セレッソから世界を目指す

小山史乃観 Shinomi Koyama セレッソ大阪ヤンマーレディース

左サイドバックでの
プレーは楽しい

日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の3シーズン目が11月に開幕した。
WEリーグに新規参入を果たしたセレッソ大阪ヤンマーレディースは、プロの舞台でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
大きな期待を背負う選手たちの連続インタビュー企画、第7回は、18歳にして10番を背負う小山史乃観が登場してくれた。

まずはご自身のプレースタイルや特長を教えてください。
私のプレースタイルの特長は、豊富な運動量で攻撃にかかわるところです。
ドリブルのこだわりはありますか?
ドリブルでは、相手の逆を突くことを意識しています。
現在は左サイドバックでプレーする機会が多いですが、もともとは攻撃的なポジションでもプレーされていました。複数のポジションでプレーできることは、どう捉えていますか?
いろいろなポジションができることで、試合中の流れの中でもいろいろなポジションに顔を出してチャンスメークができます。より怖い選手になれるのかなと思っています。
チームの中での役割については、どう考えていますか?
チームがうまくいっていない時に自分が起点となって、打開していくことが求められていると思います。
ゲームも作れる現代型サイドバックを目指して奮闘する[写真]
ゲームも作れる現代型サイドバックを目指して奮闘する
左サイドバックとしては、どのようなプレーや役割を心掛けていますか?
攻撃的にいくことです。まだ課題ですが、自分が起点となってチャンスメークしたり、得点につながるプレーを増やしていきたいと思っています。現代のサイドバックはゲームを作れるポジションでもあるので、プレーしていても楽しいです。
サイドバックのポジションからゲームを作る楽しさがあるんですね。
はい。縦のラインだけ、というより、サイドバックから中に入っていく選手も世界的には増えています。そういう選手は理想にしています。もちろん、ゲームを作るだけではなく、サイドバックで出ても、ゴールやアシストといった結果は残したいと思っています。
8月に開幕したWEリーグカップは、3勝1分1敗のグループ2位で終えました。チームとして、個人として、収穫や課題をどう感じましたか?
チームとしては、思ったよりできた部分が多かったと感じています。ただ、できていないことを走りの量で補っていたり、技術で打開することはできていなかった。もう少し質を上げていかないといけないとも感じています。個人としても、課題が多かったですね。特に攻撃面で、シュートを打てるチャンスで打てなかったり、クロスを上げ切れなかったり、アタッキングサードに入った時の質は、もっと上げていかないといけないと感じました。
昨シーズンの後半はINAC神戸レオネッサへ期限付き移籍し、プレーされました。その半年間はどういった期間になりましたか?
INACでプレーした半年は、上の人から学ぶことが多かったです。特になでしこジャパンに入っている選手たちと一緒にプレーすることで、たくさんのことを吸収できたと思います。その経験があったからこそ、セレッソに戻ってきてWEリーグで戦っていても、少し余裕を持ってプレーできているのかなと思います。

セレッソの環境に感謝している

年齢的には下ですが、経験を重ねてきただけに、WEリーグ参入1年目から中心としてチームを引っ張る意識はありますか?
チームの中心という意識はないですが、自分がうまくなるために周りの選手と頑張っていきたい思いはあります。その点では、自分が中心となって周りを巻き込んでいけたらなと思います。
昨年はU-20ワールドカップを経験したり、今年はアジア競技大会にも出場されたり、代表活動の経験も豊富ですが、思い出に残る大会やエピソードはありますか?
代表活動で記憶に残っているシーンは多いんですけど、U-20W杯は一番記憶に残っています。決勝もそうですが、点の取り合いの末、PK戦で勝った準々決勝のフランス戦も自分の経験としては大きかったです。
やはり世界大会での経験は貴重ということですね。
私が出たのはアンダーのW杯ですが、W杯が持つ影響力はすごと思いました。そこで活躍すればいろいろな人に見られますし、W杯本大会も目指していきたいと思いました。
先日のアジア競技大会ではサッカー日本女子代表として金メダルを獲得されました。この大会はどのような収穫がありましたか?
アジア競技大会は、自分の中ではプレー面で幅が広がった印象があります。前線の特長ある選手たちと、どうコンビネーションを作っていくかを考えながらプレーしていた中で、内に入ってチャンスメークしたり、そういうプレーが増えたことは良かったと思います。この経験をチームでも生かしていきたいと思います。
やはり代表活動で得ることは多そうですね。
代表での活動は自分にとって刺激になるし、もっと上を目指さないといけないと思わせてくれる場所です。なので、代表活動はいつも楽しいですし、楽しみにしています。
改めて、海外でプレーしたい思いは強いですか?
強いです。U-20W杯で海外の選手と対戦した中で、自分も早くその環境に行ってステップアップしたいと思いました。セレッソでも、(林)穂之香さんや(宝田)沙織さん、(浜野)まいかも行っているので、そういう身近な選手の影響もあって、海外でプレーしたい思いは強くなりました。
海外挑戦の夢を実現するためにも、まずはチームで結果を残したい思いが強いと思います。改めて、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、自身にとってどのような存在ですか?
成長させてくれた場所だと思っています。「セレッソから世界へ」という言葉をトリさん(鳥居塚伸人監督)も言われていますが、世界基準で日頃からプレーする環境にいられることは、いいことだと思います。中学生の頃からそういった環境にいられることに感謝しています。
今後、どういったプレーヤーになりたいですか?
怖い選手になりたいです。一人で打開できて、点も取れて、ボールも奪える選手になりたいです。将来的にはセレッソから羽ばたき、世界で活躍する選手の一人になりたいです。
小山が得点に多く絡めるかどうかは、チーム浮沈のカギとなるポイントの一つ[写真]
小山が得点に多く絡めるかどうかは、チーム浮沈のカギとなるポイントの一つ
浜野選手とは小さい頃から一緒にやっていただけに刺激を受けていると思いますが、彼女が海外へ移籍してから、話はされましたか?
「早く来たほうがいいよ」とも言われるし、海外のサッカーの特長とかも教えてもらったりしています。
U-20W杯ではともにプレーして準優勝に貢献されました。2人で、代表でプレーする喜びもありましたか?
はい。久々に一緒にプレーできたので、一番は楽しかったです。何でも分かってくれているというか、どこにいてほしいとかも全部分かってくれている選手だなと思いました。それに、まいかはチームが苦しい時に走れて点も取れるので、自分もそういう選手になっていかないといけないと思いました。
最後に参入初年度となるWEリーグに向けての意気込みをお願いします。
セレッソらしいアグレッシブなサッカーで、観客の人たちを楽しませるサッカーをしたいです。その中で、質も求めながら、自分たちでボールを失わずにゴールまで行くサッカーも見せたいと思っています。チームとしては5位以内という目標はありますが、個人としては、優勝と言いたいところですが、1試合1試合をしっかり勝って、上位に食い込んでいきたいです。応援よろしくお願いします。
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