畑で育てるタマネギ
作物

主な品種

七宝早生・ソニック(早生種)
さつき・ターボ・OK(中生種)
アタック・もみじ(晩生種)

栽培のポイント

タマネギは冷涼な気候でも生育し、寒さにも強い作物です。連作も可能です。
種の寿命は1年くらいです。毎年、新しい種を購入しましょう。20mL入りの袋の種は約2,500~3,000粒です。
植付ける苗の大きさは、苗基部の径(基部の直径)が4~8mm程度。葉数4枚、草丈20~25cm程度です。大きな苗になればなるほど、冬の低温の影響を受けやすく抽立ち(とうだち)の危険が大きくなります。

家庭菜園タマネギの作型目安

相性の良い作物で、農薬を抑えた野菜づくり!

一緒に植えると相性の良い作物

ソラマメ
ソラマメにアブラムシが集まり、それをエサにするテントウムシなどの天敵が増えてタマネギの育成を阻む害虫を防ぎます。
クリムソンクローバー
畑の周囲に栽培すると、タマネギに害をもたらすアザミウマとアブラムシの天敵が繁殖し、食害を防ぎます。

育苗

  • 1年以上経過した種子は発芽率が低下するので、必ず新しい種子を使用します。
  • 種は9~10cm間隔で条まきし、種が隠れるまで覆土します。発芽するまでは乾燥しないように十分かん水します。
  • 発芽後は、本葉2枚のときに1回目の間引きをし、本葉3~4枚で2cmほどの間隔になるように2回目の間引きをします。
  • 各品種とも種まきの適期の幅が短いので気を付けます。
  • 定植苗はあまり大きくなく、葉数3枚、苗基部の4~5mm程度が適当です。
  • 大苗になるほど、収穫時期に抽立ち(とうだち)の危険があります。小面積の場合は購入した苗を利用すると便利です。

畑について

土性は特に選びませんが、砂質壌土には、大球、多収性の中生種を、粘質壌土には晩生種を植付けるようにします。

施肥

元肥はリン酸成分を多めに施します。窒素とカリが不足すると球の肥大が悪くなり抽立ち(とうだち)が多くなり、逆に多すぎると肥大が遅れ、貯蔵性が悪くなります。
追肥は、12月(必ず年内)と2月(遅くとも3月上旬まで)の2回に分けて施します。

施肥例(10㎡当たり)

種類 元肥 追肥1 追肥2
苦土石灰 1.5kg
ようりん 0.2kg
高度化成肥料(14-10-13) 0.5kg 0.5kg 0.5kg

定植

  • うね幅80cm、株間12cmの2条植え、もしくは、うね幅120cm、株間12cmの4条植えにします。
  • 植付けは早生種で10月末、中晩生種で11月に行います。植付けは、あまり深植えにならないように植え、株元を軽く押さえます。植付け後乾燥している場合はかん水し、活着を促進させます。
タマネギ苗の植付深土

土寄せ

  • 定植後、冬草が発生するので、順次中耕します。なお、2月に追肥と同時に中耕し株元に土寄せします。
  • 早春に過湿になると病害が発生しやすいので、冬のうちに排水を良くしておきます。
  • 4月下旬以降の葉折れ、根の踏みかためは球の肥大が悪くなりますので、雑草が生えていても収穫まで畑に入らないようにしてください。

収穫

  • 収穫適期は、5月以降に茎全体3割程度倒伏した頃です。早生種《4月上旬~5月上旬》、中生種《5月中旬~5月下旬》、晩生種《5月下旬~6月中旬》です。
  • 貯蔵性を良くするため、晴天の日に収穫作業を行います。
  • 短期間の貯蔵の場合は、茎葉を切り落とし、小型コンテナへ入れ通風の良い日かげに置き、乾燥させます。
  • 晩生種で長期間貯蔵する場合は収穫時に茎葉を束ねて、わら、ビニールひもなどで結束し吊り貯蔵します。
タマネギの収穫方法

ワンポイントアドバイス

我が国には、江戸末期に導入され、明治初期に春まき栽培が北海道に、明治中期に秋まき栽培が大阪府泉南地方に定着し、全国に栽培が広まりました。
泉南でタマネギ栽培が始まって100余年。高値で笑った年もあれば、安値で泣くに泣けない年もあったとか。 それでも、泉南地方の農家は、いつもタマネギと一緒に暮らしてきました。

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