいいので、振り返って作業機の状況を確認しながらの作業も苦になりません」続けて、「手動で直進しているとまっすぐ進んでいるつもりでも、よく見たら曲がっていて、軌道修正しようとしてもっと曲がったり…。これが結構なストレスになっていたんですが、今はそんなストレスからは解放されました」と室さん。「直進アシスト機能のおかげで、1日に8時間、9時間乗っても全然疲れません。あとはブルートゥース機能もいいですね。好きな音楽を聴きながらだと作業がはかどりますし、電話がかかってきても手を止めずに対応できるのが便利です」と評価をいただいた。
さらに、ヤンマートラクターならではの性能にも触れ、「ほ場の傾きに合わせて、作業機を自動で水平に保ってくれる『UFO』機能が優れもの。ボタンひとつで簡単にできて、すぐに作業を始められるのでとても助かっています」と、さまざまな機能をフル活用し、スピーディかつキレイな仕上がりを実現しておられるようだ。
「大豆や麦などトラクターで播種作業を行う農家さんに、ぜひおすすめしたいです。新規就農者はもちろん、ベテランの方にも使ってもらいたいですね」と室さん。農業未経験で入社した後輩からも「操作が簡単ですごくラク」と好評で、導入してよかったと話してくださった。
最後に今後のビジョンについてお聞きした。「私たちは『安岐町から耕作放棄地をなくす』という企業理念を掲げ、日々取り組んでいます。農業従事者の高齢化が進み、作業受託などのご相談は年々増加しています。農地が大きくなればなるほど、作業の効率化が欠かせません。そのために直進アシスト付きトラクターなど、高性能な農業機械を上手に活用しながら末永い地域発展に貢献していきたいです」と、力強い眼差しで未来を語ってくださった。
誰でも簡単、まっすぐ作業!