はじめに

上手に野菜を育てるためには、種まき時期、病気・害虫防除など、知っておきたいポイントがあります。
そのコツをしっかりおさえて、おいしい野菜を育て、収穫の歓びを味わいましょう。

栽培適期

遅れすぎても早すぎても失敗の原因に

どんな野菜も、適期に種をまいたり、苗を植付けることが大切です。
種まきや植付けの適期は、育成が間に合い、できるだけ病害虫の被害や生理障害が軽減できる時期に設定されています。
なお、同じ種類の野菜でも、品種や栽培する地域によって適期は異なってきます。
種袋や苗のラベルをよく確認し、適期を逃さないようにしましょう。

連作障害

同じ種類や同じ科の野菜を毎年つくり続けると「連作障害」が

同じ種類の野菜はもちろん、同じ科の野菜を続けて同じ場所で栽培すると、連作障害が出やすくなります。これは、違う科の野菜を順繰りに栽培する「輪作」をすることで防ぎます。ローテーションを考えて栽培しましょう。

  • 連作障害を起こしやすい野菜: ナス科・マメ科・ウリ科など
  • 連作障害を起こしにくい野菜 : ニンジン・カボチャ・コマツナなど
  • スイートコーンは、畑の余分な養分を吸収する働きがあるので、後作の生育が良くなります。
野菜の輪作

コンパニオンプランツ

野菜自身の性質を活かす共栄植物

植物の持つ成分により、虫を寄せつけなかったり、近くにある植物のある成分を増やしたりといった現象が起こります。一緒に植える植物の相性で、よい結果が生まれる植物を「コンパニオンプランツ(共栄植物)」といいます。
特に薬草として扱われることの多いハーブ類は、植物に対しての有効成分も多く含むので、野菜と一緒に植えると害虫を予防するだけでなく、味をよくする効果も期待できます。

コンパニオンプランツを植える

種まき方法 「直まき」と「移植栽培」

直まき

ダイコンやニンジンなど直根性の野菜や、短時間に育成するものは直まきをします。
直まきには、「条まき」や「点まき」という播種方法があります。

「条まき」

条まき
  • 葉茎に十分光を当てたい野菜に適しています。

「点まき」

点まき
  • 1か所3~6粒ずつを種の間を空けてまきます。

移植栽培

気温が安定しない時期にまきたいときや、発芽率の低い野菜、病害虫の被害を受けやすい野菜などは、移植栽培をします。

移植栽培
  • ポットや育苗箱に種をまいて育ててから、苗を移植します。

水管理

種まき後の水分管理には十分注意を

種は、いったん水分を吸収すると発芽に向けて動き出します。この後に乾かしてしまうと、たとえ芽が出ていなくても、種は枯死してしまいます。地上部がないためつい油断しがちですが、種をまいて芽が出るまでこそ、土を乾かさないように注意しましょう。

水やり

害虫防除

害虫は早い時期ほど、しっかり防除

適期内に栽培をスタートしても、気温が高いうちは害虫の活動が活発です。しかも育成初期の被害ほど致命的になりやすいので、種まきや植付けの直後からしっかり防除することが大切です。

  • 薬剤を使って防除する場合
    野菜と害虫の種類ごとに使える薬剤が決まっているので、注意書きをよく読んで正しく使いましょう。
  • 無農薬栽培をめざす場合
    種まきや植付けの直後から防虫ネットをかけて害虫の侵入を防ぎましょう。
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