はじめに

畑でなくても、ベランダで手軽に野菜づくりをはじめることができます。
ただしベランダは、手すりの素材や季節によって、日当たりや風通しが変わります。
できるだけ日当たりの良い場所を選んで栽培したいものですが、野菜づくりのために、手すりの工事をするわけにはいきません。
しかしあきらめる必要はありません。
作物にもそれぞれ特性があって、なかには、日当たりが少ない場所でも育ったり、日陰でも育ったりする作物もあります。
ここでは、ベランダで野菜を育てるときの注意点や、条件に合った野菜の選びかたなどをご紹介します。
ベランダ菜園をはじめるときの参考にしていただき、旬の野菜づくりをお楽しみください。

ベランダ菜園をはじめる前に

管理規約に目を通す

マンション管理規約

集合住宅には、セキュリティや安全確保、景観保護などの目的によって、ベランダなどの使用に制限が設けられています。後でトラブルにならないように、管理規約には必ず目を通しておきましょう。

プランターの重量に注意

プランターの重量

土は意外に重量があります。
アパートや木造住宅などの場合は、施工業者や家主さんに確認をするほうが無難でしょう。

避難路をふさがないよう注意

避難路をふさがない

人の生命にかかわることですので、避難用ハッチや避難経路の前や周囲には、ものを置かないよう十分に注意しましょう。

水漏れ水溜まりに注意

水漏れ水溜りに注意

ベランダにはキチンとした防水加工がされていません。床に直接、レンガやウッドブロックなど敷くと、枯葉や泥水が溜まって害虫の住処になることがあります。
またこぼれた土が排水溝に詰まって階下に水が溢れたり、ジョウロでの水やりで階下に水が飛んだりすることもあります。
水やりには十分注意し、こまめに掃除をするように心がけてください。

落ちない工夫を

落ちない工夫を

ベランダには強い風が吹くことがあります。やむを得ず高い位置にプランターなどを置く場合、手すり側を避け、紐で固定するなどの工夫が必要です。
またハンギングバスケットを吊るしたり、手すり側の高い位置にプランターなどを置かないようにしましょう。
子供さんの踏み台になるような位置にも置かないように注意してください。

とにかく日当たりと風通しを良く

ベランダの日当たりと風通し

理想的には東、または南向きで、午前中から日が当たる場所がベストですが、それが無理な場合、日当たりの良い場所を探して、プランターを移動させるようにしてください。
またベランダでは、通気性が悪いと湿度が高くなり、病害虫が発生しやすくなります。また逆に風が強すぎると、葉や実が傷んだりすることもあります。
ベランダの場合、エアコンの室外機から出る風には、直接当たらないように注意してください。

手すりが壁の場合と柵の場合

手すりが壁の場合と柵の場合

手すりが格子の場合は、日の当たる部分は多くなりますが、手すりが壁の場合は、Aの部分が影になります。

季節の変化と日当たり

季節の変化と日当たり

太陽の高さは、季節によって変わるため、日の当たる場所も変化します。Aは夏、Bは冬の日の当たり方です。

ベランダに適した野菜の選び方

下記の分類を参考に、ご自宅のベランダの条件にあわせて、育てやすい作物を選んでください。

ベランダでつくれる野菜例

標準サイズのプランター 大型や深めのプランター
葉菜類 ホウレンソウ・コマツナ・シュンギク・チンゲンサイ・ターツァイ・ミズナ(キョウナ)・スイスチャード・パセリ・サニーレタス・サラダ菜など 玉レタス・キャベツ・ハクサイ・タマネギ・ブロッコリーなど
根菜類 ラディッシュ・小カブ・テーブルビート・ミニニンジンなど ダイコン・ジャガイモ・サツマイモなど
果菜類 イチゴ・サヤエンドウ・ツルナシインゲンなど トマト・ミニトマト・キュウリ・ナス・ピーマン・トウガラシ・スイカ・メロン・インゲン・エダマメ・ニガウリなど

日当たりの条件と野菜の種類

日当たりの良い場所を好む野菜
半日以上、日が当たれば育つ野菜
日当たりの悪い場所でも育つ野菜

葉菜類や根菜類の種まき

野菜類を育てるには、苗を買って育てる方法と、種をまいて育てる方法があります。
ベランダ菜園をはじめる際に、比較的栽培しやすいリーフレタスやサラダナなどの葉菜類の場合は、苗が販売されていないため、種をまいて育てることになります。
ここでは、プランターへの土入れから種まきまでの手順をご紹介します。

基本的な種まきの手順

1.プランターの底に鉢底石や軽石などを敷き、プランターの八分目のところまで、元肥を入れた培養土を入れます。

2.押さえながら、凸凹のある部分を全体的にならしていきます。

プランターに培養土を入れる

3.ジョウロで水をかけて、種が発芽しやすい環境をつくるために、土全体を湿らせます。

4.それぞれの種の特性や栽培、収穫の仕方にあった方法で種をまきます。

種をまく

5.種が隠れる程度に覆土します。

6.できるだけ目の細かいジョウロを使って、水をかけます。
ただし、あまり勢いよくかけると種が浮きあがり、流されてしまうため、やさしくかけるよう注意が必要です。

水をかける

種まきの3つの方法

種まきには、ばらまき、すじまき、点まきの3種類があります。

1.ばらまき(ロケットサラダ・ホウレンソウ・ミニニンジンなど)

小さな種、軽い種をまくときや、間引きながら食べる野菜に適しています。

ばらまき

種が重ならないよう注意しながらぱらぱらとまきます。

2.すじまき(ニンジン・ホウレンソウ・コマツナ・ミズナなど)

根菜類で、固形タイプの追肥※を使う場合、すじとすじとの間にまくだけでいいので簡単に作業をすることができます。
元肥の効果が薄れた後に施す肥料。

すじつけ

割り箸などで深さ1㎝程度の筋をつけます。

すじまき

その筋に、種が重ならないよう注意しながらまきます。

3.点まき(ダイコン・カブ・ラディッシュなど)

生育に必要な広い株間をとって、数か所の種をまく作物を栽培する際に適しています。

点まきのへこみをつくる

ビンや缶の底を土の表面に軽く押し当て、深さ1cm程度のへこみをつくります。

点まき

1つのへこみに対して、3~4粒の種をまきます。

野菜に合った培養土のブレンドの方法

野菜を育てる土は、適度な水持ちの良さとともに、湿害にならないように水はけも良くなければなりません。
さらに通気性や養分も必要です。
プランター栽培では土の量が少ないため、培養土の質が、より重要になってくるのは言うまでもありません。
ここでは、理想的な培養土のブレンド割合についてご紹介します。

基本的な培養土のブレンド割合

基本的な培養土のブレンド割合

葉菜類に適したブレンド

葉菜類に適したブレンド

化成肥料と石灰:それぞれ用土10L当たり10~20g

果菜類に適したブレンド

果菜類に適したブレンド

化成肥料:用土10L当たり10~30g
石灰:用土10L当たり10g

根菜類に適したブレンド

根菜類に適したブレンド

化成肥料:用土10L当たり20g
石灰:用土10L当たり10g

イモ類に適したブレンド

イモ類に適したブレンド

化成肥料:用土10L当たり20g
石灰:用土10L当たり10g

ハーブ類に適したブレンド

ハーブ類に適したブレンド

化成肥料と石灰:それぞれ用土10L当たり10~20g

ベランダ菜園にピッタリの資材

丈夫な苗を育てるヤンマー養土

野菜養土S(標準)タイプ (覆土なし)

野菜養土S(標準)タイプ (覆土なし)

種が発芽しやすい、ピートモスとバーミキュライトを主成分とし、保水性・通気性に優れた養土です。
発芽して10日目頃から、液肥を毎日水代わりに与えます。

野菜肥料ナプラパワー

野菜肥料ナプラパワー

育苗中の追肥用の肥料です。
粉末で水に溶かして使用します
即効性の肥料で肥効が高く、生育が促進されます。

覆土用バーミキュライト

覆土用バーミキュライト

養土や土で覆土すると発芽率が低下してしまいます。
覆土面が固まらず、発芽揃いを促進する覆土用バーミキュライトでの覆土をおすすめします。

古い土をリサイクルしよう!

菜園で使った土も貴重な資源です。病害虫で使えなくなったものを除いて、できるだけリサイクルして使いましょう。

土のリサイクル

1.
株を抜き去ったあとの土をビニールシートの上に広げます。
鉢底石や残った根、ゴミなどを取り除き、固まった土はほぐします。

土のリサイクル

2.
日当たりの良い場所で、土を広げたまま、風で飛ばされたり雨に当たったりしないように注意しながら、数週間寝かせます。

土のリサイクル

3.
土の保水性・通気性を高めるために、堆肥や腐葉土を加え、さらに「リサイクル材」「再生材」などの名前で販売されている土壌改良剤を添加。
植付け前には元肥を施します。

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