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作業の流れ
苗づくりのポイント
移植・管理のポイント
密苗の収量・品質について
密苗に適した播種機
ジャンボタニシ対策

①苗丈10~15cm。
②葉身の幅が狭く、生き生きした緑。葉身は鋭角な太刀のようにやや曲がる。乾物重は10mg程度。
③1葉の高さが1箱すべて揃っている。葉身の幅が広く浅い緑。
④第1鞘高長は4~5cm。
⑤不完全葉。
⑥腰は細すぎず1mm以上。
⑦鞘葉は1cm程度。
⑧メソコチルは伸びが少ない(2mm程度)。
⑨第1節から冠根(活着のための根)の発根準備ができている。第1節の根原基は7~8本抽出直前の状態。
⑩籾の胚乳はわずか(5~8%)だが残っている。
⑪種子根(1本)と5本の冠根が伸び、箱の底に根が巻いている。根につやがある。

  • 目安は2~3週間です。
  • 育苗日数は播種してから移植適期の苗になるまでの目安の日数を示しています。生長の速さは育苗期間の気温で左右され、気温の高い地域や時期は育苗日数が短く、気温の低い地域や時期は長く要します。
  • 品種、移植時期を勘案して、育苗スケジュールを計画しましょう。
  • 移植適期の密苗は、本葉の葉齢が2.0〜2.3の状態です。
  • 葉齢2.3を越えて育苗日数を長くおくと、苗の生育が停滞し、移植後の活着遅れのリスクが高まります。
  • 慣行稚苗と同様ですが、苗丈が短すぎ、長すぎの場合、植付精度が劣ります。
  • 1.塩水選で、良好な種籾を選別しましょう。
  • 2.種子消毒は適切に実施しましょう。
  • 3.揃ったハトムネ催芽で播種しましょう。
  • 4.試し播きで播種量を確認しましょう。
  • 5.播種機で播種をしましょう。
  • 6.育苗期は適切な温度、水管理で健苗を育てましょう。
  • よくある事例
  • うるち米の場合は水20Lに対して食塩を約5kg入れ、よく混ぜて溶かします。そこに種籾を入れてよく混ぜた後、浮いてきた種籾をすくい、沈んだ種籾のみ育苗に使用します。
  • 塩水選をした後は、すぐに流水でよく洗い、十分に塩分を洗い流しましょう。
  • 消毒済み種子でも塩水選を実施しましょう。
  • 比重は慣行と同様です。
  • 密苗は1箱で大面積を移植するため、育苗期における病害発生の影響が甚大になります。

  • いもち病やばか苗病などを防ぐため、必ず種子消毒を実施しましょう。
  • 温湯消毒、薬剤消毒どちらでも適用できます。
  • 温湯消毒の場合は、60℃のお湯に10分間浸け、その後冷水にさらしてよく冷やします。
  • 詳しくは、温湯消毒機の取扱説明書をご覧ください。薬剤を使用する場合は、ラベルに記載してある使用方法に従ってください。
  • 催芽は、揃った苗にするために、密苗では特に重要です。

  • 慣行と同様に催芽をします。
  • 品種にもよりますが、積算温度は100℃になるように調整してください。
  • 催芽機を使って、13℃の水に5~6日浸け、その後30℃の水に1日浸けます。
  • 朝、催芽機を覗いてみると、籾の一部から芽が出ていました。全体的に芽を出させるため、もう少し置いたほうがいいかな?と思い、昼過ぎまで催芽を続けると・・・
    なんと、芽が1cmも伸びていました。

    密苗の場合、播種量は1箱当たり乾籾250~300g(催芽籾312~375g)です。試し播きをして、培土の量と種籾の量を確認します。

    一般に脱水籾の重量は乾籾重の1.25倍。つまり、乾燥籾300gは脱水籾で375gになります。

    無チッソでは苗丈の伸長が劣ります。

  • 初期生育を促進し、肥料切れを防ぐために、窒素成分が1箱当たり1.5g~1.7g含まれる床土をお使いください。
  • 肥料成分やpHが調整されている、「ヤンマー水稲培土」がおすすめです。
  • 密苗は種籾層が厚くなります。覆土があふれるようなら、床土を少し減らしてください。

    ロックウールマットは、軽量、保水力が大きいなど育苗培土と異なる特性があります。
    初めて使用される場合は以下の点にご注意ください。

  • 土壌の拮抗菌の作用が少なくカビが発生しやすいので、種子消毒・播種時の殺菌剤施用は適切に行ってください。
  • 播種前にたっぷりかん水してください(2L程度/マット)。
  • 出芽時に覆土の持ち上がりが起きやすいので、覆土は多めにしてください。
  • 生育が遅れる場合があるので葉齢・草丈に注意しながら、かん水・温度管理を適切に行ってください。
  • かき取る苗が軽いので、苗のすべりをよくするために、かん水を十分にしてください。

  • ロックウールマットでの密苗作付けにあたっては、マット製造メーカーもしくは各地のJA指導員、普及員へご相談ください。
  • 試し播きをして、培土の量と種籾の量を確認します。
  • 覆土が溢れるようなら、床土の量を若干減らします(覆土の量を減らすと転び苗の原因となります。必ず床土の量で調整しましょう)。
  • 苗立枯病を防ぐため、薬剤を同時散布しましょう。
  • かん水量は慣行と同量でかまいません。
  • 苗箱内にムラなく均一播種してください。ムラになると欠株になりやすくなります。
  • 芽が伸びすぎて播種機を使えないので、手播きで密苗に挑戦。庄土入れ→播種→かん水→覆土まで、全て手作業で行いました。
    1箱分ずつ種籾の重さを量り、手で均一に播いていきますが、非常に時間がかかりました。やはり、機械の精度にはかないません。覆土もまばらだったのか、発芽にムラが出てしまいました。密苗は播種機を使用することを強くおすすめします。

    播種時に薬剤散布をしなかった密苗です。発芽が不揃いで、土から酸っぱい臭いがします…土を掘ってみると、種籾にカビが生えていました。

    短い育苗期間で揃った苗に仕上げるために、特に寒冷地や早期作型では加温出芽を推奨しています。

    密苗の芽出しは育苗器の使用、平置き、どちらでも可能ですが、短期間で均一な芽揃いにするため、育苗器の使用をおすすめします。設定温度、被覆資材、出芽期間は慣行と同じでかまいません。育苗器で2~3日、平置きで4~5日で出芽します。今回はスチーム式育苗器を使用し、3日目で約1cm芽が出ました。ここまで芽が出たら、ハウスに並べます。

    短い育苗期間で揃った苗に仕上げたいので、特に寒冷地や早期作型では加温出芽を推奨しています。

    慣行栽培と同様、手かん水・プール育苗どちらでも行うことができます。全体的にきれいに芽が揃ってきたら、葉齢2~2.3葉、草丈10~15cmに育てます。徒長しにくく、病気を防ぐために、1~1.5葉になったら窓を開けて換気に努めましょう。

    密苗で収量を確保するためには、10a当たりに植付ける苗本数は従来の慣行苗と同等になるようにしてください。つまり、10a当たりに使用する種籾量は、密苗と慣行苗で同じになります。

    密苗で収量を確保するためには、10a当たりに植付ける苗本数は従来の慣行苗と同等になるようにしてください。つまり、10a当たりに使用する種籾量は、密苗と慣行苗で同じになります。

    10a当たり
    使用苗枚数
    1箱当たり播種量 10a当たり種籾量
    慣行 18枚 130g 2,340g
    密苗 7,8枚 300g
    9枚 260g
  • 栽植密度は地域の標準的な株数に設定します。密苗も慣行苗も同様ですが、極端な疎植では、寒冷条件では穂数不足になる場合がありますので、導入には注意してください。
  • ほ場の均平が得られず苗が水没しやすい、タニシ発生、早期寒冷期での移植など、移植後の株絶えリスクがある場合は、1株植付け本数を増やすなどの対応を検討してください。
  • 苗が伸びてくると、覆土を持ち上げてしまうことがあります。そのようなときには、昼までかん水せずに土の表面を乾かします。午後になって、覆土が乾燥していることを確認したら、育苗ローラーなどで土を落としましょう。覆土がかかったままの部分は日光が当たらず、生育の不揃いの原因になります。
  • 「育苗ローラー」を使用すると、土落としをしながら、丈夫で均一な根張り優先の苗ができます。1回目は、午前中に土の表面を乾燥させ午後から、2回目以降は、5~7日おきに朝露落としを兼ねて育苗ローラーをかけましょう。
    適期に育苗ローラーをかけることで、根を張りながら茎が太くなり、徒長しにくく、生育が揃った苗を作りやすくなります。
  • プール育苗の場合は、1.5葉が展開したタイミングで入水しましょう。
  • 入水する際は、芽の生長点が酸欠にならないよう、苗箱のフチまでにとどめましょう。
  • プールをできるだけ平らにしましょう。水が深い部分があると、その部分だけ生育が遅くなってしまいます。
  • 水を継ぎ足す方法では古い水が混ざり、水が腐ってしまいます。水が完全になくなってから入水しましょう。
  • 1.高温状態が続くとムレ苗が発生。特に温暖地では注意しましょう。

    2.寒冷地や早期作型は、緑化期の保温に努めましょう。

    3.育苗後半は蒸散量が多くなります。好天時は十分にかん水しましょう。

  • 硬化は育苗の最後の段階です。環境の変化に適切に対応してしっかりとした苗に仕上げましょう。気温は日中20~25℃、夜間は12~15℃程度を目標に温度管理を行います。
  • 寒い夜はビニールを閉じて保温。霜が降りるなど寒い場合(12℃以下になる場合)は、コモや不織布などで被覆保温に努めてください。
  • 一部芽が出ていなかったり、黄色くなっていたりする部分があるときは、ハウス内の室温が高すぎたことによる高温障害によるものです。
    こうなると、もう芽は出てこなくなり、苗も伸びません。苗は低温には非常に強いのですが、高温には弱いです。

    第1葉までの茎が伸びすぎ、徒長苗になってしまう場合があります。
    密苗は厚播きのため茎が太くなりにくく、上に伸びやすくなります。慣行苗よりも徒長しやすいため注意しましょう。
    また、徒長すると根張りが悪く、田植えに適さない苗になってしまいます。
    芽出しが完了したら、忘れずに朝からハウスを開けて換気しましょう。

    寒冷地でも夜にハウスを閉じて温暖にしてしまうと一気に徒長するため、1.5葉程度になったら、ハウスを昼夜全開にすることが望ましいです。特に徒長しやすい1.5~2葉の頃はハウスの温度管理に気をつけましょう。

    全体的に黄色く、肥料切れを起こす老化苗は、田植え後の活着が悪く、苗が枯死してしまうこともあります。
    追肥するという手もありますが、コストと手間がかかってしまいます。密苗でコスト削減・省力化に取り組んだ意味が薄れてしまうでしょう。15~20日の適期(苗丈10~15cm、本葉の葉齢2.0~2.3葉)に田植えをするようにしましょう。

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