かき取る苗が軽いので、苗のすべりをよくするために、かん水を十分にしてください。
①苗丈10~15cm。
②葉身の幅が狭く、生き生きした緑。葉身は鋭角な太刀のようにやや曲がる。乾物重は10mg程度。
③1葉の高さが1箱すべて揃っている。葉身の幅が広く浅い緑。
④第1鞘高長は4~5cm。
⑤不完全葉。
⑥腰は細すぎず1mm以上。
⑦鞘葉は1cm程度。
⑧メソコチルは伸びが少ない(2mm程度)。
⑨第1節から冠根(活着のための根)の発根準備ができている。第1節の根原基は7~8本抽出直前の状態。
⑩籾の胚乳はわずか(5~8%)だが残っている。
⑪種子根(1本)と5本の冠根が伸び、箱の底に根が巻いている。根につやがある。
密苗は1箱で大面積を移植するため、育苗期における病害発生の影響が甚大になります。
催芽は、揃った苗にするために、密苗では特に重要です。
朝、催芽機を覗いてみると、籾の一部から芽が出ていました。全体的に芽を出させるため、もう少し置いたほうがいいかな?と思い、昼過ぎまで催芽を続けると・・・
なんと、芽が1cmも伸びていました。
密苗の場合、播種量は1箱当たり乾籾250~300g(催芽籾312~375g)です。試し播きをして、培土の量と種籾の量を確認します。
一般に脱水籾の重量は乾籾重の1.25倍。つまり、乾燥籾300gは脱水籾で375gになります。
無チッソでは苗丈の伸長が劣ります。
密苗は種籾層が厚くなります。覆土があふれるようなら、床土を少し減らしてください。
ロックウールマットは、軽量、保水力が大きいなど育苗培土と異なる特性があります。
初めて使用される場合は以下の点にご注意ください。


芽が伸びすぎて播種機を使えないので、手播きで密苗に挑戦。庄土入れ→播種→かん水→覆土まで、全て手作業で行いました。
1箱分ずつ種籾の重さを量り、手で均一に播いていきますが、非常に時間がかかりました。やはり、機械の精度にはかないません。覆土もまばらだったのか、発芽にムラが出てしまいました。密苗は播種機を使用することを強くおすすめします。
播種時に薬剤散布をしなかった密苗です。発芽が不揃いで、土から酸っぱい臭いがします…土を掘ってみると、種籾にカビが生えていました。
短い育苗期間で揃った苗に仕上げるために、特に寒冷地や早期作型では加温出芽を推奨しています。
密苗の芽出しは育苗器の使用、平置き、どちらでも可能ですが、短期間で均一な芽揃いにするため、育苗器の使用をおすすめします。設定温度、被覆資材、出芽期間は慣行と同じでかまいません。育苗器で2~3日、平置きで4~5日で出芽します。今回はスチーム式育苗器を使用し、3日目で約1cm芽が出ました。ここまで芽が出たら、ハウスに並べます。
短い育苗期間で揃った苗に仕上げたいので、特に寒冷地や早期作型では加温出芽を推奨しています。
慣行栽培と同様、手かん水・プール育苗どちらでも行うことができます。全体的にきれいに芽が揃ってきたら、葉齢2~2.3葉、草丈10~15cmに育てます。徒長しにくく、病気を防ぐために、1~1.5葉になったら窓を開けて換気に努めましょう。
密苗で収量を確保するためには、10a当たりに植付ける苗本数は従来の慣行苗と同等になるようにしてください。つまり、10a当たりに使用する種籾量は、密苗と慣行苗で同じになります。
密苗で収量を確保するためには、10a当たりに植付ける苗本数は従来の慣行苗と同等になるようにしてください。つまり、10a当たりに使用する種籾量は、密苗と慣行苗で同じになります。
10a当たり 使用苗枚数 |
1箱当たり播種量 | 10a当たり種籾量 | |
---|---|---|---|
慣行 | 18枚 | 130g | 2,340g |
密苗 | 7,8枚 | 300g | |
9枚 | 260g |
適期に育苗ローラーをかけることで、根を張りながら茎が太くなり、徒長しにくく、生育が揃った苗を作りやすくなります。
1.高温状態が続くとムレ苗が発生。特に温暖地では注意しましょう。
2.寒冷地や早期作型は、緑化期の保温に努めましょう。
3.育苗後半は蒸散量が多くなります。好天時は十分にかん水しましょう。
一部芽が出ていなかったり、黄色くなっていたりする部分があるときは、ハウス内の室温が高すぎたことによる高温障害によるものです。
こうなると、もう芽は出てこなくなり、苗も伸びません。苗は低温には非常に強いのですが、高温には弱いです。
第1葉までの茎が伸びすぎ、徒長苗になってしまう場合があります。
密苗は厚播きのため茎が太くなりにくく、上に伸びやすくなります。慣行苗よりも徒長しやすいため注意しましょう。
また、徒長すると根張りが悪く、田植えに適さない苗になってしまいます。芽出しが完了したら、忘れずに朝からハウスを開けて換気しましょう。
寒冷地でも夜にハウスを閉じて温暖にしてしまうと一気に徒長するため、1.5葉程度になったら、ハウスを昼夜全開にすることが望ましいです。特に徒長しやすい1.5~2葉の頃はハウスの温度管理に気をつけましょう。
全体的に黄色く、肥料切れを起こす老化苗は、田植え後の活着が悪く、苗が枯死してしまうこともあります。
追肥するという手もありますが、コストと手間がかかってしまいます。密苗でコスト削減・省力化に取り組んだ意味が薄れてしまうでしょう。15~20日の適期(苗丈10~15cm、本葉の葉齢2.0~2.3葉)に田植えをするようにしましょう。