やるからには優勝を狙っていく

筒井梨香 Riko Tsutsui セレッソ大阪ヤンマーレディース

声を出すことによって
自分も集中できる

日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の3シーズン目が11月に開幕する。
WEリーグに新規参入を果たしたセレッソ大阪ヤンマーレディースは、プロの舞台でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
大きな期待を背負う選手たちの連続インタビュー企画、第2回は、守備の要として奮闘する筒井梨香が登場してくれた。

主にセンターバックでプレーされていますが、ご自身のプレースタイルや特長を教えてください。
プレー面の特長はロングキックとヘディングだと思っています。今シーズンの個人的な目標としては、得点も取れるセンターバックになること。ロングフィードにもこだわって、自分からの1本でそのままゴールを取れるようなフィードを出していきたいです。
チームの中で年齢は上のほうだと思いますが、ご自身の人間性やキャラクターについても教えてください。
チームメートからは「おちゃらけキャラ」とよく言われます。自分自身もふざけることが好きなので、基本的にはふざけています(笑)。もちろん、それはピッチ外のオフの時ですが。
それは言い換えると、ムードメーカーを演じている部分もあるのかなと思います。「チームを盛り上げたい」という気持ちもありますか?
盛り上げるのも一つですし、チームメートとのコミュニケーションを意識しています。常に「この子、今日はどうかな」ということも探りながらやっている感じです。ロッカールームを笑える空間にしたいので、頑張っています(笑)。
笑顔の多い筒井の存在が周囲に好影響を与えている[写真]
笑顔の多い筒井の存在が周囲に好影響を与えている
チームには十代の選手もたくさんいます。若い選手が萎縮せず、伸び伸びプレーできるように組んでいることはありますか?
若い子たちに向けては、分かりやすく言うのを意識していますね。「この場面はこうしたほうが自分自身にとってやりやすくなるよ」というふうに。高圧的に言うのではなく、「こうしたほうがこうなるからもっといいよ」と具体的なことを伝えるようにしていますし、若手がもっと伸び伸びとやれるようにプラスな声掛けは意識しています。
プレー面においても、最終ラインで年下の選手とプレーする機会が多いです。守備をまとめる、統率するという部分で意識していることは?
統率するという意味では、試合中は全体をまとめるイメージでプレーしています。ディフェンスラインに対してだけではなく、何かしらのアクションがあれば、それに対してすべてにリアクションするというか、「ナイス!」や「次々!」など、常にプラスになるような声掛けをしていますね。そういった声を出すことによって自分も集中できるので、そこを意識しながらリーダーシップを取っています。
「リーダーシップ」という言葉がありましたが、いつ頃から責任感が芽生えてきたのでしょうか?
リーダーシップを意識し出したのは、2021シーズンです。10選手くらいがチームを離れた中、自分がキャプテンを任され「今のままじゃダメだな」と。もっと周りを見るように心掛けたり、どんな時も声掛けをするように意識しました。2年間キャプテンをやらせてもらって、その経験が今に生きていると思います。
WEリーグを戦っていく上で、チームに対してどういう影響を与えたいと考えていますか?
自分がいることでチームに安心感を与えたい、というのが一番です。「筒井がおったら、もう安心やな」とサポーターの皆さんに思ってもらえるように、かつチームメートに信頼される選手でありたいなと思っています。

楽しいサッカーを追求していく

7月に開幕したWEリーグカップは、3勝1分1敗のグループ2位で終えました。チームとして、個人として収穫や課題をどう感じましたか?
「思っていたよりもいい結果で終われた」というのが率直な感想です。まだまだ課題はありますが……。その課題はやはり技術面です。自分たちからボールをロストすることが多かったので、それを改善しないと上にはいけません。その一方で通用したのは走りの部分。苦しい時間帯でも走れたのは、普段の練習から走り込みをしていたから。ただ、一番良かったのは点を取るべき場面でしっかり取れていたことだと思います。
セレッソ大阪ヤンマーレディースの見せたいサッカーとは?
止まることなく常に動き続けて、かつアグレッシブな守備からの攻撃。ボールを失うことのないポゼッションもそうです。ワンタッチやツータッチで相手を崩して得点までいく、そういったサッカーを見せていきたいと思っています。
WEリーグの開幕が近づいてきました。チームとして取り組んでいることや、開幕までに改善したい部分はどういうところでしょうか?
イメージの共有です。イメージの共有をするには、個人の技術がすごく大事。そこを徹底することと、イメージを常に合わせて、普段の練習からコミュニケーションをもっと増やしていければと思っています。
WEリーグカップのマイ仙台戦ではCKからゴールを決めた[写真]
WEリーグカップのマイ仙台戦ではCKからゴールを決めた
セレッソで長くプレーされていますが、ご自身にとってセレッソ大阪ヤンマーレディースはどういう存在ですか?
セレッソのことはめちゃめちゃ大好きで、もう「なくてはならない存在」ですね。すごく居心地も良くて、大好きな場所。もしも将来的に他クラブへ移ったとしても、絶対に帰ってきたい場所です。
将来の目標を教えてください。
海外で挑戦してみたい気持ちがあります。それに、なでしこジャパンは常に目指しています。もっと成長できると思っているので、まずはなでしこジャパンに入ることを目標に頑張って、そこから世界で活躍するというのを描いています。
セレッソ大阪ヤンマーレディースはプロ1年目のシーズンを送っています。このチームの未来にどんなことを期待しますか?
現在は、三菱重工浦和レッズレディースやINAC神戸レオネッサ、日テレ・東京ヴェルディベレーザなど、強豪と言われているグループにセレッソ大阪ヤンマーレディースの名前が入るようになってほしいです。さらに言うとFCバルセロナやレアル・マドリードのように、海外でも名前がとどろく存在になっていってほしいなと思っています。
最後にWEリーグ開幕に向けての意気込みと、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
WEリーグ参入1年目ということで、サポーターの皆さんにはすごく期待してもらっていると感じます。当然、その期待に応えたいと思っています。まずチームの目標として5位以内を掲げていますが、自分自身としてはやるからには優勝を狙っていきたいです。観客の皆さん、サポーターの皆さんに「試合を見に来て良かった」、「また来たい」と思ってもらえるような楽しいサッカー、かつ自分たちにとっても楽しいサッカーをしていくことでサポーターやお客さんが増えていくと思うので、結果にも内容にもこだわって、楽しいサッカーを追求していきたいと思います。

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