西岡 幸夫 様
- 地域 : 岡山県
- 掲載年 : 2024年
- 作物・作業 : 水稲(3.2ha)
岡山県岡山市で米づくりをしている西岡農園の西岡幸夫さん。高齢化や担い手不足という地域の課題解決になればと、スマート農機の活用にも積極的で、2023年11月にジョンディアの自動操舵システムを導入された。「祖父の代より以前から、ここで農業をやってきました。現在は兼業農家として、3.2haの田んぼでお米をつくっています。以前は慣行農法で栽培していましたが、ある時、農業の未来を考えた時にこのままでいいのだろうかと思ったんです」と西岡さん。せっかく農業に携わるならもっとできることがあるはずだと決意を固め、2022年から慣行農法と比較して、化学肥料や農薬を50%以下にする特別栽培米に取り組み、翌年からは化学肥料や農薬を一切使わない栽培方法を実践しておられる。
「当農園のモットーは、食べる人・作る人・地球の3つの健康を考えた米づくり。農薬や化学肥料に頼らないので手間がかかる分、作業の効率化は欠かせません。3年前に直進アシストの付いた田植機を購入したのですが、自動でまっすぐに植えられるのがとてもラクで、トラクターにもこの機能が欲しいと思い、買い替える時にジョンディアの自動操舵システムを装着しました」と西岡さん。農作業はほとんど1人で行うそうで、長時間のトラクター作業は重労働だったと振り返る。「ずっと集中していますので、眼精疲労や肩こりも悩みでした。また、どんなに集中していても一瞬、気を取られて曲がってしまうこともしばしばで、作業できていない部分のために一往復余分に作業するなんてことも。そういった疲労を少なくして、作業効率をアップさせるのが目的で導入を決めました」と購入の際、明確に具体的な目的をお持ちだった。
ジョンディアの自動操舵システムにした決め手をお聞きすると、「精度が高く、維持管理費も安いということで決めました」と西岡さん。ジョンディアは独自の補正信号システムにより通信費等の追加費用がかかるRTK(※)を使用しない。このコスト面でも魅力を感じていただいたようだ。「操作が難しいのではないかと不安もありましたが、実際に使ってみると思っていたより簡単にできました」と満足していただいている。
※RTK(Real Time Kinematic)とは人工衛星を用いた測定方法のひとつ。利用には定額の通信料が必要。
「導入してまだ1ヶ月なので本格的な作業にはまだ使えていませんが、先日、オフセットモアで草刈りをして驚きました。これまではハンドルを握りながら、後ろの作業機の確認をしなくてはいけませんでしたが、自動でまっすぐ進むのでラクですね。ハンドル操作から解放されて、作業機の確認だけで済みますので、作業後の疲労が全然違いました」と笑みがこぼれる。
今後はさまざまな作業で自動操舵を活用したいと西岡さん。「まずは耕うん作業ですね。次に、ヘアリーベッチ(緑肥)の播種作業。それから、ヘアリーベッチをフレールモアで刈り取る作業に、ブロードキャスターを使った有機肥料の散布作業など、あらゆるトラクター作業での活用を考えています」続けて「ジョンディアの自動操舵はゆっくり、まっすぐ作業するのも得意なので、畦塗り作業も試したいです」と、自動操舵の活躍に大きな期待を寄せてくださっている。
自動操舵がどのような農家の方に導入メリットがあるかお聞きすると、「大規模農家はもちろん、有機農業を目指す方にも大きなメリットがあると思います」と西岡さん。「肥料を均一に散布したり、緑肥の播種作業がまっすぐできたりと、無駄なく効率良く作業できるのが魅力です。作業を効率化することで、ゆとりができた時間を土づくりなどにあてることができるんです」と、有機農家ならではのメリットを教えてくださった。
「地域で『人農地プラン』というのを策定し、農地を守る取り組みを行っているのですが、スマート農機の導入もその一環です。従来のような経験やカンがものを言うのではなく、未経験でも簡単に操作できることで、就農へのハードルを下げることができれば、新規就農者が増え結果として農地を守ることにつながると考えています。これからも、どんどんスマート化を進めていって、仲間同士で共有しながら地域農業を活性化していきたいです」と、次世代へとつなげる農業にスマート農機は欠かせないと、力強く語ってくださった。
経験と勘で行っていた作業が、誰でも簡単に、正確に