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  • 育苗や苗運び、代かきを省力化したい方
  • 育苗ハウスが足りない方
  • 輪作体系によって、機械を汎用利用したい方
  • 経営規模拡大や経営多角化をしたい方
  • 乾田直播栽培は、畑状態の水田に直接種もみを播種する方法です。
    乾田に播種するため、種子への処理が不要になり、被覆の手間や資材のコストがかかりません。また、湛水直播栽培同様に育苗の必要がないため、作業の省力化が図れます。さらに、春の代かき作業が不要となるため、労働ピークを大幅に分散でき大規模栽培が可能になります。また、大区画ほ場ではスマート農機との相性がよく、オペレーターの負担軽減や省力効果が発揮できます。

  • ほ場の選択
  • ほ場の準備
  • 播種
  • 管理作業
  • 乾田直播栽培の効果を十分に発揮するためには、適切なほ場選びが重要です。

  • 水はけがよく、水持ちも良いほ場(細粒グライ土、細粒灰色低地土や表土の土性が強粘質~粘質に分類される土壌)
  • 雑草管理がしやすく、適切な除草体系が導入されているほ場
  • 均平なほ場
  • 砂壌土などの極端に排水性の良いほ場
  • 弾丸暗きょ・硬盤破砕などの排水対策を実施した直後のほ場
  • 排水性が極端に悪く、水尻からの速やかな排水が難しいほ場
  • 耕作放棄地のように雑草が著しく繁茂しているほ場
  • 湛水期間中に用水が十分確保できないリスクがあるほ場
  • 乾⽥直播栽培ほ場では、排⽔機能と湛⽔機能への切り替えの容易さがポイントになります。
    ⽔⽥の基盤条件、すなわち湿⽥であるか、乾⽥であるかにより、排水機能と湛水機能への切り替えの容易さが変わります。湿⽥には⽔⽥下層に縦浸透の低い⼟層(⽔⽥の底)があります。そのようなほ場には暗きょが整備され、暗きょの⽔こうにより湛⽔と排⽔を切り替えることができるため、乾⽥直播栽培に適しています。
    底なしの水田の場合は、地表近くに止水層をつくることが重要です。

    ほ場の高低差が大きいと、均一な水管理が難しくなり、特に低い部分での過湿や高い部分での乾燥が発生しやすくなり、均一な田面が確保できないと、苗立ちや収量に影響が出ます。

    ほ場の均平化は、苗立ち、水管理、雑草対策にとって重要です。ほ場の低い箇所は水深が深くなり苗立ちが低下し、高すぎると土が露出し除草剤の効果が得られません。高低差は10cm以内にします(スガノ農機株式会社のレーザーレベラーでは高低差2.5㎝以内可能)。ほ場の大きさにかかわらず必要な均平度は変わらないため、大規模なほ場ではより精密な作業が必要です。レーザーレベラーによる均平作業は大区画ほ場では必須の作業です。クローラトラクターで作業すると、砕土・鎮圧の効果も期待できます。

    フルクローラトラクターは2つの広い面積のクローラで走行するため、トラクターの沈み込みが少なく、走破性に優れています。レーザーレベラーでの作業では、安定した姿勢で高低差±2.5cmの精度作業が可能。強力なけん引力で大量の土を移動させることができます。

    慣行の代かきほ場では、水を入れて土壌を撹拌するので、水中で分散した細かい土粒子が沈み、水を通しにくい層を形成したり、水みちに目詰まりが生じ、浸透が抑制されます。しかし、乾田直播では畑状態であるため、土壌を圧縮して、水みちとなる空隙を減らす必要があります。また、鎮圧を行うことで硬く地耐力のある播種床が造成でき、作業機が安定して走行できるため、作業の高速化や苗立率の向上が期待できます。黒ボク土水田では、段階的に鎮圧を行うことで、徐々に漏水量を低下させることができます。一方で、排水不良の場合は、サブソイラなどで孔隙をつくりましょう。

    代かき土壌は単粒構造で、水を通しにくいです。

    代かきハロー

    転圧ローラー

    畑状態では水みちである空隙が多いです。

    圧縮して水みちを減らします。

    ケンブリッジローラー

    ほ場条件や作業環境によって最適な播種体系を選びましょう。

    乾⽥直播栽培のドリル播種体系で、⻨や⼤⾖などの転作作物にも使用する機器を応⽤できるため、転作体系を取り⼊れている⽅には機械導⼊のコストが削減できます。⼀般的なドリルの播種作業速度は8〜10km/時で、⼤規模ほ場に最適ですが、60PS以上のトラクターが必要です(⼀部機種はYT357で使⽤可能)。

    高速作業でも、正確な株間・深さで播種が行えます。

  • 適応馬力:60PS~
  • 最大8km/時の高速作業で、省力化に貢献します。水稲乾田直播で欠株の少ない高精度な点播を実現します。

  • 播種深度が深すぎると出芽不良になりますが、浅すぎても⿃害などのリスクがあるため、播種床の造成は重要です。
    【播種深さ参考】北海道・北東北:10mm〜15mm程度、南東北以南:15mm〜25mm程度
  • 基肥は直播専⽤の⼀発型施肥をブロードキャスタなどで全層施肥し、播種前にはケンブリッジローラーやパワーハローで⼟壌を⼗分に砕き、鎮圧します(クラスト化しやすいほ場は砕⼟し過ぎに気を付けましょう)。
  • 耕起、播種、施肥を同時に⾏うことで作業の省⼒化を実現します。また、⻨、⼤⾖、そばなどの播種にも汎⽤的に利⽤できるため、導⼊コストを抑えることができます。後⽅に設けられた鎮圧ローラーが強制駆動することで、⼟の付着が少なく播種深度が安定します。

    播種跡が鎮圧されるため、除草剤効果の向上も期待されます。

  • 適応馬力:75~135PS
  • ⼤規模経営に対応するため、最⼤7km/時の⾼速作業が可能であり(条件により異なります)、AG-PORT付きトラクターに装着することで、車速連動作業が⾏えます。

    V溝播種機は播種時不耕起のため播種速度が速く、条間20cmで10条(幅2m)と12条(幅2.4m)の2機種があります。作溝輪は幅2cm、深さ5cmのV型溝を成形し、⿃害や倒伏に強いのが特長です。
    V溝直播機はエコトラデルタやフルクローラトラクターに適応するため接地輪を作業機中央に配置しています。

    深さが均一なV型溝を作溝するため、倒錯、鳥害を抑える効果を期待できます。

  • 適応馬力:60~115PS
  • 施肥は乾田直播栽培専用の緩効性肥料を使⽤します。
  • 種子と肥料を同じ播種溝に施肥播種するため、従来の速効性肥料を用いると、肥料やけを起こし、発芽不良につながります。
    例︓LPコート配合N41% PKなし
  • 乾田直播栽培では、播種後に乾田管理をするため、湛水直播栽培に比べて土壌窒素の無機化が遅れ、土壌窒素供給量が低下する傾向があります。このため、専用肥料の利用と施肥量の増量が生育量確保に有効です。
    また、播種後から出芽時までの乾田期間において、基肥施用の即効性窒素肥料や初期溶出型の被覆尿素では脱窒・流亡しやすくなるため、シグモイド型肥料を組み合わせた基肥一発施肥体系が有効です。均平後は、播種床仕上げを行う前に、ブロードキャスタなどで肥料散布を行うか、播種と同時に施肥機付き播種機で側条施肥を行います。

    早く発生した雑草ほど大きく生育し、大きな被害を招きますので、乾田期の防除が重要です。雑草多発が予想される場合は、乾田期に2回、水入れ後に1回のトータル3回の体系処理を基本とします。初めて乾田直播栽培に取り組む場合や、前歴不明のほ場に初めて乾田直播栽培を導入する場合も3回体系としてください。

    初期の水管理が苗立ちの成否を左右します。大雨などによる地表面の停滞水がないようにかん水を開始するまでは水尻を開放します。水入れは、ほ場全体で筋状に出芽する1.5葉期前後とします。苗は1週間以上水没していると枯死するため、最初の水入れは浅水とします。浅水管理は、すべての苗の先が水面から出るまで待ってから、2~3日後に1回程度給水するようにします。苗が伸びてきたら、湛水管理にしていきます。

    降雨後1週間以上湛水するようなほ場では、表面排水を促進させる溝切りを行いましょう。

    出芽までに、ほ場に亀裂が入るほど過乾燥状態になった場合や、クラストができた場合は、フラッシング(走り水)を実践しましょう。

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