代表取締役
濱本 壮男様
- 地域 : 北海道岩見沢市
- 掲載年 : 2021年
- 作物・作業 : 稲(7ha)/麦(10ha)/大豆(7.8ha)/南瓜(6ha)
北海道岩見沢市で有限会社濱本農場を経営する濱本壮男さんは、ご自身と奥様、お母様の3人と、繁忙期に約2名のパート従業員の手を借りて、稲・麦・大豆と南瓜などを栽培しておられる。特に大変なのが、約32haとなる経営面積のトラクター作業を濱本さんがおひとりでされているという点だ。
そんななか、2019年のスマート農業実証プロジェクトをきっかけに、ヤンマーのロボットトラクター(以下、ロボトラ®)YT5113A,DYUQW-R(113馬力・デルタクローラー)と出会った。濱本さんは、これまでも栽培技術では乾田直播、ICT農業では、ニコントリンブルの自動操舵システムを取り入れるなど、常に前向きに課題解決に取り組んでこられた。そして今やロボトラ®は頼りになる相棒としてお使いいただいている。
当初濱本さんは、耕うん作業でロボトラ®を使うことが多かったが、最近は変化してきたという。「いま気に入っているのは、ロボトラ®での播種作業です。ウチの水稲はすべて乾田直播なので、グレンドリル(TUME KL3000)で、稲・麦・大豆を播いています。まさに一昨日、ロボトラ®で麦を播いたところです」と、にこやかに答えてくれた。播種作業ができるということは、ロボトラ®が精度面で信頼を得たということの証だ。
続いて濱本さんに、ロボトラ®を使ってみて良かった点をうかがった。たとえば労力はどれほど軽減されたのだろう。
「1年目は外周の自動作業(手放し)ができなかったのが、2年目にはバージョンアップして自動作業(手放し)ができるようになったので、使用感が抜群で…、もうほかのトラクターには乗りたくない。そう思えるぐらい、ほんとに楽ですね」と、うれしいお言葉をいただいた。
それでは省力効果についてはどうだろう。
「やはり2つの作業を同時進行できるという点ですね。自分で操作せずに済むので、省力化につながります。農家は晴れているときにどれだけ作業を詰められるかが重要です。その点でロボトラ®は同時にできる作業が増えて、適期を逃しにくい。それと播種作業の場合、すべてを耕起した後で種子を播くより、耕起後を追いかけて、すぐに播種する方が土が水分を含んでいるから発芽しやすく出芽が揃うんです」。目の付け所が違う。省力化や労力軽減だけではない、プロならではの着眼点だ。
さらに具体的な使い方をうかがうと、「忙しくなると1枚のほ場内でロボトラ®を動かして自分は別の作業をするのですが、ふだんはロボットモードで乗車して作業状況や作業機の状態を見ていますね」と語ってくれた。このほか、「作業機の状態をじっくり見ることができるので、機械の構造を新たに発見したりすることもあって、それもメリットですね。例えば先に話したグレンドリルでは、そもそも作業姿勢からスプリングの強さ、慣らしタインの角度などの調整ポイントをしっかり確認できました」と、語ってくれた。
また、「実は来年、もう1台ロボトラ®を導入する予定で、南瓜づくりを手伝ってもらっているパートさんに乗ってもらおうと思っています」と濱本さん。「今後、ますます農業人口が減り、面積が拡大していくと思います。そうすると、こういうロボットの活躍の場が、増えていくんじゃないかなと思います。南瓜の作業体系の中で、うね立てやマルチ張りなんかの経路をタブレットで設定しておければ…とか、いろいろ考えています」。今の作業の省力化・労力軽減だけでなく、経営者として将来を見据えた挑戦も忘れていない。
ロボトラ®の魅力を知り尽くした濱本さんに、今後についてうかがった。
「ロボトラ®は、トラクター作業に不慣れな人にも作業を任せられるというのが良いんじゃないでしょうか」と、大きな期待を寄せていただいている。そして「今は(離農などで)面積が増えていく方向にあるので、導入のタイミングも、早く導入するほどメリットが出る。価格も、自動操舵システムと比べてそこまで大きな差はないと思うので、それは規模が大きいほどメリットが出ると思います」。知人・友人が見に来られたときも、「『外周も無人(手放し)でできるのか…』と、感心する人が多いですね。ヤンマーさんもそこをもっと強くPRすると、購入意欲が湧くんじゃないかな」と、笑顔でアドバイスいただいた。
最後にロボトラ®に対するご要望をうかがった。「これからのトラクター作業はロボトラ®なしでは考えられません。今のところヤンマーさんが群を抜いて優秀だと思っています。ロボトラ®はヤンマーさん一択だと思いますので、ぜひ、高馬力帯シリーズを出していただきたい」と大絶賛。これからもICT技術や栽培技術などを取り入れながら、従業員の方々と力をあわせて、濱本農場のさらなる進化にロボトラ®をお役立ていただきたい。
後輪クローラの駆動力であらゆる作業を精度良くこなす。